POSITISM

適度に適当に。

07« 2017.08 »09
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

スポンサーサイト


スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スラッシュ\パーティ - /11 -


ハコニワノベル

 傘を拾い、玄関から家の中へ。謎の招待状以外は下駄箱の上に置いて自分の部屋に入る。濡れたままで荷物を適当に置き、その招待状を恐る恐る開けた。



          スラッシュ\パーティ ご招待状



 短夜の候、いかがお過ごしでしょうか。
 これからの十枚グループにとって大きな転機を迎えるに当たり、当グループと
 皆様方とのより一層の親睦を深めるパーティを、6月26日(10時~)より、
 下記の場所にて開催する運びとなりました。
 大変重要な発表もありますので、ご多忙中とは存じますが、ご出席いただけま
 すようお願い申し上げます。
 また、今回のパーティでは更に幅広い交流の場としたいため、参加されます
 場合は、パートナー1名と2名1組みでの参加をよろしくお願い致します。
 なお、準備の都合上6月18日までに出欠を、ご連絡ください。

                 記

 平成 ××年 ××月 ××日

  1.日時 6月26日(土) 午前10時~(終了時間は未確定です)
       場所 陽碧の館(ひみどりのやかた) 大広間
       当日は間に合う時間に迎えを準備致します。
       電話番号 XX-XXX-XXXX
  2.会費 不要
  3.ドレスコード 準礼装で構いません


                           主催 十枚グループ



 いたずらの類ではなく、きちんとした招待状であることは招待状そのものの材質、それから文面からすぐに分かった。しかし、この招待状を手にしたときに見えた未来の理由は見つかりそうもない。主催と名乗っている十枚グループについて調べてみると、とてつもなく巨大なグループだということしか分からなかった。真偽の程は分からないけれど、あの帝園グループを統括しているという噂レベルの情報もチラホラあった。そんな巨大なグループがなぜ私の家に招待状を出してきたのか。宛名がないところを見ると、無造作に招待しているようにも見えるが、とにかく怪しいことには代わりない。見えた未来を考えれば、この招待状には極力関わらないでいた方がいい。確実にアクシデントに見舞われる。自分だけでなく、家族にだってそんなアクシデントが起こるパーティになんて参加してほしくなかったので、濡れたままの招待状を鍵付きの引き出しへとしまっておいた。
 大きく息を吐き出したところで、自分が濡れていることを思い出し何も考えないようにして浴室に向かう。濡れた制服を洗濯かごに入れ、バスタオルで身体を拭いてから道着に着替えて弓の稽古に向かった。

「おばあちゃん」
「なんや?」
「十枚って知ってる?」
「十枚? 一枚二枚三枚……の十枚か?」
「ううん、そっちじゃなくて、十枚グループ」
「……静香、どこでその名前知ったんや?」
「え? いや、ちょっと小耳に挟んだんよ」
「小耳にねぇ……。とりあえず悪いことは言わん。その名前は忘れとき」
「なんで?」
「なんでもや」
「おばあちゃんがそう言うってことは、相当なんやね」
「まぁ、触らぬ神に祟りなしっちゅーやつや」
「おばあちゃんでも触らないん?」
「触りたくないし、関わり合いたくもないな」
「そんなレベルの話なんだ……」
「どうしたんや? そのグループがどうかしたんか?」
「ううん。ちょっと見えただけだよ」
「良くないことか?」
「うん。だけどこっちから近付かないようにするから大丈夫」
「そうしとき。絶対関わったらあかん」
「分かった。やけど、ちゃんと教えてもらわな納得できひん」
「あかん。知らぬが仏っちゅーこともあるで」
「おばあちゃん……」
「な、なんやその目は」
「おばあちゃん。お願い」
「あかんと言ったら、あかん!」
「おばあちゃん。お願いお願い」
「う……」
「お願いします」
「孫っていうのはほんまに反則やわ。しゃーない教えたる。教えたるから、その顔やめぇ」
「うん」
「ほんま生意気になりよってからに……」
「で、十枚って何なの?」
「あほ! その名前を気軽に口にしたらあかん。小耳に挟んだ言うてたけど、そのグループ名を口走ってる奴は知り合いか?」
「ううん、全然ちゃうよ」
「そうか。下手したらそいつの命はないで」
「グループ名言うだけで命ないの?」
「それぐらい危ないグループや」
「何してるグループなの?」
「簡単に言うと、世界を牛耳ってる十個のグループの集まりやな」
「世界を牛耳ってる?」
「まぁ、大げさに言えば世界で一番権力を持ってるグループや」
「国よりも?」
「そらそうや」
「ふーん、そうなんや」
「教えたんやけど、名前はさっさと忘れとき。覚えててもいいことないで。あと、絶対に関わったらあかんで?」
「はーい」

 弓の稽古を終えてからお風呂に入り、夕飯を食べた。今日のメニューは和風おろしハンバーグ。煮込みハンバーグだったので柔らかくて美味しかった。おばあちゃんは「もっとガツンと肉々しいのでええのに」と文句を言いながら、バクバクと食べていて可笑しかった。
 三杉さんと一緒に夕飯の後片付けをしてから部屋に戻り、中を伺うようにして鍵付きの引き出しを開ける。もう一度中に入っている招待状を手に取ると、沢山の黒煙が舞い上がる映像が見える。このスラッシュ\パーティとかいうパーティに参加すれば、どうにもならないレベルのアクシデントが待ち構えているのは間違いない。それにしてもこの招待状、いったい誰が誰宛に出したものなのだろうか。祖母にこのパーティの主催である十枚のことを聞いたものの、特にパーティ関連で思い当たるふしはなさそうだった。だとすれば父宛なのだろうか。
 ――コンコン。
 突然ドアをノックする音。そっと招待状を引き出しに戻してドアの方を向く。

「はい?」
「あ、静香。まだ起きてたか?」
「起きてたでお父ちゃん。どないしたん?」
「いやぁ、あのね、よく分からないんだけど、人が沢山集まるところに行くと危険なことになりそうだよ」
「分かった。気を付けてみる」
「ま、またさ、お父さんの気のせいかもしれないから、気にし過ぎないようにね」
「分かった。おおきにお父ちゃん」



≪/10へ
/12へ≫

COMMENT

●じゅじゅさん

うーん、それはどうなんですかねぇ。
まだ物語の展開を全然掴んでないので
まったく決めてないという……w

え?お父さんが巻き込まれちゃうんですか?!(☉д☉)

FC2Ad

  [D]esigned by 218*
Copyright c POSITISM All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。