POSITISM

適度に適当に。

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第02回ハコニワノベルのキーワード募集!


ハコニワノベル

宇宙を作り上げることはできないけれど、部品があればロケットだって作れる気がする。だからそれを確かめてみようと思うんだ。

 という目標と目的があり、無事に第01回が終わってホッとしてたら1月が終わりました。毎月の定期イベントみたいにすべく、またもや皆さんのお力をお貸し下さいませ。



2008/02/02 23:59 にて募集を締切りました!


ハコニワノベルとは?(おさらい)

 この記事のコメントに物語の【キーワード】を、読者である皆さんに書いてもらい、その【キーワード】を元にしのめんが物語を綴るという仕組みです。

例)
 第01回のキーワード募集記事(コメントが【キーワード】です。)

 出来上がった物語


 ただし、【キーワード】を書き込んで頂く場合に注意点があります。


※注意事項
・【キーワード】をコメントで書き込んでください。
 (あらすじのようなものはスルーします。)
・お一人様につき、【キーワード】の投稿は1つまで。
・コメントしてくれた方を無断で物語中に登場させる恐れがあります。
 (それは困る!って方はコメントにでも書いておいてください。)
・何かしらの展開は無いとは思いますが
 出来上がった物語の権利はすべてしのめんにあります。
・書き込まれた【キーワード】をしのめんが曲解して扱う場合があります。
・実在する人物、団体名はお控え下さい。



 ※重要!【キーワード】の募集締め切りは 2008/02/02 23:59 まで。
 2008/02/02 23:59 にて募集を締切りました!




気軽な【キーワード】投稿をお待ちしております!
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PICO - 表紙 -


ハコニワノベル



■ もくじ ■

第0001話(第一話)
第0010話(第二話)
第0011話(第三話)
第0100話(第四話)
第0101話(第五話)
第0110話(第六話)
第0111話(第七話)
第1000話(第八話)
第1001話(第九話)
第1010話(第十話)
第1011話(第十一話)
第1100話(第十二話)
第1101話(第十三話)
第1110話(第十四話)
第1111話(第十五話)
第0000話(最終話)



■ 感想フォームはこちら ■
(表紙の帯に使わせて頂く場合があります。)

■ ハコニワノベルとは? ■


■ 頂いたキーワード ■
・プシャ国立病院(RUTYさん)
・ラァァァアウ"リィイァァアア"ア゛(黒さん)
・おにぎり(ミッチーさん)
・雷神(志津さん)
・ゆるやかな坂道(ともさん)
・ハート型のチョコ(るどさん)
・合格祈願(蓮火さん)
・白イルカ(なつめさん)
・着物 もしくは 浴衣(kayoriさん)
・2月2日はストレッチパンツの日。(と~ちゃんさん)
・雪の結晶(まるりーん)
・ホップ ステップ ホップ(aries)
・絵本(すす*さん)
・スニーカー(ちこさん)
・スピッツ好きの女の子(COCOさん)
・青春18キップ(まろんさん)
・手紙(まごすけさん)
・高速道路(ひなたさん)
・スパイ(あやさん)
・アイスクリーム(☆まりモさん)
・契約社員(ゆりちん。さん)


※この物語はフィクションです。
実在する人物、団体、その他とは一切関係がありません。

PICO - 第0001話 -


ハコニワノベル

 体重のおよそ十三分の一。
 血球成分と血漿成分からなり、その比率は 45:55 である。
 血球成分は赤血球96%、白血球3%、血小板1%で構成。
 血漿成分は水分96%、血漿蛋白質4%、微量の脂肪、糖、無機塩類で構成。
 大きな分子を除いた残りのものの組成は、海水に近い。
 
