POSITISM

適度に適当に。

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PICO - 第1010話 -


ハコニワノベル

 今何を言った?この佐々木という男は何を言った?「十三年前の事故が偶然じゃない?」どういう意味…?

「あの頃、手術のミスで私に対する風当たりが厳しくてね、嘱託だったはずの鈴木は院長の娘とデキて、正式にうちの医者になった。あいつばかりが脚光を浴びていたよ。それに私が何度アプローチしてもそっけなかった院長の娘、あいつも鈴木にデレデレしやがって…」

「それ……完全な逆恨みじゃない!パパとママは何も悪くないじゃない!」

「ふん、知るか。私は病院にいても特に仕事もなく、ただただ病院で時間をつぶす毎日だった。第三処置室を勝手に使って研究をし続けたよ。人口心臓、人口肺、そういったものを改良し、ある時血液の働きを何倍にもする仕組みを考えた。当初はモノがあまりにも大きくて、マウスでの実験時に血管を破裂させてしまっていたがね。そこから何度も実験を繰り返したよ。医療機器開発という名目で資金は湯水のようにあったしね。そして一兆分の一サイズの【P-ライジン】は出来上がった」

「…ちょっと待って、ちょっと待ってよ…その実験に、人は含まれてるの…」

「ひっひっひ、そんなもん何人死んだか解らんよ。いちいち数えちゃいない。まぁ、怪しまれないように死にかけてるやつを実験体に選んでたがな」

「ひ、酷い…」

「そんなことをしているうちに鈴木のやつが副院長になりやがった。しかも婿養子になって藤山になった。権力欲しさにそこまでするか?」

「違うっ!おじいちゃんがパパに婿養子の話をしたって…」

「ふぅーん、それはどうだかな。あいつは副院長になると、私に医者を辞めてくれと言ってきた。そりゃ、私はほとんどの仕事をしていなかったし、当然と言えば当然だ。だが、よそ者のあいつが俺を見下しているのが気に食わなかった。だからどうにかしてやろうと思ったよ。そしたら丁度この病院にヤクザの幹部が入院してきてね、依頼したよ。麻酔で使うモルヒネを流すことを条件に」

「…依頼?」

「トラックでバーン!!となぁっ!!!ひっひっひ!」

「………」

 思考停止状態というのだろうか。私は目を開いているのに目の前が真っ暗になっていく。頭の中を父と母の思い出が蘇る。水族館に行った時、あの事故の日までの思い出がぐるぐるぐるぐると頭の中で回っている。

「う゛ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!」

「ふん、最初からそうやって怒ればいいんだ。どれどれ…。ふーん、血液量が増えても君の中にいる【P-ライジン】はオーバーワークしそうにないね。いやはや、恵君のおかげで、私の研究もずいぶんと完成に近付くことができるよ。あまり聞こえちゃいないだろうけどね…ひっひっひ」

 暴れるうちに左足のチューブが抜けた。血は出なかったがチューブ内に入っていた液体がどろりと垂れている。誰か、誰か、こいつを…佐々木を…許せない…許せない……許せない!パパを!ママを!こいつが…!誰か!…誰かっ!腕を足をがむしゃらに動かし続ける。チューブの先に繋がっている機器がガチャガチャと音を立てているだけだった。悔しくて、悲しくて涙が止まらない。
 突然「バン!」という音と共に、外に通じるであろう奥に見える扉が開かれた。

「ちっ!誰っ………!!」

 声を荒げた佐々木が言い終わる前に飛び込んで来た何者かによって、佐々木のひょろ高い体が吹き飛ぶように殴り倒された。扉から差し込む光の中で颯爽と現れたシルエットは叫ぶように言った。

「恵!大丈夫か?」

「栄一?なんで…ここに…?」




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第1011話へ≫

COMMENT

●るどさん

栄一かっこよいよね。
絵に描いたようなヒーローです。うん。


●ひなたさん

ドキドキ!ありがとうごじゃーます!
栄一素敵ですよね。ほんと。

毎回ドキドキするーー!!!
栄一素敵♪

栄一かっこいーー!
いやーこれは惚れるわ、うん

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