POSITISM

適度に適当に。

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アーケードの向こう側 - 第十三話 -


ハコニワノベル

「一回目は失敗に終わったわ。だけどその次の日、嬉しいこともあったの。アナタと二人っきりの昼休み。あぁ、ついに私の所へ来てくれたんだ。って思った」

「………」

「それなのに、またナナがアナタを放課後に連れて行こうとした。アナタが困ってるってこと、ナナは全然解ってなかったでしょ?だから、私の家に来ることにしてあげたの。まぁ、それも途中でアナタが逃げてしまって残念だったけど。だけど、ナナと二人きりになれたわ」

「……でも、次の日ナナはいたじゃないか」

「私と二人きりになってるときにナナが消えたら、アナタは私を疑うでしょ?そんなの嫌よ。だからあの日、私は嘘の噂話をナナにしてあげたの」

「嘘の噂話?」

「そう『フツウのアーケード』で左右別々の道を進んで、また出会えた男女は結ばれるってね」

 ミユキちゃんはそこまで言うと抱きしめるのを辞めて、可笑しそうに笑った。その笑顔がどうしても冷たいものに見える。人気のないアーケードにミユキちゃんの笑い声だけが響く。

「全然興味なさそうに聞いてたのに、その次の日にアナタを連れてやって来たのよ、あの子。私は学校を休んでたし、何よりアナタが証人になるんだから、こんなチャンス無いと思ったわ。案の定、あの子はアナタと別々の道に進んだの、バカな女よね。遠慮なくその時に消してあげたわ」

「……消すってなんだよっ!こ、殺した…のか?」

「あはは!殺す?何言ってるの?………もしかして、知らないの?」

「なにをだよ!」

「私の力のこと」

「知らねーよ!いいから、とにかくナナを返せ!」

「知らないからって、私にそんなこと言っていいのかしらね?」

 ミユキちゃんはもったいぶるようにこちらを伺いながら、ゆっくりと鳥居を出て行く。「どういう意味だよ」と叫びながら、ミユキちゃんを追いかける。薄暗いアーケードを楽しそうに笑いながら歩くミユキちゃんを走って追いかける。走っているのに全然追いつかない。ぐるりと回ってY字地点で、ミユキちゃんを見失った。

「私はね、ユウキ君。この世界の女王さまなの」

「はぁ?女王さま?」

「そうよ。だからなんでも私の思い通りになるの」

「なに訳のわからないことを言ってるんだよ!」

「私が要らないと決めたものは、この世界から消えてなくなるの」

 いきなり目の前にあったY字部分の商店が消えた。音もなく、跡形も無い。元々そこには何も無かったかのように消えた。商店街から差し込んでいた光が消えたので振り向くと、『フツウのアーケード』の入り口が消えた。

「なんだよ、これ」

「うふふ。モノだけじゃないわ。人だって簡単に消せるの。記憶や想いだって消せちゃう。ナナは、『まだ』私の隣にいるわ」

「どういう意味だよ」

「あら?まだ解らない?『まだ』存在してるってこと。だけどね、私がちょっと力を使えば、『すぐ』に存在が消えてなくなるの。もうこの世界に存在しなくなるってこと」

「なっ、やめろ!」

「いいわよ。でもね、ナナを元に戻す代わりに条件があるわ」

「なんだよ、その条件って」

「簡単なことよ?アナタが私のモノになるってだけ」

「二度とナナ…、ううん、ナナだけじゃなくて他の女のことなんて考えない。いつも私のことだけを考えてくれるだけでいいの」

「………」

 それまで、どこにいるのか解らなかったミユキちゃんが、いきなり真後ろから抱きしめてきた。

「そうしてくれるなら、ナナを元に戻してあげる」

「……なんだよ、それ」

「あら?不服?悪い話じゃないでしょ?それに私がいればこの世界をアナタの思うがままに変えられるじゃない。嫌なやつがいたなら消してあげる。嫌なことがあったならその記憶を消してあげる。アナタが私のモノになるだけで、アナタはこの世界を自由自在に操れるのよ?」

「………」

「それに、ナナが消えたら悲しいんでしょ?」

「…何者なんだよ、お前」

 ミユキちゃんの腕を振り解いて突き飛ばす。ミユキちゃんはただ微笑んでいるだけだった。とにかく逃げようと走り出したものの、入り口を失った『フツウのアーケード』の中ではぐるぐると回る以外に道が無い。それに走っているのに、ミユキちゃんは常に走った先で微笑んでいた。走る方向を変えても、どんなに急いで走っても。神社に駆け込んで、神殿の裏側に隠れようとした。しかし、そこにはすでにミユキちゃんがいた。驚いて立ちすくんでしまった。心臓の音だけがうるさかった。

「そろそろ、諦めが付いたかしら?」

「はぁはぁ………、お前、本当に…何者なんだよ」

「だから言ったでしょ?私はこの世界の女王さま。誰も私に逆らえないの」

「そんなの、知らねーよ。……なんで、そんな力があるんだよ」

「んふふ。私に興味が出てきたのかしら?」

 少し嬉しそうに笑ってから、ミユキちゃんは池の水の上を歩き出した。波紋が広がって収まる。池の中心部分で振り返ると、にっこりと微笑んでからこう言った。

「私の本当の名前は『μ-key(ミューキー)』世界を閉じる鍵」




≪第十二話へ
第十四話へ≫

COMMENT

んぎぎぎぎぎぎ・・・・

ミユキが決定的に嫌いです
あんた一人で勝手に鍵かけてどこぞでも行っておしまいっ!ヾ(`◇´)ノ

なんか今までと全然違うっ
こんなの初めて(*ノωノ


ミユキにオンナの性をみました。。。

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