 私のソレは流れない。



 「やっとお昼だー」そう言いながら丸井幸子は机の上に弁当箱を置いた。ずいぶんおなかが空いているらしく、どことなく不機嫌に見えた。

「まるりん、そんなにおなか空いてるの?」

「そうなのよ!ねぇ、恵、私ガリガリになっちゃってない?」

「丸井さん、ガリガリになんてなってないから」

 そう言いながら静かにお弁当を持って近付いてきたのは山口友美、通称友ちゃんだ。二人とも私の親友でもある。その後三人でお弁当を広げると、まるりんが「仕返しだ!」とか言いながら、友ちゃんのお弁当からおかずを勝手に食べたりと、いつもの通り賑やかなお昼になった。
 高校生活も春を迎えれば三年になり、永遠に来ないで欲しかった受験というシーズンが到来してしまう。誰も何も言ってはいないけれど、どこかしら残りわずかな高校二年生を満喫しようとしている気がする。

「藤山さん?藤山さーん?話聞いてる?」

「友美、気をつけな!恵は鈍感だからさぁ、きっと聞こえてないよ。その証拠にホラ!」

「ちょっと、丸井さん!そんなことしちゃダメよ!」

 クスクスと笑い声が聞こえた気がして、ぼーっとしていた頭を切り替えると、視界が微妙に歪んでる。目の前にまるりんの顔があって驚いたけど、どうやら両手で頬を掴まれて引っ張られているらしい。

「ひょっと、まるぃん、やめへ、やめへ!」

「ホラ、鈍感だろー?いっつもこうなんだから」

「…んもー、ほっぺた取れそうになったじゃない」

「恵なら取れても気が付かないかもー」

「丸井さん、あんまり調子に乗っちゃダメよ?」

「そうだそうだ!いいぞ、友ちゃん。もっと言って言って!」

 物心が付いた頃から私は鈍感だった。叩かれたり、押されたりしてもすぐには気が付かない。感覚が麻痺してるんじゃないかと友達によく言われたりする。ぼーっとすることも多くて、体育の授業前にグランドを二週する決まりなのだけど、気が付いたら五週も六週もしてしまったことがある。

「それでね、藤山さん。ブラポンの新曲聴いた?」

「聴いた聴いた!いろんな意味で感動しちゃったよ私」

「確かに、あのサビは常軌を逸脱してるよね」

 ブラポンとはメジャーデビューしたのが奇跡だとさえ言われるバンドグループで、正式名をBLACK-PON☆PONという。先日リリースされたばかりの新曲「恋しくて人肌」のサビは、ボーカルの「ラァァァアウ"リィイァァアア"ア゛」という魂の叫びのようないろんな意味で感動してしまうような曲だった。
 友ちゃんと私はこのブラポンが好きなのだけど、まるりんはまったく興味がないらしく、「私にはスピッツさえいてくれたらそれでいいのだ」と言いながらお弁当のおにぎりにかじり付いている。おにぎりを味わいながらまるりんが口を開く。

