POSITISM

適度に適当に。

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ある、サクラの季節 - 05:姉妹×姉妹 -


ハコニワノベル

 物心付いた頃から私達姉妹と、丸井姉妹は一緒に遊んでいた。姉同士が友達ということもあって、ほぼ毎日会っていたといっても過言ではないほどだ。小学校も中学校も、そして目指す高校も同じ高校になってしまった。しかも姉とは二つ違いなので、もし入学が決まれば四人が揃うことになる。
 親戚などから「ともともちゃん」なんて呼ばれているのは、姉の名前が友美で、私の名前がともこだからだ。姉妹仲は悪いわけではないけど、日々勉強しなさいと言われるのにいつも苦しまされている。丸井鈴音は姉の幸子お姉ちゃんに、日々運動しようと誘われるのが苦痛だと言っていた。お互いにお互いの姉を羨ましく思ったものだ。

「あーあ、こんなときに友美姉ちゃんがほんとのお姉ちゃんなら良かったのにぃ…」

「なんで?鈴音って勉強できるじゃない」

「いや、出来るって言うほどのもんじゃないよー。解らないとこだって沢山あるんだから」

「そうなの?私はお姉ちゃんに勉強しなさい!って言われるたびに勉強したくなくなってるよ」

「えー!友美姉ちゃん教えるのすっごく上手なんだよ?もったいないなー」

「それなら私、幸子お姉ちゃんにバスケ教えてもらいたいよ」

「バスケの、というか運動のどこら辺が面白いの?」

「こう、毎日必死に練習してさぁ、出来なかったことが出来るようになっていく感覚?あと試合とかで負ければ悔しいけど、勝てたときとかすっごく嬉しいじゃない」

「ははは…うちの姉ちゃんと同じこと言ってるよ。それよりさー、ともこは不安になんないわけ?高校受験」

「うーん、気合でなんとかなるんじゃないかなーって」

「うちの姉ちゃんだって、友美姉ちゃんに勉強みてもらわなかったら、桜花坂なんて行けなかったんだよ?」

「そうなの!?」

「そうそう、そうだったなぁ」

「あ、幸子お姉ちゃん!お邪魔してます」

「大変だねー受験生は」

「姉ちゃんも来年から受験生でしょ!」

「まぁ、そうだけどさー、気合でなんとかなるって」

「またそんなこと言って…はぁ」

「ともこちゃんがさ、桜花坂来ることになったらバスケ部においで!歓迎するよ!」

「はい!絶対行きます!」

「その前に受験でしょ?受験」

「我妹ながら、恐ろしいまでに友美みたいだな」

「それは姉ちゃんが勉強にだらしないからです」

 鈴音がふて腐れるようにそう言うと「わぁ、おっかない。ともこちゃんごゆっくり~」と幸子お姉ちゃんは自分の部屋へと戻っていった。
 小学生の頃に一度だけ幸子お姉ちゃんのバスケの試合を見に行ったことがあり、私はそこで幸子お姉ちゃんの活躍する姿や、毎日の努力が報われてる姿を目の当たりにして感動した。この人の下でバスケがしたいとまで思った。もちろん中学に上がったら、すぐにバスケ部に入った。たった一年で幸子お姉ちゃんは卒業してしまったのだけれど、とても充実した一年間だった。それからも私はバスケを続けている。いつか、幸子お姉ちゃんと一緒に試合に出たい。そのためには桜花坂高校へ入るしかない。

「えーっと、鈴音…さん」

「はいはい。どうしても桜花坂に入りたいって言ったのは、ともこの方でしょ?勉強見てあげるって」

「えへへ。ありがとう」

 鈴音がわからないところを教えてくれたり、いつも一緒に勉強に付き合ってくれたおかげで試験までに十分自信がついていた。試験当日はギリギリで遅刻しそうになるうっかりをしてしまって「どうしたの?」と鈴音に聞かれて「徹夜でラストスパートしてて」と答えた。試験は無事に終わって二人とも合格したけれど、実際はネット徘徊して眠るのが遅くなって危うく試験に遅刻しかけたとは、口が裂けても言えない。
 合格が決まったときに、バスケの練習を頑張って試合に勝てたのと同じような感覚になった。きっとお姉ちゃんや鈴音が勉強してるのも、この感覚が嬉しいからなんじゃないかなと、なんとなく感じた。

「鈴音ちゃん、ともこも合格おめでとう」

「ありがとう!友美姉ちゃん!」

「私にありがとうはないのかよ、鈴音」

「姉ちゃんは勉強の邪魔しかしてなかったでしょ」

「お礼を言いたいのは私の方よ、鈴音ちゃん。ともこの勉強見てくれてたんでしょ?」

「半分は私の実力だと思うんだけどなぁ」

「ともこ、あんたからも鈴音ちゃんにお礼言いなさい」

「はーい…鈴音、ありがとね」

「ともこもよく頑張ったんだよねー」

「あー、なんか自分達を見てるみたい」

「あのね、山口さん。あなたのときはもっと大変だったでしょ!試験日の前日に夜更かしして危うく試験受けられなかったんだから!」

「その話はもういいじゃない、終わったことなんだしさ。あと、学校と怒るときだけ山口さんって呼ぶのも辞めようよ」

 物心付いたころから一緒にいるそれぞれの姉妹が、また同じ学校に勢ぞろいする。「一緒にお弁当食べような」と幸子お姉ちゃんが言うと「あなたはおかずが増えたと思ってるでしょ?」とお姉ちゃんが釘を刺していた。それを見て鈴音と大笑いした。

