POSITISM

適度に適当に。

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FARFALLA - 26 -


ハコニワノベル

 結局、クローチェから完治した承認が下りたのは一週間後だった。起き上がるのも、食事も以前のように出来るように戻った。そしてそのままビランチャさんの所へ向かうと、僕は目を丸くした。集落のみんながそこで作業をしていたからだ。その中央にビランチャさんがいて的確に指示を出している。

「おぉ、ミツル! もう身体は良くなったのか?」
「えぇ、おかげ様で。というかみんななんでここにいるの?」
「お前さんがあのロケット打ち上げた次の日から、次から次へと手伝わせてくれとか言いやがる奴が増えてよぉ、気が付いたらこの有様だわぃ」
「じゃぁ、みんな手伝ってくれるんですか! ?」
「バカヤロウ、お前さんがカワイコちゃんとイチャイチャしてる間も、ワシらはお前さんのためにロケット作ってたんだぞぉ」
「まぁ、あのじいさんは指示しかしてないけどな」
「そ、それじゃぁ、みんな……」
「おぅ、手伝うぞ。お前がお前の星に行くのをな」
「あ、ありがとうございます!」

 集落のみんなが手伝ってくれることになってから加速度的にロケット作成は進んでいる。
 ある日、毎日が暑いことに気が付いた。「チキューの空調管理はどうなっているのか?」という疑問を聞いて見たら笑われて、これはナツと呼ばれるチキュー自体が設定しているらしい。相変わらずチキューはすごい。そのナツの間中、木々が生い茂っている場所からはセミと呼ばれる生き物が鳴いていて、ビランチャさんが「蝉時雨か、一週間のロックだねぇ、ヒヒヒ」とか笑っていた。

 それから半年が過ぎ去った。テラやカプリコルさん、ヴェルネさん達は元気にしているだろうか。ついでにカンクロとペーシも。
 ロケットは順調に作成されているものの、やっと三分の一が完成したぐらいだろうか。人を乗せてチキューを飛び立つのはなかなか簡単にはいかない。秒速11.2キロメートルで飛び続けなければ、このチキューの重力に負けて宇宙にすら飛び立てない。半年前に作った「ブレッザ」は小型とはいえ、地球の重力を振り切ったのかと思うと今更ながらに感心してしまう。チキューのロケット技術は明らかにフィオーレより上だ。
 その日の夜、クローチェから「星を観に行かない?」と誘われたので、夜になってから丘の上にある昔は宿泊施設として機能していたらしい建物へ行くことになった。大きくて錆び付いている風車が夜風でゆっくりと回っているものの、建物自体は廃墟と呼ばれているほどにあちこちが痛んでいる。クローチェに連れられてその建物の最上階にある部屋のベランダへ出た。

「おー、すごい。星がたくさん見えるね」
「ここら辺じゃ、この建物が一番高い場所だからね。集落の灯りも邪魔しないから、星を観るのには最適なんだよ」
「ほんと、良く見えるよ」
「ねぇ、ミツル」
「ん? なにクローチェ」
「ミツルの誕生日っていつ?」
「誕生日? それって自分が生まれた日のことだよね?」
「うん」
「知らないんだよね。親の顔だって見たことないし、フィオーレではそれが当り前のことなんだけどさ」
「そっか。……それじゃぁ、こういうのはどうかな。今日は一年前にミツルがチキューにやって来た日。だから今日がミツルのチキューに来た記念日」
「あー、そっか。もう一年経っちゃったんだ。ということはチキュージン歴一歳ってことかな」
「ふふふ。ミツル、チキュージン歴一歳のお誕生日おめでとう」
「ありがとう、クローチェ」

 そんなやり取りをしていると、ふいに辺りが明るくなった。夜なのにかなり明るく感じる。

「あ! すごい! ファルファッラが見えるよ」
「ファルファッラ?」
「ほら、あれだよ! あれ」

 クローチェが指差す方向に浮かぶ無限を表す記号「∞」に似た巨大な星。他の星と比べてもその大きさは尋常じゃない。今までチキューで過ごして来て一度も見れなかったのはなぜだろう。そう言えばテラは「ファルファッラ」へ行こうしたと言っていた。その途中に「ルーナ」という星の話もしてた気がする。頭の中で星の位置関係を思い描く、電気のような感覚と共に閃いた。それと同時にファルファッラは姿を消してしまった。

「そうか、こういうことだったんだ!」
「ミツル、どうしたの?」
「あのさ、クローチェ。ファルファッラについて知ってること教えてくれない?」
「え?、う、うん。あのね、ファルファッラは普段は良く見えないの。こんなにはっきり見えたのは、ミツルがチキューにやって来るより前だったと思う。たまにしか見えない星だから、ファルファッラを見た次の日は良いことがあるってみんな思ってるの。夜でもあんなに明るくしてくれるからね。あとは、ファルファッラっていうのは人類の古い言葉で―――を表すということぐらいかな、私が知ってるのは」
「普段は見えない……か、間違いなさそうだ」
「あ、あと、これは私がかってに子供っぽいことを思ってるだけなんだけど……、ファルファッラにはまだ人類の生き残りがいて、いつかあそこから誰かが訪れたら素敵だなぁ。なんて……」
「いるよ」
「え?」
「あそこに人類はいる」
「どういうこと?」
「あれは、ファルファッラじゃなくて、フィオーレ。僕が住んでた星だよ」




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COMMENT

●るどさん

まぁ、なんとなくで進んで頂けたら十分ですぞ。


●樹さん

ご無沙汰してます。
ずいぶん放置してしまいました。
また、少しずつですが更新していきます。

時差については……
同じ感覚なんじゃないですかね? (考えてませんでした)

気がついたら、更新されてたんですね!!

ほぼ毎日見てたはずなのになんで気がつかなかったんでしょう(驚)

なんだか、面白い展開になってきましたですね~(ワクワク)
あ、チキューとフィオーレは時差はどうなんでしょ?
  • 2009.10.05[月]

どーゆーことだ><
まあ星の名前が違うのはわかる気がするw

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