「あ、そうだ恵。今日一緒に帰らない?久しぶりに部活休みなんだ」

「まるりん、ごめん。今日はさ、プシャに行く日なんだよね」

「えーつまんないなー、せっかく一緒に帰れると思ったのに」

「丸井さん、無茶を言ったらダメでしょ?藤山さんだって大変なんだから」

「ううん、友ちゃん気にしないで!私だって本当は面倒なんだよ。だけどさ、その、やっぱり生活させてもらってる身だし、私のこと心配してくれてるからだと思うし…」

「だけどさー、そんなに毎週病院に行かなきゃいけないの?恵、こんなに元気じゃん。事故にあったのも、ずいぶん前の…」

「丸井さん」

 そう言いながら少しだけ鋭くなった友ちゃんの声に、まるりんはバツの悪そうな顔をしてから「恵、ごめん!」と両手を合わせて謝ってきた。

「気にしなくていいよ。私も自分で思ってることだから。」

「藤山さん…けど…」

「んもー、友ちゃんは優しいなぁ。まるりんにも見習って欲しいよ」

「待って待って!この半分は優しさで出来てると噂の私が優しくないとでも?」

「じゃぁ、丸井さんの残り半分は何で出来てるの?」

「え…?うーん、そうだなぁ…厳しさ?」

「ちょっとまるりん!それじゃプラマイゼロだよ!(笑)」

 その後も賑やかな会話が続き、予鈴が鳴ると二人は自分の席へと戻っていった。押し迫っているらしい受験の実感もないままに午後の授業が始まり、そして終わる。それぞれがそれぞれの目的地に向かって帰りだす。まるりんと友ちゃんに「じゃぁね」と軽く言って学校を出る。私の目的地は病院だ。
 私は小さいときに交通事故にあっている。その事故で両親は他界し、残された私は祖父に育てられた。祖父、藤山登は藤山国立病院の院長をしていて、私が事故にあって運ばれたのも祖父の病院だった。そのときの私は意識不明の重症で、植物状態だったらしい。そのこともあってか祖父は私に毎週検診をするようにうるさく言ってくる。心配してのことなので、めんどくさくても私は何も言えないでいる。
 祖父に育てられたと言っても祖父は多忙でほとんど家におらず、実際には祖父の家でお手伝い、今時の言葉で言うのならメイド、もしくは家政婦をしていたカヨリさんに育ててもらった。和服の良く似合う素敵な女性で、子供心ながらも色っぽいなと思っていた。私の第二のお母さんだと思っている。
 中学を卒業すると同時に、祖父は私に一人暮らしをさせた。理由を聞いても「社会勉強だ」の一点張りだったけれど、正直大変だった。こんなにも家事が大変なのかと身にしみて感じた。週に二回、カヨリさんがこっそり来てくれなかったら、きっと私は生きていけない。
 病院が視界に入るようになると、私は少し憂鬱になる。別に祖父は嫌いじゃないし、病院という場所も嫌っているわけじゃない。藤山国立病院、通称プシャ国立病院。いや、これは幼い頃の私が「藤山」を上手く発音出来ずに「プシャ、プシャ」と言っていたことに由来するのだけれど、この通称とその由来を知っているのは私の他にまるりんと友ちゃん。それから実際に「プシャ、プシャ」言っていたのを聞いていたカヨリさんだけだ。
 病院が近付く。それに伴って憂鬱さは増してくる。その原因は私の検診をずっと担当している佐々木という副院長が嫌いなのだ。あの人は生理的に受け付けない。だから憂鬱になるのだ。
 しかし、検診をすっぽかすと祖父に叱られる。一人暮らしと言えど家賃、光熱費、水道代に携帯電話の料金まで祖父に払ってもらっている身としては、憂鬱だからという理由で困らせたり、心配させることは出来ない。そんなことを考えていると病院の入り口に到着していた。毎週来ているのでなんの新鮮さもないけれど、藤山国立病院の自動ドアはスムーズに開いた。




第0010話へ≫

PICO - 第0010話 -


ハコニワノベル

「すいません、藤山です。いつもの検診なんですが…願いします」

 受付でそう言うと「はーい。それじゃぁいつも通り三階ね」とだけ言われた。エレベータが混んでいたので階段で三階を目指す。一段上るごとに憂鬱が肩に乗りかかるようにずしりと重たくなる気がする。
 三階に到着すると行きたくない自分と、さっさと検診を終わらせて帰りたい自分が心の中でぶつかりあっていた。うだうだと嫌がっても仕方がない。私は覚悟を決めるように第三処置室のドアへ向かった。
 ドアをノックすると「入りたまえ」と聞こえた。上目線なものの言い方にカチンときたが、その怒りをぶつける先がないので大人しく中に入った。

「やぁ、ご機嫌いかがかな恵君」

 痩せていてひょろ高い男がそこにいた。佐々木だ。佐々木正弘。この病院の副院長でいつも私の検診を担当している。ただ、いつもと違ったのは佐々木が白衣ではなく、緑色の手術着を着ていたこと。

