POSITISM

適度に適当に。

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アーケードの向こう側 - 第五話 -


ハコニワノベル

 今日の五時間目は理科。理科実験室でアルコールランプを使った水上置換の実験をした。昼休みに少し眠れたのでなんとか眠くならずに実験をこなしたものの、六時間目は社会。担任である野口先生は教師になる前に世界中を旅したことが自慢で、社会で海外の話になると決まっていつも自分の体験談を語ってくれる。それはとても面白くためになる話も多いのだが、あまりに熱く語りすぎて自分の世界に入ってしまうため、生徒が理解できない話になり、それはとても寝心地の良いメロディを奏でてしまう。今の状況でそのメロディを聴いたらきっと眠ってしまうだろう。

「ちょっと、あんた昼休みどこ行ってたのよ?私ずっと探してたんだからね」

「ちょっとね」

「うふふ。そう、ちょっとねぇ?」

「なによ、ミユキまで意味深なこと言っちゃってさ」

「別になんでもないよ」

「うふふ」

 膝枕を思い出して恥ずかしくなってしまった。ミユキちゃんはそれを見てにこにこ笑ってるし、俺とミユキちゃんの間で顔を交互に見ながら、ナナは「怪しいなぁ」と言い続けた。

「それで、何か用だった?」

「あぁ、そうだよ!とっても大切な用件だったんだ」

 この時点で嫌な予感がした。昨日の夜ナナが言った『明日もよろしく』という言葉を思い出したからだ。ナナの目が獲物を狙う目になった。

「ユウキ、今日の放課後空いてる?」

「いや、今日は…ちょっと」

「なによ?あんたに予定なんてあるわけないじゃない」

(う…、確かに予定なんてなにもない)

「それともなぁに?私との予定は嫌なの?」

「え、えっと…いや、その」

「ユウキ君は今日、私の家に来る予定だよ」

 突然ミユキちゃんがそう言った。ナナがミユキちゃんの方をするどく見ながら「え?」と叫ぶように言った。「ね?ユウキ君」とミユキちゃんが続けると、今度は俺の方にナナは顔を向けてきた。

「また、何の用があるわけ?」

「いや、それはその…えーっと」

「もしかして二人で私を騙そうとしてなぁい?」

「あら、そんなつもりは全然ないのに」

「どうなの?ユウキ…、正直に言わないと解ってるわよね?」

「その笑顔辞めてくれ、怖いから」

「怪しい!怪しい!だったら私も今日ミユキの家に行ってもいい?」

「それは全然構わないけど?」

「じゃ、放課後三人で帰ろうね」

 ナナはそう言うと満足そうに笑った。別に人の心は読めないけれど今のナナから「逃がさない」という心の声が何度も聞こえる気がした。
 教室に到着し、しばらくすると野口先生がやって来て今日最期の授業が始まった。

「そう言えば先生は昔、エジプトに旅をしたことがあります」

 開始五分で野口先生は自分の世界に入っていった。「スフィンクスは絞め殺すの意味」だとか「壁画などに描かれているヒエログリフが…」といった内容までは覚えているものの、気が付いたら肩を揺すられていることに気が付いた。

「雨宮?おーい、雨宮。どうした、大丈夫か?」

「……え?」

「授業中に居眠りしたらダメだぞ?」

「あ!…はい、すいません」

「中学生とか高校生なら居眠りする気持ちも解るけどな、あっはっは」

 高らかに笑いながら背中を少しだけ強く叩かれて授業は再開した。遠くの席に座っているナナと目が合い口パクで「バーカ」と言っているのが解った。「お前のせいだろ」と思ったものの、今それを口に出したらクラス中から大きな誤解を受けそうなので辞めた。
 野口先生に起こされたことに驚いたからなのか、ほんの少しだけでも眠れたからなのか解らないけれど、その後は特に問題もなく授業を受け、ホームルームも無事に終わった。帰る準備をしているとナナがやって来て、そのすぐ後にミユキちゃんもやって来た。三人でミユキちゃんの家の方へ歩く。

「それじゃ、行きましょうか」

「おー!ってかユウキ、ほんとにミユキと用事あったのか?」

「え?そ、そりゃあるに決まってるだろ」

「ほんとかなぁ?」

「ナナちゃん、私がユウキ君を誘ったの」

「そうなんだ。ミユキ、気をつけなよ。こいつ一応男だから」

「ちょ、お前な」

「そうね。気を付けないとね。うふふ」

「ミユキちゃんまで…」

「もしも、もしもだよ?もしも、私とミユキどっちかと付き合わないといけなかったら、あんた…どっちを選ぶ?」

「はぁ?なんだよいきなり」

「あら?私は興味あるなぁ」

「さ、どっち?」

「え?…ちょ、二人とも目が怖いんですけど」

『どっち?』

「ハモらないでよ…」

「んもー、ハッキリしないヤツだな。パッと決めろよ、男らしくない」

「そうだそうだ。ハッキリしろー」

「いや、えっとね、いやぁ、なんでだろうな…なんとなくどっちを選んでも嫌な予感がするんだよね」

「うだうだ言ってないで決めろよ」

「ナナちゃん?それとも私?」

 二人とも目が本気だ。なぜこんなことになっているのか解らないが、なんとなく怒られているような気になった。どうにも居心地が悪くなって走り出した。

「俺、選べないわ!」

「ちょ、待ちなさいよ!逃げるなー!」

「…うふふ」

 全速力で走って逃げた。別に今日は用事なんてなかったし、ナナの用事に付き合えば必ず『フツウのアーケード』に行くことになっただろう。いつもなら追いかけてくるナナも、ミユキちゃんがいるからなのかその場から動かなかった。走りながらナナの質問をぼんやり考えてすぐに辞めた。

(そもそも、付き合うってどういうことなんだよ…)

 睡眠不足と走って帰ってきたことで、家に着いたらそのままベッドで眠りに落ちた。




≪第四話へ
第六話へ≫

COMMENT

あ!こんな処でキーワードが使われるなんて思ってなかったわ♪www

イヤーっ!小学生のくせにモテモテ><
女子は死ぬまで女子!(何

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