POSITISM

適度に適当に。

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コネクテッド・シグナル 第三話


ハコニワノベル

 ――二年前の夏。

 お互いに別の会社になったことで、僕達は平日でも気楽に会えるようになっていた。それこそ時間が合えば晩御飯を一緒に食べたり、映画のナイトショーを観たりするようになって、自然と盆休みに一緒に旅行に行く話になった。

「海外旅行も素敵だけど、国内で行ってみたい場所もあるんだよね」

「へぇ、ちなみに国内ならどこがいい?」

「やっぱり沖縄か北海道」

「行ったことないんだ?」

「うん。だから行ってみたい」

「カナエって海とか好き?」

「大好き!」

「じゃぁ、沖縄に行こうか」

「ほんと?やったー!」

「……」

「え?なに?どうしたの?タカアキ」

「いや、カナエが嬉しそうに喜んでるのを見てると、なんだか嬉しくてさ。あぁ、幸せだなって思ったの」

「だ、だってタカアキと旅行に行けるんだよ?嬉しいに決まってるじゃない」

「いや、僕も嬉しいけどね」

 転職した会社がボーナスの出る会社で良かった。そう思いながら飛行機を押さえ、まるで子供が遠足に行くのを楽しみにするように二人で準備をして、僕達は沖縄旅行へと旅立った。そこで見た突き抜ける空の青さと、朝焼けの色。桃色に染まった雲と夕焼けの色は、一生忘れないと思えるほどに綺麗だった。
 沖縄旅行から帰ってくると、すぐに夏が過ぎ去ってしまう感覚がした。行こうと計画していた夏祭りのほとんどが、お互いの仕事の都合でキャンセルになって、最後の最後に近所の神社で行われる祭りにだけ行けることになった。仕事で少し遅れた僕は走って神社へ向かう。そこには白地に薄いピンクのウサギが所狭しと飛び跳ねている浴衣を着たカナエがいた。浴衣姿に惹かれたのか、何度も行こうと計画して行けなかった夏祭りに行けて嬉しかったのか、ただ単純に興奮しただけのかは定かではないけれど、僕は浴衣姿のカナエを見つけると物陰へ手を引いて、外だというのにキスをした。

「……そ、外だよ?」

「ごめん、なんか我慢できなかった。今日のカナエ、すごく綺麗だ」

「あ、ありがとう」

 もう一度キスをしようとしたら「りんご飴食べたい!」とか言いながらカナエは屋台の方へ早足で歩いていった。自分でもどうしてこんなことをしたのか良く解らないまま、僕はカナエを追いかけた。その後もなんとも言えない空気になりながら、僕達はその小さな小さな祭りを楽しんだ。
 夏祭りが終わると季節はすぐに移り変わっていく。まるで日が昇って沈むように、夏は始まって終わりを迎えた。




≪第二話へ
第四話へ≫

COMMENT

また乗り遅れ気味だ(笑)
いつもと違う雰囲気でドキドキです。
まだ導入部分…?
それとも既に伏線が…?
楽しみに更新待ってます☆

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