「ちょっと緊急のオペでね」

 何も聞いていないのに佐々木はそう答えると含み笑いをした。そして私はそばにいた看護士に促されて着替え、診察台の上で横になると、心電図を取るような機械を取り付けられた。心電図の機械と違うのは両手の中指に洗濯バサミのようなクリップを付けられることぐらい。まぁ、これもいつものことだ。

「どう?まだ触られたりしても気が付かなかったりする?」

「そうですね、今日も友達に頬を掴まれましたけど、気付きませんでした」

「ふぅん、そうか」

 佐々木は興味なさそうにカルテに書き込むと、おもむろに太股の上に手を置いてきた。妙に嬉しそうにそのまま撫でてくる。持ち前の鈍感のおかげで触られている感覚がないのがせめてもの救いだ。あぁ、早く終わらないかな。
 視線を私からモニターへと移しながら佐々木の話が続く。

「脳波も問題ないし、OKだね」

「はぁ、そうですか。ありがとうございました」

 看護士が装置をテキパキと外してくれる。私は制服に着替えなおし、再度「ありがとうございました」と言ってドアに手をかけた。「あぁ、そうそう…」という佐々木の声に振り向く。

「おじい様は元気?」

「元気だと思いますよ。一人暮らしを始めてからあまり会っていませんが…。佐々木先生のほうが祖父と会う機会が多いと思うんですけど?」

「いやいや、私は私で忙しいからね」

「そうなんですか…。では失礼します」

 そう言って再度ドアに向き直ると「何度も言ってるけど、恵君を助けたのはこの私。そのことをちゃんとおじい様にも伝えておいて下さいね」と言われた。気持ちが悪くなって、私は第三処置室から逃げるように離れた。ほんの数十分の検診だと言うのに何時間も閉じ込められていたかのような気分になった。
 私の家族が事故にあってこの病院に運ばれた時、既に私の両親は他界していて、私だけが昏睡状態だったらしい。そしてその昏睡状態から回復させてくれたのは、悲しいかなあの佐々木が行った処置のおかげなのだと言う。当時一般的な地位にいた佐々木は、院長の孫娘を救ったとして、祖父に取り入ることに成功し、つい数年前に副院長にまで上り詰めた。「おじい様にも伝えておいて下さいね」という佐々木の言葉が頭によぎった。次は院長の座を狙っているのだろう。佐々木の目は貪欲に力を欲しがっているのがありありと解る。でもその裏で何を考えているのか解らないというのが怖い。なにより生理的に受け付けない。今頃になって太股に鳥肌が立った。振り払うように足早に病院を出た。
 気が付けば新年も一ヶ月が過ぎ去ろうとしている。晴れてはいるが日が陰りだしたので刺すように寒い。吐く息も白々としている。

「よっ、お疲れ。」

 背後から声をかけられて少し驚いた。振り向くと自転車を押す男の子がいた。

「なんだ、有栖川栄一か。」

「なんだとはなんだ、相変わらず失礼なやつだな」

 そんな軽口を交わしながら歩き出す。栄一とは記憶もないほど幼い頃から一緒にいる。正真正銘の幼馴染。成績は下の下、運動はそこそこ出来るぐらいのやつだったのに、最近は何を勘違いしてるのか必死に勉強しているらしい。これも受験シーズンの到来によるのかもしれない。

「栄一はこれから塾?」

「そー、やっぱり今のうちにやっとかないとさー」

「やっぱり…受験?」

「おう、俺さ、恵みたいに頭良くないからさ、早めに必死にならないといけないわけよ」

「ほんと頭良くないよねぇ、もしかして大学にでも進学する気?」

「もちろん!」

 そう言いながら栄一の目は輝いていた。私は知っている、二学期の期末テストで栄一は私よりも良い成績だった。栄一とは別のクラスなので授業中の栄一はどうか知らないけれど、今日みたいに塾へ通っていたり、家で人知れず勉強をしていることを知っている。ちょっと前まで「数学は人生に必要ないということを悟った」とか言ってたやつなのに。それほどまでに努力できる目標を持った幼馴染の横顔が少しだけ遠くに感じた。

