POSITISM

適度に適当に。

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また逢えるまで。 - 第九話 -


ハコニワノベル

 公園のベンチに独りで座る。少し積もりだした雪を眺めていた。「未来へ行くのは片道キップ♪」、「過去へ行くのは往復キップ♪」双子のピエロが歌っていた歌を思い出していた。



「ねぇ、なつめちゃん。ちこちゃん。・・・いるかな?」

「はーい♪なつめちゃんいまーす♪」

「はいはーい♪ちこちゃんもいまーす♪」

『木っ端微塵になっちゃったネー♪』



「・・・3つ、聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

「なーに?」

「なになにー?」

「過去に戻ってる最中の現在ってどこになるの?」

「時間は並列には進まないのだ♪」

「進まないのだー♪」

「・・・そっか。それから・・・過去に戻ってる最中になつめちゃんを呼んで、力を使ってもらうこと出来るかな?」

「なつめ、それ出来るー♪」

「出来るー♪」

「最後に3つ目なんだけど・・・」

「なにー?」

「なになにー?」

「・・・木っ端微塵になったら存在ごと消えちゃうんだよね?確か元々いなかったことになるって・・・。なのに僕が鈴ちゃんを覚えてるのはなんで?」

「変化の適応と、記憶の適応は同じなのだ♪」

「なのだー♪」

「え?どういうこと?」

「変化は24時間後に適応されるのだー♪」

「記憶も24時間後に適応されるのだー♪」

「つまり、僕が鈴ちゃんを覚えていられるのは、僕が現在に戻ってからまだ24時間経っていないから・・・?」

『そういうことー♪』

「・・・そっか、そういうことなんだ。・・・ねぇ、なつめちゃんにちこちゃん。また二人にお願いしてもいい?」

「なにをー?」

「なにをー?」

「僕を、あの夏の日、みんなで海にいった日。・・・みんなと別れた時に連れて行って欲しいんだ。」

「どうしてー?」

「どうしてー?」

「もちろん、鈴ちゃんが木っ端微塵にならないようにするんだよ。」

「でもでもー♪そんなことしたら木っ端微塵になっちゃうよー?」

「なっちゃうよー?」

「いいからお願い!過去に連れてって!」

「またちこかぁ・・・」

「またちこだぁー♪」

「過去に戻ったらさ、なつめちゃんにもお願いするから!ね?」

「わーい、お願いされるー♪」

「それじゃー行こー♪」

 ちこのダンスとフィニッシュポーズの「れっつごー♪」で、また世界が消えた。流石に三度目となると慣れてくる。世界は再び駅の前、腕時計は夜の10時前。遠くから駆け寄ってくる足音が聞こえる。






「笹川君!」



「笹川君・・・あのね、今日・・・ね、私、告白して、もらって・・・嬉しかった。」

「・・・うん。」

「わ、私も!・・・私も笹川君のことが好き!」

「ありがとう。・・・ねぇ、鈴ちゃん。」

「へっ?」

「僕も鈴ちゃんが好きです。僕と付き合って下さい。」

「っえ!?・・・あれ?・・・なんで?・・・えっと・・・」

「僕と付き合って下さい!お願いします!」

「ぅ・・・ぇ・・・あの・・・・・・はい。よろしくお願いします。」

「うん。ありがとう。」

「おかしいな、私もね、付き合って下さいって言おうと思ってたんだ・・・。私、1年の頃からあっくんのことが・・・ずっと・・・ずっとずっと好きだったから。」

 優しい笑顔のまま、鈴ちゃんは泣いていた。どうしていいか解らずに、とにかく抱きしめた。「知ってるよ。」と小さく呟いた。そのあと泣き止んだ鈴ちゃんを家まで送ってから、僕はゆっくりと家に帰った。
 モーター音、それからブクブクとエアポンプの音。電気を付けてから水槽に近付くと、まだ小さいツイテルは水槽内を元気よく泳ぎ回っている。その姿を見ながらあることを決心した。

