POSITISM

適度に適当に。

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晴色パラソル - 第十雨 -


ハコニワノベル

 翌日の日曜日、私は風邪を引いた。

 熱は微熱だけど、頭痛が酷い。昨日、ずぶ濡れになって帰ってきて適当に拭いてそのまま眠ったからだ。自業自得なのに、自分の身体の弱さに落胆した。今日中に治してしまわないと、明日からの仕事に影響してしまう。

 - 第十雨 -

 よろよろと台所へ行き、イオン水をグラス一杯ほど飲む。食欲は無かったので空になったグラスにイオン水をもう一度注いでベッドに移動した。グラスをテーブルに置いて、一冊の本を手に取った。本屋で目に留まって買った小さな絵本。ベッドに入ってそっとページを捲る。



   ◇



「長靴をはいたチーター」


あるジャングルにチーターの男の子がいました。
名前はガロといいます。

ガロはジャングルで一番強いので
毎日他の動物達に乱暴をしていました。
だから、他の動物達はガロを恐れて近づけません。

ある日ガロは、チーターの女の子を見つけました。
それはそれは可愛らしい女の子です。
その女の子はテオといいました。

ガロはテオに一目惚れ。

「おい、テオ。俺のお嫁さんになれ」

「お断りよ、あなたなんて」

「なにぃ?俺のどこがいけないんだ?」

「いつも爪をむき出しにして、口からはヨダレをたらして、
 毎日毎日乱暴を続けるあなたなんて、頼まれたってお嫁さんになんてなりたくないわ」

そう言われてしまったガロは決心しました。

「よぉし、それならテオが気に入ってくれる俺になるぞ」

それからガロはいつも開きっぱなしだった口を閉じて
どこで見つけて来たのか長靴を履いて爪を隠しました。
もちろん乱暴だってしなくなったのです。

それからガロは毎日テオの元にやってきてはこう言います。

「どうだ、テオ。俺を気に入ったか?」

テオは何も言いませんでした。
それでも毎日、毎日ガロはやって来ます。

何日も何日もそうして過ぎていったある日
ガロは今度こそとテオに言い寄ります。

「今日こそはっきりしてもらうぞ。テオ、俺のお嫁さんになれ」

するとテオは言いました。

「私の言いなりになるような、弱いチーターなんてお断り」

「でも、これは…」

ガロの言葉を遮るようにテオは笑いながら言いました。

「それに長靴を履いてるチーターのお嫁さんなんて、恥ずかしくてごめんだわ」

そう言われたガロはジャングル中の笑いものになって
こそこそとジャングルから逃げ出していくのでした。

ジャングルはそれから平和になったとさ。


   ◇



 今までこの絵本を読んで泣いたことなんてなかったのに、今日はこのガロが自分に思えて涙が溢れる。我を通そうとし過ぎても、相手に合わそうとし過ぎても、相手に受け入れてもらえないということが、今の私に強く圧し掛かってくる。涙を拭いて、グラスのイオン水を半分ほど飲んでから、私は緩やかに眠りに落ちた。




≪第九雨へ
第十一雨へ≫

COMMENT

これは酷すぎる。

ガロが可哀相だ。

トラウマになっちまう。
  • 2008.06.13[金]

これは胸が痛いです。。思い当たるフシがありすぎて トオイメ
自分の中で筋を通しておくのは大事だけど
人との関わりの中で柔軟性もとても大事やもんね。。。

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