「恵は進路、どうすんの?」

「うーん、とりあえず進学かなぁ」

「ははは、頭の良いやつは、とりあえずで進学できていいな」

 嫌味を言うでもなく、栄一がそう笑った。だけど栄一ごめん。私、いつの間にか栄一に追い抜かれちゃってるんだよね。だからきっととりあえずでなんて進学できっこない。少しだけ前を進む栄一が、また遠くに感じた。次第にその距離が離れていくみたいだ。両手が痺れてる気がする。栄一が押している自転車がぐにゃぐにゃと曲がって見える。遠く、遠くなっていく。

「おい!恵!恵!大丈夫か?おい!しっかりしろ!」

 気が付くと、私は栄一に抱きかかえられていた。




≪第0001話へ
第0011話へ≫

PICO - 第0011話 -


ハコニワノベル

 どうやら歩いている最中に倒れたらしい。背中越しに栄一が説明してくれた。自転車は風を切って進んでいく。私は栄一の自転車に乗せてもらっている。いいと断ったのに「絶対に乗せる」といつになく真顔で栄一が譲らないので、仕方なく荷台に座った。「なんで荷台なんて付けてるの?」と聞くと「こうして重たいものを乗せるため」なんて言われた。でも悪い気はしない。
 不意に二人乗りなんてしてるところをまるりんや友ちゃんに見られたらどうしようと思ったけれど、すぐにその考えは消えてなくなる。久しぶりに間近で見る幼馴染の背中は思いがけず大きくなっていたからだ。小学生や中学生の頃もこうして二人乗りしたけれど、いつの間にか頼れる奴になっちゃったな。

「血が出てなくて良かったよ。」

「へぇ?」

 乙女チックに思考を奪われてる最中に話しかけられて、返事が上ずってしまった。まったく、ヒーローの変身シーンに割り込むのが礼儀知らずのように、乙女チックの最中も割り込んできたらダメじゃないか。

「だから、膝のケガ。擦りむいてるだろ?」

「あ、ほんとだ…」

 言われてから見た右膝は確かに擦りむいている。出血はない。痛みもない。それよりも両手の痺れが残ってる。そういえば検診の後はいつも両手が痺れてる気がする。今日は特に痺れているように思う。

「とにかく大したケガじゃなくて良かった。それより気分は?気持ち悪かったりしてないか?」

「大丈夫、それより栄一は塾、大丈夫なの?」

「俺のことは気にしなくていいから。えっと次どっち?」

「あ、右、右!」

 その後も私の的確なナビゲートで家に到着した。徒歩で十五分の帰り道が二十分ぐらいかかったけれど。

「とにかく今日は無理すんなよ」

 栄一はそう言うと自転車を走らせて行ってしまった。自転車に乗る前に「病院に行くか?」と聞かれて「絶対に行かない」と言って心配させてしまったことを少しだけ悪かったなと思った。
 ブラウン色のマンションを見上げる。駅まで徒歩十分、スーパー、コンビニも近所にあるし、レンタルショップなんかも割りと近い。高校生が一人暮らしするようなマンションじゃないことは、他の住人を見ていれば解る。オートロックを開いてエレベータに乗り、三階で降りる。シンプルだけどお洒落な緑色のドアに鍵を差し込んで回した。

「あら、お帰りなさい。」

「あ、カヨリさん。ただいま。」

「はい、お帰り。」

 部屋に入るとカヨリさんが料理をしているところだった。どうやら筑前煮を炊いている最中で煮物の良い匂いが部屋の中に広がっていた。部屋を見渡すと洗濯物がきちんと畳んでベッドの上に行儀良く並んでいるし、ごちゃごちゃと散らかっていた部屋が隅々まで綺麗になっている。マガジンラックに昨日占いのページで「恋愛運上昇!」とか書いてあった部分を勢い良く蛍光ペンで塗りつぶしたまま放置していた雑誌が片付けられているのを発見して、見られたかもしれないなと思ったら急に恥ずかしくなった。

