POSITISM

適度に適当に。

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アーケードの向こう側 - 第十五話 -


ハコニワノベル

(今、この女はなんと言った?俺も作られたヒト?『U-key』世界を繋ぐ鍵?)

 急に首を絞めていた腕を離されて、その場に倒れこんだ。上手く呼吸が出来ない。それを見下すように見つめながら、目の前の女は続けた。

「私とアナタは一緒なの。この世界を制御するために作られたヒト。『μ-key』と『U-key』なのよ。だから、私とアナタは同じなの。雨宮博士に作られたヒトなのよ」

「…あ、雨宮…博士?」

「そうよ。このメルトタウン・システムを作り上げ人」

「そ、それって…もしかして……カズ…」

「なるほどな。そういうことだったのか」

 いきなり別の声が聞こえた。その声の方を見ると変なゴーグルを装着したカズミがそこにいた。

「あらあら、ユウキ君の保護者代わりの方じゃないですか。まったく、入り口は消してたのに…どうやって入られたのかしら?それに、最近コソコソと嗅ぎまわってくれましたよね。ほんと、はた迷惑な方ですね」

「それはどうも。おい、ユウキ。お前大丈夫か?」

「そ、それなりに……」

「そうか。なら行くぞ」

「嫌だ!ここにナナが捕まってるんだろ!」

「だから、ナナちゃんを助けに行くぞって言ってるんだよ」

「あらあら、私が何もせずに行かすとでも思ってるのかしら?それに、あなたには今すぐ消えてもらいますけどね!」

 ミユキが右手をカズミに向けた。まるで、空気に波紋が広がるようにその波はカズミへと向かっていく。

「に、逃げろ!カズミ!!」

「私に逆らったら、こうなるのよ!あはは!あはははははははっ!」

 波がカズミを捕らえて収まっていく。そしてカズミの周囲が強く輝いた。

「カ、カズミー!」

「あははは!ユウキ君を助けに来たのに、簡単に消されちゃって、何しに来たのあの人?…あはっ、あははははは!」

「やれやれ。シゲミチのコーディングは荒すぎるんだよな」

 輝きの中からカズミの声が聞こえる。そしてその輝きからカズミがゆっくりと出てきた。

「なんでよ!?なんで消えないのよ!?」

「あ、これか?今、あんたが使った消去プログラムのメソッドの一部を書き換えただけだよ」

「そ、そんなこと、出来るわけがない!だって、メルトタウンの中からメルトタウンを制御するなんて不可能だもの!」

「一応、設計上はそうなってるみたいだな」

「あなた、何者なのよ!」

「この世界、メルトタウンを作った雨宮シゲミチの娘だよ」

「お、お父様の娘?」

 そこまで聞くと、ミユキはしりもちをつくように、その場にペタンと座り込んだ。

「実の娘だぞ。『雨宮博士』ってあんたが言ってくれて、やっと自分の記憶を遮断してる最期のロック解除に成功したよ。やっと全部思い出せたな。自分のことも、ユウキのことも」

「…俺のこと?」

「まぁ、さっきミユキちゃん…だっけ?が言ってたことは半分は本当の話だな。ミユキちゃんはシゲミチに作られたヒトだ。でも、ユウキ、あんたは私が作ったんだよ」

「俺がお前に?」

「そうだ。シゲミチのくだらない実験を止めようと思ってな、メルトタウン・システムにハッキングしたんだよ。まぁ、セキュリティを抜けるときにちょっと失敗して、この世界に閉じ込められちゃったけど」

「ちょっと待てよ、じゃぁ、俺は化け物なのか?」

「はぁ?そんなわけないだろ。あのな、この世界は作られた別の世界。別の空間なんだよ。だからここに存在しているモノ全ては、ただのデータに過ぎない。ゲームの中と思えば解りやすいか?」

「ゲームの中?」

「そう。だから、ゲームの中でしか使えない力なんだよ、ミユキちゃんの消す力もそうだな」

「ちょっと待ちなさいよ!じゃぁ、ナナを消せないのもあなたが…」

「あぁ、そうそう。美崎さんに言われててさ、ナナちゃんはいろんなことにすぐ首を突っ込むから、消されたりしないようにしてやってくれって。だから、消去プログラムを実行できないようにしたんだよ」

「くそっ!…あの女をとっとと消せたら、もっと簡単に『U-key』を手に入れて、この世界も外の世界も私の思い通りになったのに……」

「最初はまったくシステムのことなんて知らない状態から始まったからな。ここまで思い出しながら、あんたに消されないようにコツコツとやってくるのは大変だったんだぞ」

「お前さ、本当に何者なんだよ…」

「だから言ってるだろ、世界にも一目置かれている偉大な科学者……の娘だって」

「ちょっと待て、最期のは今初めて聞いた」

「まぁ、いいさ。ほら、さっさとナナちゃん助けに行くぞ。そしたら、このシステムも終了させるんだ。シゲミチのくだらない実験を終わらせよう」

「………待ちなさいよ」

 力なく座り込んでいたミユキが立ち上がる。

「許さない。絶対に許さない。私の世界をめちゃくちゃにするなんて、絶対に許さない!」

 ミユキの右腕が気色悪くうごめくと、どんどん大きくなっていく。右腕だけでミユキの背丈よりも大きくなっている。

「まずい!ユウキ!逃げるぞ!」

 腕を捕まれて走り出した。ミユキは既に意識を失っているのか、人間らしい言葉はなく雄たけびをあげながら追いかけてくる。その腕でなぎ払われた商店が玩具のように吹き飛ばされていく。

「なんで逃げるんだ?さっきのプログラムがどうとかすれば、なんとかなるんじゃないのか?」

「あのな、データに対する攻撃はいくらでも無効化できるんだ。だけど直接攻撃されたらそれは防ぎようがない。この世界での怪我や死は、そのまま現実での怪我と死に値する!」

「なんちゅー世界だよ!」

「な?だからくだらない実験だって言ったんだ」

 アーケードの入り口があった方へ走ってみるものの、そこにあったはずの入り口はミユキに消されてしまっている。

「ど、どうするんだよ!」

「データとして消されてるだけだ。データになら強いぞ、私は」

 カズミがゴーグルに右手を添える。
 ほんの数十センチ視線の先に、パソコンのディスプレイのようなものが浮かび上がる。そこにカズミが直接手を触れると文字列が浮かび上がる。



   ◇



melt.getOpen().setKey("U-key");
submit;



   ◇



 カズミが最期に弾くようにディスプレイに触れると、目の前が一瞬歪み、消えていたはずの入り口が再び目の前に現れた。




≪第十四話へ
第十六話へ≫

COMMENT

うおーなんか、電脳コイルみたいになってきた!(知らないですよね)
こういうの好きー♪
どうなるんだろうドキドキ。

うひょ♪
こういうの大好き♪

てか、ますます今後が楽しみです☆

うわー、興奮するw
一度はこーゆー世界にはいってみたい願望、だれでももってるよね?(ぇ

カズミがかっこよくみえますw

あの・・・
あたしの花屋もぶっとばされちゃったんでしょうか?

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