「なつめちゃんいる?」

「いるよ♪」

「ちこちゃんもいまーす♪」

「えっとね、なつめちゃん。僕を明日の朝に連れて行って欲しいんだ。」

「あれれ?明日?明日でいいの?」

「いいのー?」

「うん。明日の朝に行きたい。」

「そしたら現在に帰れなくなっちゃうよー?」

「なっちゃうよー?」

「だけどさ、このまま現在に戻ったら、僕は木っ端微塵になっちゃうでしょ?なつめちゃんの力で【現在】よりも【未来】に行くと、そこが【現在】になるんだよね?」

「うん、なるよー♪」

「なるなるー♪」

「過去に戻って何かを変えて、その変化が適応されたとき【現在】の自分が耐えられないものだと、木っ端微塵になっちゃうんだよね?」

『木っ端微塵だネー♪』

「この今日という【現在】で、鈴ちゃんと僕は現在を大きく変えることをした。それは【7年後の現在】にとっては大きな変化になると思う。だけどさ、現在が7年後じゃなくて【明日】だったら?明日の僕が耐えられないほどの変化になるのかな?」

「ワタシよく解らなーい♪」

「ワタシも解らないー♪」

「・・・僕も解らないや。好きな人に好きと伝えて、その人が自分のことを好きだと言ってくれるなんて。想像以上の変化なんだろうね。だから、どうなるか解らない。だけどさ、きっと、過去は変えちゃいけないんだ。どんな些細な変化でも現在は大きく変わってしまうから。・・・なんと言うかさ、記憶を持ったまま過去や未来に連れて行くなんて、なつめちゃんに、ちこちゃんはちょっと残酷だよね。」

「だってー♪」

「だってだってー♪」

『ワタシたちはピエロなんだもんネー♪』

「そっか。」

 僕は笑っていた。おかしくて笑ったのか、気が抜けて笑ったのか、怖くなって笑うしかなかったのか解らないまま、ただ笑っていた。その笑いが収まってからゆっくりと口を開く。



「それじゃぁ、なつめちゃん、僕を明日の朝に連れて行ってよ。」

「どうなるか解らないのにー?」

「解らないのにー?」

「うん。でもさ・・・いつも未来は解らないものじゃない?」

「一寸先は闇だー♪」

「お先真っ暗だー♪」

「だから現在を大切にしていかないとね。」

「そうだぞー♪」

「そうなんだぞー♪」

「・・・それじゃぁ、なつめちゃん。よろしくお願いします。」

「ほんとにいいのー?」

「ほんとにほんとにいいのー?」

「・・・・・・うん。」

 なつめちゃんが歌いだす。「未来に行きまショ、テールテル♪」ちこは激しく踊ってる。なつめちゃんの「れっつごー♪」という声が聞こえた瞬間、世界が消えてなくなった。何も見えない、何も聞こえない、何も感じなくなる。

「なつめちゃん、ちこちゃん。ありがとう。そしてさようなら。」



≪第八話へ
最終話へ≫

COMMENT

●黒さん

考えた!と感じていただけるだけで
ありがたいです。いや、ほんとに。


●るどさん

2つのセーブデータがあるとします。
1つは第五章、もう1つは第三章。
ずっと第五章の方を進めていたけれど
どうしても先に進めなくなってしまう。
それを回避するヒントを得るために
第三章の方で過去のイベントを確認。
しかし第五章のセーブデータではバットエンドしかないので
第三章のセーブデータからやり直して
第五章の方に上書きでセーブしました。

という流れ。(余計わかりにくい)


●ずまさん

そうです。そんな展開になるのです。
一気読みあざーす!

そーかそんな展開になるのか!!
2話から一気に読んだぜ。

すごいなぁ。。

でも少し頭がこんがらがってるなぁ テレ

考えたなぁ(笑)

うまいなぁ(笑)
  • 2008.01.17[木]

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