「検診はどうだった?」

「うん、いつも通り。ただ、その後道で倒れちゃって…」

「大丈夫なの?」

「ちょうどね、栄一が一緒にいて、ここまで自転車で送ってもらったんだ」

「それは良かったわ。ちゃんとお礼した?」

「あ…お礼言うの忘れちゃった」

「今度ちゃんとお礼しなさいね」

「はーい」

 カヨリさんの作った筑前煮とお味噌汁、それから焼いた銀鮭とほうれん草のおひたしが今日の晩御飯になった。カヨリさんが来てくれる日は二人で食事になるから嬉しい。食事をしながら和服の話や、進路についての相談を少ししたりして、それから一緒に洗い物をするとカヨリさんは帰ってしまった。
 シャワーでいいやと思って入った浴室は綺麗に掃除されて、浴槽にはお湯が張られていた。髪や身体を洗って浴槽に浸かる。料理や掃除洗濯といった家事全般をカヨリさんみたいにこなしたいけど、きっと私には無理だろうな。
 お風呂からあがり、ベッドに腰掛けると携帯電話にメールが来ていた。

 件名:よっ!
 本文:無事か?

 栄一からだった。不意に今日の二人乗りで目の前にあった背中が頭の中に蘇る。別に誰もいないのにそれを消すように「違う違う」と首を横に振って否定した。

 件名:無事!
 本文:栄一は塾大丈夫だった?

 件名:Re:無事!
 本文:ギリギリアウトだった(笑)
    だから授業は全部聞けたからセーフ!

 件名:それアウトなの?セーフなの?
 本文:でも、塾に間に合わなかったのは私の
    せいだから、なにかおごるよ?

 件名:Re:それアウトなの?セーフなの?
 本文:じゃぁ、あれだ。ハーゲンダッツな。

 件名:なんでこの時期にアイスなの?
 本文:別にいいけどさ。もっとお安いアイス
    クリームのほうが良くない?

 件名:Re:なんでこの時期にアイスなの?
 本文:いやいや、恵がおごるなんてめったに
    ないから、普段買えないお高いアイス
    にするよ。

 件名:Re:Re:なんでこの時期にアイスなの?
 本文:分不相応だわ。

 件名:Re:Re:Re:なんでこの時期にアイスな
    の?
 本文:そこまで言えるなら元気そうだな。安
    心した。夜更かしとかせずに早く寝ろ
    よ~。じゃ、おやすみZzz…

 結局お礼も伝えないままにメールは終わってしまった。メールを読み返しているうちに、また栄一の背中を思い出してしまった。誰もいないのにコソコソとマガジンラックから雑誌を取り出し、占いのページを開く。蛍光ペンでマークした「恋愛運上昇!」の横に別の蛍光ペンで「ファイト」とカヨリさんの文字。恥ずかしさのあまり雑誌に顔をうずめた。




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第0100話へ≫

PICO - 第0100話 -


ハコニワノベル

 携帯電話で予備の予備として設定していた三番目のアラームで目が覚める。いつもより三十分も寝坊してしまった。慌てて髪の毛をセットして朝食は野菜ジュースだけにする。着替えの最中にケガはどうなったかなと膝を確認したけれど、特にケガはしてなかった。「右だったっけ?それとも左?」独り言を言いながら確認するも良く解らない。それよりも学校に遅刻してしまう。
 エレベータを待っていられないので階段を駆け下りた。学校までは徒歩で三十分。走ればまだ間に合う。毎日見ている朝の風景と少しだけ違う空気の中を走る。信号を渡り大通りから見えるゆるやかな坂道を駆け上がる。桜の木々が春を心待ちにしてるようになってきていた。なんとか予鈴前に校舎に入れた。

