POSITISM

適度に適当に。

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スラッシュ\パーティ - /24 -


ハコニワノベル

「ヨキョウノルールハ、タンジュンメイカイ。ミナサンノウデニ、トリツケラレタ、トケイノジュミョウヲ、ゼロニシナイヨウニシテ、コノヤカタノドコカニアル、トケイヲトリハズス、”キー”ヲ、ミツケダシテイタダクダケノ、カンタンナルールデス。ミナサン、ソレゾレ、”キー”ハ、チガウノデ、チュウイシテ、クダサイ」

 映像の中の人物は機械的に話し続けている。
 腕時計を確認してみると、何の材質で出来ているのか、どういう構造なのかは分からないけれど、無理やり取り外すことは出来なさそうで、まるで腕に吸着するかのように私の腕にフィットしている。

「ミナサンノ、ジュミョウハ、4320プン。ツマリ、72ジカン、3ッカカンデス。3ッカカンノアイダニ、コノヤカタノドコカニアル、”キー”ヲサガシダシ、トケイヲ、トリハズスコトガデキレバ、コノヨキョウヲ、クリアスルコトガデキマス」

 モニターの映像がクリアな館の見取り図に変わった。

「ヤカタノナカハ、ジユウニ、イドウシテイタダイテ、ケッコウデス。ガ、イドウノサイハ、イドウコストニ、ゴチュウイクダサイ。タトエバ、ミナサンガイマイル、オオヒロマニ、ハイッテキタイリグチハ、コストが20プンデス。ソノイリグチカラソトヘデルト、ジュミョウガ、20プンヘリマス」

 振り返って入り口を確認すると、入り口の扉にはいつの間にか取り付けられたデジタル時計のようなものに、20と表示されている。

「イドウコストデ、ジュミョウガ、ゼロニナッタバアイモ、シンデシマウノデ、オキヲツケクダサイ。ソレト、アトフタツ、ジュミョウガ、ヘルパターンガ、アリマス」

 会場内は静まり返っていて、モニターから発せられる機械的な音声だけが鳴り響いている。古いラジオで聞いているかのような音声だ。

「ヒトツハ、パートナート、15メートルイジョウハナレタバアイ。1プンガ、1ビョウデ、ナクナリマス。モチロン、パートナーフタリトモ、ヘッテイキマスヨ。サイゴノヒトツハ、ワタシガ、ジユウニ、ミナサンノジュミョウヲ、アヤツルコトガ、デキルトイウコトデス。ヘラスノモ、フヤスノモ、ワタシノ、ジユウジザイ。メッタナコトデハ、ゾウゲンサセタリ、シマセンガ、ルールヲ、ヤブッタリ、コノヨキョウヲ、ダイナシニシテ、シマウヨウナヒトガイレバ、モンドウムヨウデ、ジミョウヲ、ゼロニシテアゲマス」

 つまり、この映像内の中の人物に、ここにいるすべての参加者は命を握られてしまったということらしい。この余興を終わらせるには、この館のどこかにある”キー”を見つけて、この妙な腕時計を取り外さなければならないらしい。

「”キー”ハ、コノヨウナ、カードタイプデス。ミツケタ”キー”ヲ、ウデニツケタ、トケイノモジバンデ、スキャンシテクダサイ。ミゴト、ジブンノトケイト、ツイニナル、”キー”ダッタバアイ、ソノトケイハ、ウデカラハズレ、ヨキョウヲ、オエルコトガ、デキルデショウ。ヒトツ、ザンネンナコトハ、コノ”キー”、ゼンブデ、53マイシカ、ジュンビシテイマセン」
「おい! ここにいる人数はどう数えても数百人はいるぞ? どうなってるんだ」

 叫んだのは塗紙一だった。ステージ上から、モニターに向かって叫んでいる。

「我々、十枚に相談なしで、こんな余興を始めるとは、どういうことか分かってるのか?」
「ククク。ヌリガミサン、アナタ、ジョレツノ、ゴマイメデショウ? ワタシハ、サンマイメ。アナタヨリモ、ニマイ、ウエナンデスヨ?」
「そういう問題じゃない。我々はやっとあの支配下から脱したところだというのに、身内で争っている場合じゃないだろう」
「ソウカッカセズニ、コノヨキョウヲ、タノシミマショウヨ、ヌリガミサン。ソレトモ、ジュミョウヲ、ヘラサレタインデスカ?」
「……ちっ」
「アァ、ハナシノ、トチュウデシタネ。ドウシヨウカナ、”キー”ガ、ミナサンノ、ニンズウブン、タリマセン。ンー、ア! ソウダ、ソウダ。ソウシヨウ。ドウスレバイイカ、オモイツキマシタ」


 フラッシュバック、フラッシュバック、フラッシュバック。
 見たくない。見たくない。見たくない。
 止められない、助けられない、救えない。



 思わず、眼を閉じて下を向いた。



「コウスレバ、イインデス」

 映像の中の人物が、パチンと指を鳴らした。



 ――ドン! ドン! ドン!



 リズミカルに、空気を震わせながら、爆発音が鳴り響く。
 恐る恐る目を開く、何かが焦げた臭いが充満していくのを感じる。
 恐る恐る顔を上げると、照明が再び灯された会場のあちらこちらで、黒煙が立ち上っているのが見える。その黒煙を立ち上らせている場所には、参加者の下半身だけが焦げた状態で残されている。
 黒煙のせいなのか、視界が狭い。とにかく見える範囲で会場内を確認すると、尋常じゃない数の黒煙が立ち上っているのが分かる。何十、いや百は越えているだろう。

「53マイノ”キー”ニ、ガイトウシナイ、トケイヲツケテイタヒトヲ、ヘラシマシタ。コレデ、モンダイハ、カイケツデス。タダシ……」

 映像の中の人物が楽しそうに笑ったように見えた。その映像を見た瞬間、全身に鳥肌が立った。見えたのではなく、聞こえたからだ。今からこの映像の中の人物が言う言葉が。

「イマ、ノコッテイルノハ、106ニン。”キー”ヲ、ミツケテモ、フタリニヒトリハ、タスカラナイケドネ。ククク。ジャ、ヨキョウヲ、タノシミマショウ!」

 映像が無造作に切られた。
 やり場のない怒りなのか、悲しみなのか、体温が熱くなっていく気がする。この黒煙を発生させる張本人を見付け出して、その罪を償わせてやる。ペチコパンツの上から、仕込んだ弓矢を握りしめた。

「大丈夫だよー。静香」

 そう言われて、初めて自分がずっと抱きしめられていたことに気が付いた。無言のまま慌てて爽太の腕を振り払って周りを確認する。嫌な予感が収まらない。爽太は無事、浅黒いホストみたいな男と、ケバイ女も無事。そこまで確認してから、爽太が邪魔で見えなかった島崎先輩と王子先輩の座っていた席を、爽太を押しのけるようにして覗き込んだ。



 そこには黒煙を立ち上らせた、二つの下半身が無造作に転がっていた。



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COMMENT

●じゅじゅさん

誰が何のために開催したのか
という物語の幹になる部分は
既に頭の中で完成しております。

楽しめるものになるように
しっかり続き書いていきまする。

ふーむ・・・今回のスラッシュの目的はナンなんだろうなーと気になってしかたありません^-^ それにしても・・・もう殺されちゃうなんて(・_・、)先輩たち・・・

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