POSITISM

適度に適当に。

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FARFALLA - 34 -


ハコニワノベル

 あまり表情を変えないウラーノが引きつった顔を見せている。しかしその視線は、どこかで予測していた事態である雰囲気を醸し出している。相変わらず、嫌いなタイプだ。なんでも想定済み、対応方法も決定済み、そんな感覚を思わさせられる。
 しばしの沈黙がお互いに流れた。――その時。

「おいおい、ウソだろー? 普通生きてると思うか? な、ペーシ」
「ですよね、まさか生きてるなんて、誰も思いませんよね、カンクロさん」

 懐かしい癇に障る言い回しの声が聞こえた。その声が聞こえた方を確認すると、カンクロとペーシ、それからテラが見えた。

「んー? おー! みんな久しぶり!」
「……」
「あれ? なんで黙ってんの?」
「うるさいわね、この……、この、バカミツルー! !」
「バカな、辿り着けるはずがない。あんな燃料すら積んでいないガラクタでは……」
「まぁね。でも辿り着いてしまったんだから仕方がないよね」
「くっ……」
「あ、あんたね、どこ行ってたのよ!」
「え? あぁ、そりゃもちろんチキューだよ。すごいな、チキュー!」
「だったらなんですぐに戻ってこないのよ! 私がどれだけ心配したと……」
「ごめんごめん、向こうでも一から宇宙船作ってたら二年経ってたんだよ」
「バカ! ほんと、もうバカ! バーカ! バカ……」
「久しぶりなのにバカしか言われてないな……。まぁ話したい事は沢山あるけど、その前にやっておきたいことがあるんだよね」



   ◇



「離せ!」
「いいえ、離しません。あなたはこのフィオーレにとって危険因子。だからここで処分します。チキュージンと言えど女のあなたでは、男の私には力で及ばない。残念でしたねぇ。あぁ、そうだ。最後になぜあなたはここに辿り着いたのか聞いておきましょうか」
「ファ、ファルファッラに行きたかったんだよ」
「ファルファッラ? そんな星は存在しませんよ。あなたはありもしない星を目指して、チキューを飛び出したのですか? くっくっく、はっはっは。実にくだらない。チキューで何も知らず生きていればいいものを。ファルファッラ? なんだそれは。はっはっは……」
「何が可笑しい! 何が、可笑しい!」



   ◇



 二年前にテラを傷つけたことだけは許せない。テラやチキューの人達がファルファッラ、いやフィオーレにどんなに想いを馳せていると思っているんだ。確かにファルファッラという星は存在しない。だけどファルファッラはフィオーレだった。テラはちゃんとフィオーレに辿り着いた。それはファルファッラにちゃんと辿り着けてたってことだ。ここまで二年掛かったけど、一矢報いてやる。
 僕はゆっくりと右腕を回した。

「あんた何する気?」
「ん? ラリアット」
「バカ! あんたほんとにバカなの? あいつに私のラリアットが効かなかったの忘れたの?」
「ラリアット!」
「だから、無理だって……」

 力を抑える意識を遮断する。息を吸い込んでから全体重を足に移動させ、その溜めこんだ力をそのまま全部噴射させて、まるで重力を振り切るロケットのように、強く、強く床を蹴った。

「チキューではフィオーレのことを、ファルファッラと呼ぶんだ!」




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