POSITISM

適度に適当に。

09« 2017.10 »11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

スポンサーサイト


スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ある、サクラの季節 - 07:ドジふんじゃった -


ハコニワノベル

 俺には幼馴染がいる。家が同じマンションということもあって、ずっと一緒にいる幼馴染だ。幼馴染の名前は早川流々。はっきり言って天然でドジでおっちょこちょい。あまりにドジが多いので小学生の頃は「ドジるる」と呼ばれていた。中学になると「ドジる」と略されていた。俺は小さい頃からそのドジを目の当たりにしているので、小学生の時点で「ドる」まで略していた。そして中学に上がり、今現在では略せなくなったのでひっくり返り「るど」と呼んでいる幼馴染がいる。

「おーい、クロスケご飯だぞー」

 ブロック塀に囲まれた住宅街の中にある空き地。俺とるどはそこで小学生の頃に拾った猫を飼っている。名前はクロスケ。若干毛の長い黒猫。拾ったときに既に大きかったクロスケは今では中型犬ぐらいはありそうなほど大きくなっている。毎日学校が終わると家から食べられそうなものを持ってここに来ている。

「あー、拓郎!私が来てからサバカンにご飯あげてよーぅ!」

 入り口である塀と塀の間に若干挟まれながら、るどが言ってきた。

「もう何度も言ってるけどさ、こいつの名前はクロスケ。なんでサバカンなんだよ」

「だって初めて食べてくれたのがサバ缶だったでしょー。きっとサバ缶が大好きだから、サバカンでいいじゃない」

「よくないだろ、どんなネーミングセンスだよ。それにさ、いつも来るのが遅いんだよ」

「拓郎が早いんだってー。んーと、よいしょーっと…あっれー?」

「なに?もしかして引っかかってんのか?」

「違うよー、そんなことないよー。よーっと、ほっ!あれれ?」

「太ったんじゃないか?るど?」

「え!最近夜にココア飲んでるのがいけなかったのかも!」

 カバンの肩紐が塀の角に引っかかっているのを目視しながら続ける。

「じゃぁ、やっぱり太ったんだな」

「えー!大変!今すぐ痩せないと!」

「今すぐ痩せるわけないだろ。しばらく夜のココアは禁止な」

「えー……」

「なら、ずっとそこにいろ」

「……じゃぁ、夜のココアをちょっと辞めます」

「よーし、じゃぁ引っかかってるカバンの肩紐を外してやろう」

「えっ?」

 肩紐を塀の角から外すと、派手な音を立ててるどが地面に転がった。クロスケは少しだけこちらの様子を伺うと、また食事の続きを食べ始める。るどは起き上がると解りやすいほどに怒り出した。

「ひどい!拓郎騙したなー!」

「いや、でも夜ココア飲んでるんだろ?ちょっとは節制しろってこと」

「むー、なんか調子いいこと言われてる気がする。明日こそ琉々が早く来て、拓郎なんて待たずにサバカンにご飯あげるもんねーだ」

「よーし、じゃぁ明日は二人ともご飯の準備して来よう。で、早く来た方がクロスケにご飯をあげられるんだ」

「その勝負乗ったー!」

 翌日、かなりゆっくりめにクロスケのところに来ると、そこには腹を空かせて同じところをぐるぐる回っているクロスケしかいなかった。仕方ないので持って来た缶詰をクロスケに食べさせた。その日るどは来なかった。
 同じマンションのるどの家に行くと、寝ぼけたるどが出てきた。

「お前、クロスケのご飯…」

「……ん?ってもうこんな時間!大変サバカンおなか空かせて…」

「もう俺がご飯あげてきた」

「……あっらー、拓郎、早すぎじゃない?」

「お前が遅すぎなの。なにしてたんだよ」

「いや、ほら、昨日の夜にさ、ちょーっとネットゲーム始めたの。そしたらね、気が付いたら朝になってて、ほんと驚いちゃったなぁ。ちょーっとしかしてないのに朝になってたの!それでね、授業は太股つねりながら頑張れたんだけど、家に帰ったら眠っちゃってて…あははー。って拓郎、ちょっと!何も言わずに帰んないでよ」

「バカバカしいから、俺帰るわー」

 とにかくそんな幼馴染がいる。中学生活も終わりに差し掛かり、大通りから見える桜が植えられた坂道の上にある桜花坂高校を二人共受験した。結果は合格。あぁ見えてるどは勉強がそこそこ出来る。それだけがなぜか納得がいかない。
 春休みになっても、クロスケのご飯を持って空き地に行くという毎日の日課は変わらなかった。毎日るどは遅くにやってきて「明日こそ」と同じ台詞を言っていた。
 春休み最期の日、友達と遊んでいて少し遅くなってクロスケのところに行くと、既にるどが来ていた。

「めずらしいこともあるんだな」

「……」

「おいおい、たまたま俺より早く来たからって無視すんなよー」

「拓郎…サバカンが、サバカンが……」

 るどは泣いていた。駆け寄るとクロスケの姿が何処にも見えなかった。しばらく待ってみても帰ってくる気配もない。

「琉々が、拓郎より早く来たから?それでサバカンは怒ってどこかに行っちゃったの?」

「……んー、きっとさ卒業したんだよ」

「卒業…?」

「俺達から卒業して、またどこか別のところに行ったんだよ」

「そっか。卒業しちゃったなら仕方ないよね、うん!」

 そう言いながらるどは涙を拭いた。きっとクロスケは二度とここには戻ってこない。小学生の頃からずっと一緒にいたその猫は、中学生最期の日に俺とるどから卒業した。

「あのマンション、なんでペット禁止なんだろうな」

「……」

「いつかちゃんと猫を飼える場所に住みたいな」

「……うん」

「明日、入学式だから遅刻すんなよ」

「……解ってるよ」

 重たい空気を残したまま、俺とるどは家に帰った。
 そして翌日。



   ※



「早川琉々」

「………んぁ?…っはい!」

 ──。

「真崎拓郎」

「はい!」



   ※



「お前、さっき寝てただろ」

「寝てないよー、寝てない。ちょっとだけ目を閉じてただけだって」

「まぁ、いいけどさ。あと、そこは隣りのクラスの教室だから」

「え?…あ、ほんとだ」

「初日からやらかし過ぎだろ、まったく」

 二人で教室に入り、自分達の席に座る。なぜかるどが不思議がっていたので近付いてみた。

「どうした?」

「えーっと、なんで拓郎がここにいるの?」

「…あのな、残念なお知らせなんだが、俺とお前は同じクラスらしい」

「うっそ!」

「いやいやいや、さっきお前の少し後で俺の名前呼ばれてたから」

「ほんと?」

「お前、やっぱり寝てただろ」

「寝てないって、ちょっと目を閉じてただけだって」

「あーあ、またお前のドジに付き合わされるのか」

「そうか、拓郎が一緒か!やった!ばんざっ…」

 座ったまま両手をあげようとしたるどは、机で両手を強打して悶絶している。

「ほんとさ、お前といると退屈しないですむよな」




≪06:夜の蝶へ
08:弦楽三重奏へ≫

COMMENT

おおおおおおおおお

てゆうか、どこでるどの事みてたんですか!><
(朝までゲームしててさっき起きました、おはようございます)

それにしてもドジ具合がひどいぜ。。(自分の事は棚上げ ぁ)
男子の幼馴染みとの絡みが楽しみです☆

FC2Ad

  [D]esigned by 218*
Copyright c POSITISM All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。