POSITISM

適度に適当に。

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FARFALLA - 10 -


ハコニワノベル

「スッキリしたぁ!」

 テラは晴れやかな笑顔だ。僕達はうずくまったままのカンクロとペーシを置き去りにして、倉庫エリアに向かって行く。辺りは次第に照明が落とされていく。夜が訪れようとしていた。

「ねぇ、どうやってチキューへ?」
「このカプセルからアブレータを取り外せば、多分行けると思う」
「どういうこと?」
「僕ね、さっきのカンクロとペーシが言うように、ゴミを集めてる。もちろん興味のない人にとってはゴミだけど、僕にとってはゴミじゃなくてさ。僕の集めているのはロケットの部品なんだ」
「それって、ロケットを作ってるってこと?」
「うん」
「すごい! ミツルってロケット作れるの?」
「カプリコルさんっていう人に教わりながらだけどね」
「そのロケットに私を乗せてくれるのわけね」
「うん。僕のロケットでチキューに行けばいいんだよ」

 台車を押しながら、倉庫エリアの端っこへ。トレードマークの黒猫を確認しながら倉庫へ入る。倉庫の中で、少しだけ深い緑色のシートを捲った。今まで自分以外ではカプリコルさんにしか見せた事のない、僕のロケットをテラに見せた。

「すごい……これ、ミツルが作ったんだよね」
「ま、まぁね」
「ほんとすごいよ、私が乗ってたロケットよりもずっと大きいもん」

 テラは僕が転がすだけでも精一杯だったカプセルを、はしゃぎながら何度も持ち上げたり下ろしたりを繰り返した。さっきカンクロを一回転半もさせたことを思い出して、少しだけテラが怖い存在に思えた。テラに叩かれたりしないように気をつけなければ。

「ん? おいミツル。この子はガールフレンドか?」

 突然の声にテラが驚いた。声の方向に振り向くとニカニカと笑っているカプリコルさんだった。

「あぁ、カプリコルさん! えっと、この子はテラ。その、えーと、落ち着いて聞いてよ?」
「チキュージンじゃな」
「へ?」
「お嬢さん、あんたチキュージンじゃな?」
「そうだよ」
「チキュージン?」
「チキュージンはな、とっても強いんだ。フィオーレに住むワシらじゃ勝てんよ」
「この人がミツルにロケットの作り方を教えてる人?」
「そう、カプリコルさんって言うんだ」

 カプセルに取り付けられていたアブレータを取り外す。一人乗りの小さなロケットは、そのほとんどがアブレータになっていて、驚くほど多いアブレータが手に入った。そのアブレータを僕のロケットに取り付けていく。その作業を進めながら、カプリコルさんにテラがやって来たときの話をした。

「なるほど。外でリベルラの社員が慌しくしてるのは、お嬢さんがやって来たからか」
「外で何かあったの?」
「んー、リベルラの社員共がな、外で何かを探してたんだよ。一人や二人じゃない、何十人って数がいたな」
「お爺さん。もしかしてそれって、私を探してるの?」
「だろうな。フィオーレじゃ、他の星から人がやって来たなんてこと、公にしたくないだろうから」
「もし見つかったら大変だ」
「ミツル、お前本当にチキューに行くのか?」
「うん。テラをチキューに連れて行ってあげないといけないし」
「あのな、今まで特に止めることなんてしてないが、本当は外に出ることすら大罪だ。ましてやロケットを飛ばすとなるとそれ以上のことになる。お前、それでも行くか?」
「もちろん」
「はっはっは、ロックじゃのう! よし解った、このロケットはワシがカタパルトまで運んでやる。リベルラの社員共に気付かれないように、第三カタパルトに設置してやるわい」
「出来るの? そんなこと」
「フィオーレの外に関しちゃ、ワシより知っとるもんはおらんよ」

 僕のストラトキャスター。二年ほど手がけた僕のロケットは、カプリコルさんによる最終チェックで発生した修正と調整を三日ほど倉庫に寝泊りしながら繰り返して完成した。ロケットの設置をカプリコルさんに任せて、僕とテラは一度家に戻ることにした。

「テラ、ごめんね」
「え? なにが?」
「いや、せっかく辿り着いたのにさ、なんだか逃げ帰るみたいになっちゃってさ」
「そりゃぁ、もっとここにいたいけどさ、ミツルのロケットがあればいつでも来れるじゃない。だからさ、たまに迎えに来てくれればいいよ」
「もちろん、何度でも迎えに行くよ」
「やったぁ! それなら何も問題ないじゃない。私はただ家に帰るだけなんだし」

 家に戻り、チキューへ行く準備を終えて寝ようとすると、なぜかテラに怒られた。「レディと一緒に眠るつもり?」と良く解らないことを言われ、なぜか僕は廊下で眠ることになった。




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