POSITISM

適度に適当に。

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FARFALLA - 23 -


ハコニワノベル

「いやぁ、そう言ってもよ……」
「僕はチキューの外からやってきたんです」
「この星以外にも人がいるってことは理解できるんだけどねぇ」
「僕が住んでいる星の名前はフィオーレって言うんですけど、そこにこのチキューから女の子がやってきたんです。本当はその女の子と一緒にここへ来るはずだったんですけど、ちょっとした事故で置いてきてしまったんですよ。その子をちゃんとチキューへ連れ戻してあげたいんです!」
「いやぁ、だけど……なぁ?」
「大昔に人は宇宙へ飛び出したらしいけど、最近じゃ衛星を打ち上げるのも少なくなってるんだよ」
「ビランチャさんの話で、今でも宇宙へ飛び立てるロケットの作成は可能なんです! だからお願いします。手伝ってもらえませんか?」
「可能性があるなら、頑張れよミツル。応援だけはしとくからさ」
「……また明日、お願いに来ます」

 二ヶ月間、毎日ロケットを作りながら集落の人達にロケット作りを手伝って貰えないかを頼んでいる。朝食後、昼食後、夕食後に何度も何度も頼んだ。それでも誰も手伝ってはくれない。最初は話すらまともに聞いてもらえなかったことを考えれば、これでも進歩はしている。

「おいミツル。今日もみんな帰ったな」

 声の方を見ると、とても憎たらしくコメタが笑っていた。

「毎日毎日懲りないな、ミツル。みんなチキューの外とか興味ないってこと、そろそろ解れよ」
「それでも話を聞いてもらえるようになっただけマシだと思ってるよ」
「ふーん。なぁ、宇宙ってどんな感じなんだ?」
「そうだなぁ、こんなに大きなチキューが小さいと解るほど、大きなとこだよ」
「チキューが小さい? そんなバカな話だれが信じるかよ」
「……ぷっ、はははっ」
「な、なに急に笑ってるんだよ!」
「えー? だってさ、コメタって誰よりも興味津々だよね」
「ちが、違うっつーの。ちょっと聞いてみただけなんだよ」
「はいはい、それはどうもありがとう」
「お前、調子に乗るなよ! ノロマのくせに!」
「いつまでも人をノロマ扱いしてると、足元すくわれるぜ?」
「ふん、だったら俺を追い抜いてみろってんだ。このノロマバカ!」

 そこまで言うとコメタは走って行ってしまった。同じ方向から入れ違いでクローチェがやって来る。

「今日もなし?」
「うん。それでもみんな話は聞いてくれてるから、明日も頑張るよ」
「そっか。でも、きっといつか、みんな手伝ってくれると思うよ」
「ありがとう、クローチェ」
「食事の後片付けしちゃうね」
「あ、手伝うよ」

 食器類を洗いながら空を見上げると大きな雲が見えた。

「入道雲だね」
「ニュウドウグモ?」
「うん、あの雲が近付くと大雨になるよ」
「へぇ」

 洗い終わった食器を拭く。あれから毎日食事の準備をクローチェとするようになって、僕も料理が少しは出来るようになってきた。最初は簡単だろうと思っていたけれど、準備、調理、盛り付け、後片付けと中々大変だということにすぐ気付かされた。だけどその大変さと同じぐらい楽しさも解ってきたし、なにより「美味しい」と言って貰えると嬉しい。

「そうか!」
「どうしたの? 突然」
「実際にやって貰えばいいんだ」
「え?」
「いや、どうやったらみんなに協力してもらえるのか解ったんだ」
「どうするの?」
「ロケット作りをやってみて貰えばいいんだよ」
「けど、その話はミツルが毎日してるじゃない」
「うん。それは、いきなり本番だから駄目だったんだ」
「どういうこと?」
「つまり、小さい小さいロケット作りを体験してもらえばいいんだよ。今の技術でもチキューから飛び立てるロケットが作れるってことを、みんなに解ってもらえばいいんだ」




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