POSITISM

適度に適当に。

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晴色パラソル - 第五雨 -


ハコニワノベル

 帰宅中もあの一行のことをずっと考えていた。

 会社を出ると、まだ空は青く明るかった。もう一度、携帯電話を開いて真也からのメールを表示させる。まだ返事は出せていなかった。返信メールの作成画面を何度か開いて、何度も閉じた。あまり返事が遅くなってもいけないと焦れば焦るほど、そのメールへの返事が出来なかった。

 - 第五雨 -

 携帯電話の画面と格闘を続けているうちに駅に到着してしまい、ホームに上がると丁度目の前で電車が出て行った。次の電車まで十五分。なんとなく真也の声が聞きたくなって、返信メールの作成画面を閉じて、真也に電話をかけた。──繋がらない。

「え、着信拒否?…まさかね」

 思わず口に出てしまった考えを首を振って無理やり無かったことにした。大丈夫、大丈夫と念じてから携帯電話の返信メール作成画面に返事を書いた。



   ◇



 久しぶり!元気してる?仕事、忙しいかったの?
 連絡くれないから寂しかったー!
 
 明日、OKだよ。場所と時間はどうする?



   ◇



 うーん。と唸りながら何度も文章を修正する。これじゃぁ、連絡くれなかった真也を追い詰めちゃうかな?こうだと私が全然寂しくなかったみたいになっちゃうし。などと心の中で格闘を続けていると、電車が到着した。その電車に驚いた拍子にまだ最終チェック中だった返信メールは送信されてしまった。
 電車に乗り込むと、吊り下げられた広告が目に入る。今月号のジュジュの広告もあった。自分が担当した『トップシークレットシリーズ:セクシーの秘訣』が大きく紹介されているのを見て、なんだか嬉しい気分になった。
 電車が走り出して一駅、二駅と停車する。何人かの人が降りて、何人かの人が乗ってくる。それを繰り返しながら、私の家の最寄り駅へと到着した。駅を出ると空が少しずつオレンジ色に変わっていく。──突然、鞄に振動。慌てて落としそうになりながら携帯電話を取り出して確認する。真也からだ。



   ◇



 午後一時に、海岸近くの喫茶店で。



   ◇



 また一行だけのメール。海岸近くの喫茶店は真也との思い出の場所だ。もしかしたら本当に『プロポーズ』なのかも知れない。どんな服を着ていこうか考えながら、家までの坂道を上っていく。私はこの道が好きだ。車の通りがそれほど多くなく、遠くの山間からは海が見える。それから特にこの季節は紫陽花が通りの脇に数多く植えられていて綺麗だ。
 あーでもない、こーでもないと服のコーディネートを考えながら通りを上っていく。瑠伊子部長がアドバイスをくれたようにセクシー路線でいこうか、それとも真也との思い出の服にしようかと考えていたころ、夕焼けが赤々と私を照らしていた。

「明日はお気に入りの黒いワンピースにしよう」

 上り坂を上りきり国道二号線の交差点、信号を渡る。車道の赤信号が夕日と重なって赤々と輝いていた。もうすぐ夜がやってくる。




≪第四雨へ
第六雨へ≫

COMMENT

ほんとにwww
しのめんさん、何者なんですか?

わかった
昔、女だったでしょ?(ΦωΦ)

キーワードきた!

本当に、しのめんさんの分析力と洞察力には脱帽です。。
見習わないと(ぇ

痛いくらいの乙女心ですね。

しのめんさん、何者?w

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