POSITISM

適度に適当に。

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FARFALLA - 33 -


ハコニワノベル

 それにしても力加減が難しい。その原因はチキューとフィオーレの重力差だ。その差、十二分の一。チキューの感覚で動こうとすると無駄に飛び跳ねてしまったりする。テラがフィオーレに来たとき、ものすごく高く飛び跳ねたり、ラリアットでカンクロを一回転半させたのもチキューの重力感覚で動いていたからだ。試しに軽く飛び上がってみると簡単に数メートルほど身体が浮いた。
 さっきの騒動できっと侵入したことはすぐにばれてしまう。きっとあいつがまだ指揮を執っているだろうから、このままぐずぐずしているとすぐに包囲されて掴まるのがオチだ。そうなる前に――。

「今のうちに仕込んでおかないとな」

 旧八番ゲートの扉から倉庫内へ入り、宇宙服を脱いで隠しておいた。身体が軽くなった分だけ余計に力加減が難しくなる。ぎこちなく移動しつつ、適当な床タイルを力任せに剥ぎ取って床下の配電盤を確認する。そこから伸びているモニタのケーブルを切断し、小型のプリマヴェーラを間に介して再度ケーブルを繋ぐ。小型のプリマヴェーラがきちんと動作していることを確認してから、床タイルをまた力任せに元に戻した。そうこうしていると、遠くから多数の足音や声が聞こえる。

「相変わらず、無駄のない迅速な対応だこと」

 細工をした場所で騒動が起きると困るので、適当な広さがありコンテナが多数並んでいる場所へ移動した。多分、中から言うと一つ目の扉の中ぐらいだ。ここなら多少暴れても大丈夫だろう。天井も高いから、頭を打つことも無さそうだ。

「いたぞ! あそこだ! ……ターゲットを確認しました」

 なるべくゆっくりと一角にある複数のコンテナの影に隠れてから、勢いよくジャンプして天井部分にある通風口の出っ張りと、天井に手をついて隠れる。思惑通り、リベルラの社員達には僕がまだコンテナの影にいると思っているようだ。

「そこに隠れている侵入者に告ぐ、大人しく我々の前に出てきなさい」

「我々の言葉が理解できるのであれば、平和的に解決しようではないか」

「無駄な抵抗は辞めなさい」

 天井側から見下ろすと徐々にラッジョ銃を手にしたリベルラ社員が集まって、あっという間に包囲網が完成した。ほどなくすると、包囲網の外側を悠然と歩く人物が目に入った。ウラーノだ。二年前に散々邪魔されて、そのせいでテラをフィオーレに置いて行ってしまう結果になった。それにあの時、テラに酷いことを言っていた。あの時はテラを助けてあげられなかった。
 思いだしながら奥歯を噛みしめる。今すぐに飛びかかりたいけれど、今飛び出したらラッジョ銃でハチの巣にされるだろう。タイミングを見極めないと――。

「君は今、完全に包囲されている! 大人しく出て来なさい」
「部隊長、もうやってしまいなさい」
「し、しかし」
「これもフィオーレの治安維持のためです」
「了解しました。総員、一斉射撃準備! ……アタック!」

 眼下で躊躇無くラッジョ銃の光線が乱れ飛ぶ。コンテナが音も無く蜂の巣にされて崩れていく。一斉射撃が終わったのを確認してからその瓦礫の山に下りる。ウラーノの位置を確認してから口を開いた。

「相変わらず、おっかない治安維持だね」

 驚きながら、リベルラ社員達が再びこちらに銃口を向けた。

「まだ、慣れなくてさ」
「おい、止まれ! 止まれと言っている!」
「だってさ、十二分の一なんだよ?」
「何を言っている? 我々の言葉が理解出来るのであれば、動くな!」
「いや、だからさ、十二分の一なんだって」
「と、とにかく止まれ! さもなくば撃つぞ!」
「これ、ほんとに難しいな……」
「部隊長、構いません。処分してしまいなさい」
「はっ! 総員、一斉射撃準備! ……アタッ……! ?」

 勢いよく瓦礫を踏みしめて飛ぶ。包囲網のリベルラ社員達を飛び越えてウラーノの所まで。と、考えていたのに思った以上に飛距離が出て、かなり遠くへ着地してしまった。そのまま跳ね返るように再度飛び、ようやくウラーノの目の前に止まることが出来た。

「ほんと、手加減の仕方が解らないや。ね、ウラーノさん」
「お前は……」




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