POSITISM

適度に適当に。

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PICO - 第0101話 -


ハコニワノベル

 あっという間に期末テストが終わってしまった。上の空になってあまり勉強できなかったけれど、赤点だけは取らないと思う。いや、そうであって欲しい。
 まるりんはテスト前に友ちゃんにビシバシ特訓してもらったおかげで、苦手な数学を乗り越えたらしい。本人いわく「友美は絶対Sだ、ドSだよ」とのことなので、相当厳しく教えてもらったのだろう。
 テスト最終日で午前中に終わったけれど、今日はプシャの日。期末テストの時期と重なってしまったので検診の日を三日ほどずらしてもらった。だから憂鬱でも行かないと祖父に叱られる。それになんとなく身体が重たくなってきている気がする。だから珍しく検診を受けたいという気持ちもあった。あの「異常なし」と言われるだけで救われたような気分になりたいのかもしれない。
 まるりん、友ちゃんと別れ病院へと向かっていると、自転車を押しながら栄一が手をあげて近付いて来る。期末テストの前になんだか微妙な心模様になっていた私はなぜか焦っていた。

「テストお疲れー。どうだった?」

「え?ぇ?え…っと、赤点はないと思う…」

「さすがだなー。でもな、俺も今回は自信がある。」

「へ、へぇ、そそ、そうなんだ」

「…んー?どうした恵?気分でも悪いの?」

「いっ!いやっ!全然!全然!大丈夫!」

 不意に顔を覗き込まれて近付いた顔をまともに見れなかった。無意味に声のボリュームが上がってオーバーアクションになるとバランスを崩して倒れかける。「あぶね!」と言いながら栄一に腕を取られて転ばないように支えられた。その後軽く「無理はすんな」とか説教されてしまった。

「で、今日は病院なの?」

「…はい」

「そっか、なら送ってくかな」

「…え?」

「ほら、後ろ乗れよ」

 有無を言わさない雰囲気だったのもあり、割と素直に自転車の後ろに座った。大きな背中が風を切って病院へと進んでいく。

「明日は何月何日でしょーか?」

「はぃ?」

 いきなりトンチンカンな質問を栄一がしてくる。困惑していると「ほら早く答えろよー」と追撃が来た。

「二月二日!」

「正解!では二月二日は何の日でしょーか?」

「えぇ?」

 栄一の誕生日は四月だし、私は六月だ。じゃぁ、何の日だろう?栄一との思い出の日だったかなぁ?と思考を巡らせる。思い出せないけど、もしかしたら栄一にとって、私との素敵な思い出の日なのかもしれない。あぁ、なんだろうこの気持ち。この気持ち?
 頭の中に雑誌の占いページが蘇る。

「え?ヤダ!うっそ!?」

「は?何言ってんだ?」

「あ…、ごめん、なんでもない。なんでもない。」

「恵、勉強のしすぎで疲れてるんじゃないか?」

「そ、そんなとこかな…」

「まぁ、いいや。時間切れってことで正解を教えてあげよう」

 普段ならカチンとくるちょっと偉そうな物言いも、栄一の素敵な思い出の日が聞けるならと気にならなかった。なかなか言葉にしない栄一に心の中で「早く、早く言え!いや、言って下さい!」とか唱えだしたぐらいに栄一が口を開く。

「二月二日は…、ストレッチパンツの日!」

 私はゆっくり栄一の首を絞めた。

「やめろ!危ないって!」

 ヒーローの必殺技を避けたら礼儀知らずのように、乙女チックの期待を空回りさせちゃダメじゃないか。首を絞められそうになるのを防ぎながら、栄一の漕ぐ自転車は病院へと向かっていった。




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COMMENT

●黒さん

強引に食い込ませないと
この先で出す場所が無かったんです。
そして和ませないと
アクが強すぎるっ!!!

半ば強引にストレッチパンツを食い込ませた(笑)
しかも、会話の和みの雰囲気で強引さを中和(笑)
  • 2008.02.08[金]

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