「あぁ、そうだそうだ。入学式が終ると生徒会長選挙の時期なんだよ」

「そうそう。毎年四月に新しい生徒会長を決めるの」

「その生徒会長選挙にさ、友達が出るんだ。半ば無理やり出させたんだけどさ」

「その姉ちゃんの友達可愛そう…」

「…えっと、そのお友達はなんていう人なんですか?」

「藤山恵っていうんだ。唯一女子で立候補するからさ、いいなと思ったら清き一票をお願いしまーす」

「女子で立候補ってすごいですね」

「ううん、去年の生徒会長も女子だったのよ」

「へぇ、そうなんだ」

「すっごい生徒会長でさ、なんて言うの?有無を言わさない女王様みたいでさ。だけど学校の雰囲気はとっても良かったんだよね。なんだろうな…太陽みたいな生徒会長だった。女子バスケ部の部費も多かったし」

「あ!でもね。ちゃんとそれぞれの立候補者の話を聞いて、自分の判断で投票してね。この人、藤山さんが生徒会長になったら女子バスケ部の部費を多くしてもらうのが魂胆らしいから」

「姉ちゃんの考えそうなことだわ…」

「まてまて、私は純粋に友達として応援してるって」

「女子バスケ部の部費が絡むなら、私絶対に藤山先輩に一票入れますよ!」

「ともこ!」

「さすが、ともこちゃんは解ってるなぁ」

 ささやかだった合格お祝いパーティーは、あっという間に高校の政治問題に移り変わり、その後もこの先生には気をつけた方がいいとか、購買のおばちゃんと仲良くなっておくと、パンを安く買えるといった豆知識を教えてもらった。
 穏やかに日々は流れ、桜花坂高校の桜並木のゆるやかな坂道が綺麗に染まり、入学式を迎えた。



   ※



「丸井鈴音」

「…はい」

 ──。

「…山口ともこ」

「っ……、はい」



   ※



「いやー、ともこさー、さっきの良く我慢出来たね」

「あそこで吹いたら、あの人に悪いじゃない」

 出席番号が一つ前の男子の返事が裏返って可笑しかった以外は、淡々とした入学式だった。めでたく鈴音と同じクラスになり、体育館から教室へと二人で移動する。

「あ、これじゃない?」


 藤山恵「今しかない高校生活を一生懸命良くします」


「あー、ほんとだ。幸子お姉ちゃんが言ってた人、藤山恵先輩。女子バスケ部の女神様」

「違うってば、生徒会長に立候補しただけだって。まったく、姉ちゃんのせいで、ともこまでおかしなこと言い出しちゃったよ」

「もう、私は決めてるからね」

「まぁ、いいけどさ」

「さぁ、これから花の高校生活!しっかり練習して幸子お姉ちゃんと一緒にバスケの試合に出るぞ!」

「部活もいいけど、ちゃんと勉強もね。留年とかして後輩にならないでよ?」

「が、がんばるって」

 教室に入ると、ばらばらとクラスメイト達が集まってきていた。教卓の上に置いてあった座席表を確認して、窓際の前から三番目の席に腰を下ろした。まだ名前も顔も一致していないからなのか、基本的に元々知っている人同士でくっついているように見えた。
 声が裏返った男子が目の前に座っている。友達なのか、妙にテンションの高い男子がやってきて、「いおなずんだ」とかなんとか言いながらどこかへ行ってしまった。私は更にもう一つ前の席、窓際の一番前の席に座っている女子に目がいった。本当に同い年なのか疑いたくなるほど、どこと無く浮世離れて見える。そのまま教卓の方に目をやると、教卓の目の前の席で、片手を耳に押し当てて独り言を言っている女子もいた。
 これから始まっていく高校生活がどんなものになるのか、そわそわと楽しみになった。




≪04:数学的ナンパ術へ
06:夜の蝶へ≫

COMMENT

主演、あざーーーっす!!
そして、あのお話の出演者の方々もたくさん出てきて、楽しい~♪
ネット徘徊していて寝坊するなんて、私のやりそうなことだわ。笑

私は弟しかいないので、
こうやって姉妹同士で色々お話できたら、
すっごく楽しいだろうな~と思いながら読ませてもらいました。
おまけに共演! とっても嬉しいです!
ありがとうございました!!

では藤山先輩に1票♪

あー、なんで兄弟姉妹ってふたつ違いが多いんやろねw
うちも同級生の妹たちはほとんどふたつ下やったし、
るどの妹もふたつ下ですww

なんか自分の昔を思い出したわーw

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