POSITISM

適度に適当に。

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アーケードの向こう側 - 第十四話 -


ハコニワノベル

「この世界、遊凪市はメルトタウンと呼ばれる一つのシステムなの」

 ミユキがしゃべる度に、池には波紋が広がって収まる。その姿は客観的に見れば、池の女神さまがそこにいるように見えたが、自分の目にはどうにもドス黒い何か、出会ってはいけないもののようにしか映らなかった。

「人口、三万四千五百八十三人。それがこの世界の人の数。その数はずっと変わらない。誰かが死ねば、新しく別の人を入れる。誰かが生まれたら、別の誰かを消す。そうやって人の数を常に三万四千五百八十三人にしてるの」

「……なんでそんなことしてるんだよ」

「アナタは『生まれ変わり』って知ってる?前世、現世、来世なんて言われたりするわ。Reincarnation、つまり輪廻」

「……」

「この世界はね、強制的に生まれ変わりを発生させて、輪廻を自在にコントロールするための実験システムなの。輪廻を自在にコントロールすることが出来たなら、人はだれも苦しむことなく生き続けられるわ。死ぬという概念がなくなるのだから。ここは、この世とあの世が溶け込んだ町、メルトタウン・システム」

 波紋が広がって収まる。頭の中でカズミの話を思い出していた。



「遊凪市から外へ出ることが出来なくなっているんだよ」



「二十年前も三万四千五百八十三人。三十年前も三万四千五百八十三人だ」



「遊凪市から出られないのと同じように、遊凪市の中で誰も入れないエリアがある」



 そして、今ミユキが言った意味不明な話。



「私の本当の名前は『μ-key(ミューキー)』世界を閉じる鍵」



「輪廻」



「この世とあの世が溶け込んだ町、メルトタウン・システム」



 どうやらカズミが言っていたことは本当の話みたいだ。そして、今目の前で池の上に立っているのは、この何かおかしな世界を牛耳る女王さま。その女王さまにナナを人質に取られている。そんな話を誰かにしたとして、信じてもらえるだろうか?頭の中が混乱してくる。

「私は、このメルトタウンを外の世界から閉じるための鍵。この世界を不安定にしないように、不要なものは排除することが出来る。だから、この世界のモノはすべて私の意志で存在しているに過ぎないのよ」

 酷くニタリと笑ったその顔は、すでに幼い少女の顔ではなくなっていた。餌を前にした、だらしの無い犬のように顔を歪めながら笑っている。

「所詮私は、このメルトタウンを世界から閉じるためだけの存在。でもね、私にだって出来ることがあるの。私、最初はこの世界を作った人達を恨んでいたわ。だけど今は感謝してるぐらい。だって、こんなに素晴らしい力を私にくれたんですもの」

 急に池の水がなくなった。池の底で赤い鯉がパクパクと口を開いている。ミユキは水面があった高さに浮かんだままだった。

「…気持ち、悪い」

「何が?私が?あははははははは!私とアナタで、何が違うと言うの?」

「全然違うだろ!俺はお前みたいな化け物じゃねーよ!」

「化け物?うふふふふふふふ。そうね、私達は化け物だわ」

「おい、俺を一緒にするなよ」

「あら、一緒よ」

「一緒じゃない」

「一緒なのに」

「いや、一緒じゃないだろ」

「アナタ、本当に何も知らないのね」

「何がだよ!?そんなことより、さっさとナナを返せ!」

「私と、アナタは同じよ」

「どう考えても同じじゃないだろ!」

「ううん。同じだわ。だって私達は作られたヒトなんだもの」

「お前と俺を一緒にするなよ、俺は普通の人間だ!」

 ミユキは笑いながら池のあった場所からこちらに向かって一直線に歩いてきた。

「近付くな!化け物!早くナナを返せ!」

 急にミユキの顔から笑顔が消えた。その場に立ち止まって俯いている。

「……なんで?なんでまだナナなの?」

「いいから、ナナを返せ!」

「どうして?どうして私じゃないの?」

「今はナナが心配なんだよ!」

「なんで!?なんで私のことを考えてくれないの!?」

「そんな押し付けられたことなんか、考えられるかよ!」

「私達は一緒じゃない。同じ作られたヒト同士じゃない」

「だから、俺は普通の人間だ!お前と一緒にするな!」

 ミユキは急に顔を上げると、キッとこちらを睨みつけてきた。かと思うと一瞬で目の前に移動して、その細い腕からは想像付かない力で首を絞められていた。

「私達は、一緒よ。アナタも私も同じ作られたヒト!」

「ぐっ、や、め…」

「アナタの本当の名前は『U-key(ユーキー)』世界を繋ぐ鍵」




≪第十三話へ
第十五話へ≫

COMMENT

めぇぇぇるとぉぉぉ!!

ぷしゃの周りには不思議は世界が展開してますにゃ。
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