POSITISM

適度に適当に。

07« 2017.08 »09
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

スポンサーサイト


スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

世界の終わりを変えるモノ - 第十話 -


ハコニワノベル

 乱暴に上半身の服を毟り取られた。抵抗しようとしても力が入らない。薄汚い笑い声が渦巻いている。もうダメだ。きっと抵抗しても結果は変わらない。それなら早く終わってくれた方がマシだ。

「あっれー? 抵抗しないの? 諦めちゃった?」

「もっと抵抗してくれた方が、俺興奮するんだけどなぁ」

「……」

「なんとか言えよ。これ終わったらなんとかなるとか思ってんだろ? ちゃんと写真撮ってバラまいてあげるから、安心しなよ?」

「そうそう。そこら中にばら撒くし、ネットにもばら撒いてあげるからネー」

「なっ……」

 言葉を失った。きっとこいつらはそれをネタに何度も現れるだろう。最低だ。だけど打開策が無い。どうしようもなく、何も希望は感じられないままにただ口を開いた。

「誰か、助け……て」

「お? 泣いちゃったの? あらあら可愛そうに」

「ちゃんと俺らが可愛がってあげるから」

「さて、さっさと始めるか」

 涙が流れ落ちて、必死に整えた化粧も崩れていく。硬く目を閉じた。

「おい、お前誰だよ?」

「おいおい、邪魔すんなよ? 解ってるよな?」

「……」

「な、なにシカトしてんだよっ! 殺すぞ?」

 薄く目を開けるとパーカーを着た男が立っている。私の服を剥いだ男が殴りかかろうとした瞬間、目の前のパーカーの男は軽々と身をかわし、男はつんのめるようにバランスを崩した。

「調子こいてんじゃねーぞ!」

 再び殴りかかった男の腕をかいくぐると、パーカーの男の手が殴りかかった男の腹に勢いよくめり込んだ。

「ぐぅ……」

 息苦しそうに男がしゃがみこんだ。

「おいおい、なにしてくれてんだよ、テメー?」

 私を羽交い絞めにしていた男が私の腕を離すと、パーカーの男に掴みかかろうとした。その瞬間、パーカーの男は身軽にそれを避けると、掴みかかろうとした男の足を引っ掛けるように足を出した。引っ掛けられてバランスを失い、まだしゃがんで苦しんでいる男にぶつかって派手に転んだ。

「えーっと、これは、その、ほんの冗談だって……なぁ?」

「そうそう、ジョークだよ、ジョーク」

 パーカーの男は何も言わないまま二人に詰め寄る。「に、逃げるぞ」と叫んでから男二人は駆け出して路地裏の闇に消えていった。

「……あの、ありがとうございます」

 隠すべき場所をなんとかボロボロの服で隠してからお礼を言うと、パーカーの男が振り返り、ゆっくり近付いてくる。フードを被っているのと薄暗いのとで、顔は良く見えない。その人は私の目の前にしゃがみ込むとさっとパーカーを脱いだ。

(え、ちょっと、この人もそういうことしようと……)

 でもこの人だったら。なんて変な想像をしていると、薄手のパーカーが私に羽織られるように重ねられた。よく見ると私の服は所々が破けていてあまり隠せていなかった。慌ててパーカーのファスナーを上まで引き上げる。

「あ、ありがとうございます」

 恥ずかしくて、顔もまともに見れないでいると、その人はへたり込んでいる私の片手を引いて立ち上がらせてくれて、軽く手を上げて何も言わないまま行ってしまおうとした。

「あ、あの!」

 思わず声を出すとその人は振り返った。

「お礼、ちゃんとさせてください」

 しかしその声に対して、その人は軽く首を振るとさっきと同じように軽く手を上げて、何も言わないまま走り去ってしまった。あっけに取られたのと、安心して力が抜けたのとで、再びその場にへたり込んだ。

「ひなちゃん!」

「おい、ヒナ大丈夫か?」

「……うん、まだ大丈夫だったよ」

「景子ちゃんがお前がどこかで助けを呼んでる気がするって言うから、探してたんだ。すまん! もっと俺が注意して、早く探していれば……」

「だから、大丈夫だって。服破かれたぐらいで、まだ何もされてないよ。それよりさ……、トイレ行きたいんだよね」

 とりあえず一度居酒屋に戻った。私は無事にトイレを済ませ、個室で何が起きたのか簡単に説明した。すると、実は法学部で弁護士を目指している山崎が警察に届け出ることを薦めてくれた。必要な書類などもすべて準備すると言って一人先に帰ってしまった。なんだ、意外に役に立つじゃないか山崎。

「その助けてくれた人が……、あそこを通ってくれて良かった、ほんとに良かった……」

「で、何も言わなかったの? その人」

「うん。かっこ良かったなぁ、現れてから去るまで何も言わないの。パーカーも貸してくれたし」

「ちゃんと返さないとダメだよ? ひなちゃん」

「もちろん!」

「……てか、その人の連絡先とか知ってるの?」

「あ、聞いてないや」

「ひなちゃん……」

 その日はそのままお開きになった。警察への届出は山崎に任せることになり、レンが呼んでくれたタクシーで私とケイは家へと向かった。ケイはずっと泣いていたので疲れたのか、タクシーの中で私の腕に絡みついたまま眠っていた。
 着ているパーカーは私にはかなり大きめで、なぜか焦げ臭い匂いがした。




≪第九話へ
第十一話へ≫

COMMENT

素敵に話がリンクしてる。
いろいろ考えられるケド口にしない。
怒られちゃう(//▽//)

いやーーーーーーーーーっ、かっこいいっっ><

意外と強いΣ
  • 2008.03.13[木]

FC2Ad

  [D]esigned by 218*
Copyright c POSITISM All Rights Reserved.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。