POSITISM

適度に適当に。

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コネクテッド・シグナル 第四話


ハコニワノベル

 ――一年七ヶ月前。

 秋口から仕事が忙しくなって、カナエに会えない日々が続いた。メールや電話はかかさないものの、一月になんとか一度程度会えるのが精一杯になっていた。

「仕事、まだまだ忙しいの?」

「うん。年度末までに終わらせないといけないから、まだしばらくは忙しいと思う」

「そっか。身体に気をつけてよ?」

「解ってる。ありがとう」

「……クリスマスは、会えそう?」

「うーん、たぶん仕事だとは思うんだよね。なんとか早く終わらせても二十三時頃になると思う」

「そっか……」

「どうした?何かしたかったり、行きたかったりした?」

「ううん、一緒にショッピングモールのクリスマスツリー見たいなぁって思っただけ」

「……僕も、一緒に見たいなぁ」

「もし、見れそうなら一緒に見ようね」

「うん。見れるように頑張るよ」

「それじゃぁ、今日もご苦労様。おやすみ、タカアキ」

「ありがとう。カナエもお疲れ様。おやすみ」

 そんな電話をしたものの、仕事は忙しさを増していく。毎日帰宅が終電近くになり、土日の休みも不安定に食いつぶされていく。状況は年末が近付けば近付くほどに悪化している気がした。それでもクリスマスに、ショッピングモールに設置されているここらでは一番大きなクリスマスツリーを、カナエと一緒に見たい。という意識だけで仕事をこなしていた。
 クリスマス当日も予想通りに仕事だった。二十時を過ぎ、二十一時、二十二時と時計は進んでいく。職場からショッピングモールまでは歩いて二十分はかかる。二十三時、二十三時半、終わった。僕はそこから走ってショッピングモールへ向かった。最近忙しくて運動不足だったから、すぐに息が上がる。仕事の疲れなのか肩こりがすごいのと、目が疲れているのがよく解る。それでもカナエが待つショッピングモールの一番奥、大きなクリスマスツリーへと僕は走った。

「間に合った?」

「うん。ギリギリ」

「良かった」

「ほら、今日だけ限定のイルミネーションなんだって」

「綺麗だ」

「綺麗だよね」

「良かった」

「ん?」

「まだクリスマスだよね?」

「もう数分で終わっちゃうけどね」

「それでもまだクリスマスだ」

「そうだけど……どうしたの?」

「はい、これ」

 差し出した小さな箱と驚くカナエの顔。それを色鮮やかに照らすクリスマスツリー。「開けてもいい?」そう聞くカナエにゆっくりとうなずいて見せた。解かれるリボン。剥がれる包装紙。小さな箱を開くカナエ。

「これ……指輪?」

「うん。クリスマスプレゼント」

「でも、忙しかったんでしょ?」

「そうだね。でも休みがまったくなかったわけじゃないよ」

「私、こんな高価なプレゼント用意してないよ?」

「いいから付けてみてよ」

「う、うん」

 カナエの右手の薬指に綺麗に収まる指輪。それを見届けてほっとしてから、無造作に自分の右手をカナエに見せた。僕の右手の薬指に同じく指輪。

「あ……」

「ペアリングにしちゃった」

「……」

「あまり高価な指輪じゃないけど、クロムで一点ものなんだって」

「……」

「カナエ?」

「……嬉しい。私、この指輪大切にするね」

「うん、喜んでもらえて良かった」

「ありがとう、タカアキ」

「いえいえ、メリークリスマス」

 同時に落とされるイルミネーション。ほんの数分だけのクリスマスが始まって終わった。




≪第三話へ
第五話へ≫

COMMENT

俺もこんなときあったなぁ
なんて、しみじみしました。

タイトルが接点って感じの意味かしらねー

どうやってキーワード組み込んでくるか楽しみです!
  • 2008.07.10[木]

あー、こうゆうの嬉しいよなぁ
嬉しかったなぁ。。。トオイメ

やっぱり恋人とのイベントは特別なのです

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