POSITISM

適度に適当に。

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世界の終わりを変えるモノ - 第十六話 -


ハコニワノベル

 ──神の国、王の間。


 何者かによる爆撃によって、何度も地響きが起きている。ブラムが水晶を操り映像を映し出すと、見たことも無い巨大な何かが、城に向かって近付いて来ている。

「なんだ、あれは?」

「あ、あれは戦艦スヴァルト! ? まさか、完成したと言うのか……」

「ブラム、知っておるのか?」

「はい。あれはドワーフ族の中でも天才と呼ばれしヴォルドが作った、錬金術の結晶、空翔る移動型兵器にございます」

「移動型兵器。お父様がいないというのに……」

 ソルは奥歯を噛み締め思考した。この状況をどう切り抜けるかを。


 ──戦艦スヴァルト、操縦室。


「ふん、他愛も無い。グズグズ闘っているのも飽きたわ。主砲! 照準を神の城へ合わせよ!」

「はっ!」

「よぉし、撃てぇっ!」

 主砲から放たれた弾は一直線に神の城へ向かっていき着弾した。城全体が揺れている。煙が立ち昇り、しばらくすると視界が回復していく。

「なにぃ? 無傷だと?」

「妖精王さま! どうやら何者かが魔法の力によって、城全体を護っているようです!」

「神王以外に、これだけ巨大な魔法を操る者がいるのかっ! ? ちっ! 腹立たしい!」


 ──神の城、タンクルの部屋。


「土の騎士ダーインの力をもって! 聳えよ! 防壁の盾!」

 タンクルの魔法によって城は護られていた。しかし、何度も魔法を使っているのだろう。タンクルは肩で大きく息をしてふらついていた。

「素晴らしい魔力じゃ……」

 驚いて振り返ると、タンクルのすぐ後ろにヨルドが立っていた。ヨルドの右手がタンクルの顔の前に置かれたかと思うと、タンクルは力なくその場に倒れこんだ。
 時を同じくして、王の間に土人形が現れ、兵達に襲い掛かる。全ての土人形をソルが粉砕すると、突然魔方陣の中から人影が現れた。

「き、貴様、何者だっ!」

「フィフィフィ……。さすがは太陽の姫どの。これしきのゴーレムでは歯が立たんな」

「そんなもので我を倒せるなどと思うな! この侵入者め!」

 素早い動作で槍を構えると、招かざる来訪者へ攻撃をしかける。しかし、槍は空を切った。周りにはゴーレムの攻撃を受けて全ての兵が倒れてしまっている。

「直接闘えば、こちらに分が悪い。ヨルドよ、そろそろ高みの見物を終えたらどうだ。あまり時間もないぞ」

「フォフォフォ……。我らが三賢人の一人、大地のトレントよ。久しぶりじゃな」

 振り返ると、何もない空間に突然描かれた魔法陣から、ヨルドが現れた。その手にタンクルを引き摺っている。

「タンクル! ……ヨルド! 貴様、裏切ったか!」

「裏切る? はて、元々仲間になった記憶などございませぬが?」

「貴様っ!」

「おっと、あまり慌てない方がいいですぞ、太陽の姫。あなたさまの妹がどうなってもよろしいので?」

「くっ……。この、外道が!」

 トレントと呼ばれた来訪者がソルの後ろに回り込み、魔法によってソルの身動きを取れなくした。どんなにもがいても身動きが取れない。タンクルを引き摺ったまま、不気味な笑みを従えて、ヨルドはゆっくり近付いてくる。そして甲冑と衣類を乱暴に剥ぎ取られ、裸にされた。

「くっ、こんなもので辱めたつもりか?」

「フォフォフォ……。流石に威勢がいいの。じゃが、お前を辱めるつもりはないわ。お前達姉妹には、我らの盾になってもらう」

「盾だと……?」

「もうまもなく、神王が世界に影を落とす」

「お、お父様がっ! ?」

「まぁ、既に自我は失っておろう。しかし、その力はあの怪物をも凌駕するやもしれん」

「フィフィフィ……。実の娘が人質であれば、神王も我らに従うであろう」

「き、貴様ら……、何が目的だ?」

「太陽の姫よ、世界を終わりに導く怪物を知っておるか?」

「予言の一つに出てくる、世界を喰らう怪物か? そんな怪物など、この世界のどこにも存在しない!」

「それが、存在しておるのじゃよ。この世界の裏側にな。その怪物は、お前の曽祖父である先々代の神王オーディンが、世界各国と協力して作り上げた最大最強の封印術、世界の封印グレイプニルによって、この世界の裏側に縛り付けられておる。狼のような体、尾は三匹の蛇、大きさは天に届くほど巨大。……その怪物の名は、終焉のガロムガンド」

「フィフィフィ……。そして我らはその世界の封印グレイプニルを解いた。残すは鍵を開くだけ」

「その怪物を解き放てば、予言通りに世界は終わるだけではないか! なぜ、そのような馬鹿げたことをする!」

「フォフォフォ……。例えば、その怪物を意のままに操る事が出来たらどうじゃ?」

「操るだと? ま、まさか……」

「そう、我らはガロムガンドを操り、世界の王となる! 怪物も世界も我らに平伏すのだ!」

 ──ヨルドに引き摺られているタンクルが目を覚ました。

「そんな、得たいの知れない……怪物を、操ることなんて、出来るはずがない……」

「タンクル!」

「フィフィフィ……。ガロムガンドは闇の一族。その闇の一族を操る術はすでに完成しておる。たまたま拾った男が、闇の一族の力を持っておってのぅ。その術の開発に十分な成果を出してくれおったわ」

 そのときだった。突如、王の間に風が巻き起こる。そしてソルを捕らえていたトレントが吹き飛び、ヨルドの手からタンクルがいなくなった。風が収まると、ソルの目の前にシュバルツァが立っていた。彼は抱き抱えているタンクルをそっとソルの隣りに下ろした。一度だけソルへ視線を送ると、甲冑の飾り布を引き千切り、それをソルに羽織る。

「つまり俺は、騙されていたというわけか……」

「ちっ、シュバルツァ! なぜここに来た! 貴様はあの戦艦に戻り、戦艦もろとも……」

「なぜだろうな……。だが、ここに来て良かったと思っているさ。騙されていた今までの精算を、今ここで出来るからな。トレント! それからついでに三賢人のもう一人も、覚悟しろ」

 構えた剣がトレントを捉えようとした瞬間。今までのものとは比べようにならない地響きが起こり、シュバルツァの攻撃は途中で止まった。

「なんだ?」

「フォフォフォ……。世界に影が落ちる時がきた」

 薄気味悪く笑うと、ヨルドとトレントは魔方陣の中に消えて行った──。



   ◇




≪第十五話へ
第十七話へ≫

COMMENT

現代は予想通り(笑)

物語の方はどうからんでくるんだろ。
何分現代の登場人物が少ない..

おもしろいなぁ(笑)

本の世界に入り込んでまう(笑)
  • 2008.03.19[水]

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