「恵、ギリギリー」

「藤山さん、おはよう」

「おはよう、まるりん、友ちゃん。良かった間に合って。走ったかいがあるよ」

「恵、走ってきたの?」

「そうだよ?」

「ウソだー、あの坂道を駆け上って息切れしてないなんてあり得ないだろー」

「えー?そんなこと言われてもなぁ…」

 そう言えば家から学校まで走ったけれど疲れてない。呼吸もまったく乱れてない。その後「その体力は運動部で活かすべきだ」とかまるりんから強く言われて困っていると先生が入ってきて開放された。
 その日の四限目は体育で、みんなお昼の前でお腹が空いているのかぶーぶーと不機嫌だった。まるりんは特に不機嫌そうだ。そんなみんなの機嫌を更に悪くする「今日は寒いから長距離走」という体育教師の声が響いた。
 バスケット部のまるりんが華麗に一着でゴールし、私は全体の真ん中ぐらい。友ちゃんは完全にやる気のない人たちを除いた最終走者としてゴールした。

「やっぱり」

「え?」

「恵はさ、呼吸乱れてない」

「またその話ぃ?」

「あのね…丸井さ…ん。あ…まり、藤山さ…んを、困ら…せちゃダメよ」

 呼吸も整わないうちにしゃがんだままで、友ちゃんがまるりんを諭すように言葉を口にした。だけど、私自身も呼吸は乱れていないし、特に疲労感もなかった。思い返して見ると私は大抵の場合に疲れたりしない。前に疲れてしまったのは検診を二回連続ですっぽかした時だった気がする。身体が思うように動かなくなったっけ。

「ほら、友美だってこんなに息切れしてるのに、恵はまったく息切れしてない」

「私は…ほら、元々、体力がないから…」

 先頭でゴールしたまるりんも、まだ若干呼吸が大きいままだった。周りのみんなも座り込んだりしながら呼吸を整えている。私だけが校庭に突き刺さっているみたいに、ただ立っていた。
 昔から運動よりも勉強のほうが得意だった。だけど運動をして疲れた記憶がない。遠足で行った登山も、運動会も、マラソン大会だって疲れたことがない。みんなが言っている筋肉痛の意味も実際のところ解らない。鈍感だから気が付いていないだけ?


「恵…」

「な、なに?」

 まるりんの目がいつになく本気だ。まっすぐに私を見つめてきている。こんな真剣なまるりんを見るのは初めてな気がする。まるりんの気迫に押されて、私は二歩、三歩と後ろに下がった。


「あんた、どんな特訓してるの!?」

「はぁ?と、とっくん??」

「そう。やっぱり運動はさ、基礎体力が最後にものを言うわけなのよ」

「あぁ、へぇ、そうなんだ…」

「私さ、来年こそ県予選を突破したいの!最終学年だしさ、最後ぐらい華々しい成績ってやつを残したいのよ!」

 私の両肩をがっしりと掴んで揺さぶりながら、まるりんは熱い思いを語っている。あまりに揺さぶられるので、「わっ」とか「ちょっ」しか言えない。

「丸井さん…その前に、期末テストで華々しい成績出さないとね」

「え…期末?あぁ…うん、そうだなー」

「期末テストで赤点取ると、進級、出来ないかもね」

 なんだかばつが悪くなったのか急に空なんか見上げたまるりんが可愛かった。呼吸を整えながら友ちゃんがクスクス笑っている。その後、「頼む!数学教えて!」とまるりんが友ちゃんに何度もお願いしていた。そうか、もう期末テストか。だけど私の頭の中は期末テストとは別のことでいっぱいになり始めていた。




≪第0011話へ
第0101話へ≫

PICO - 第0101話 -


ハコニワノベル

 あっという間に期末テストが終わってしまった。上の空になってあまり勉強できなかったけれど、赤点だけは取らないと思う。いや、そうであって欲しい。
 まるりんはテスト前に友ちゃんにビシバシ特訓してもらったおかげで、苦手な数学を乗り越えたらしい。本人いわく「友美は絶対Sだ、ドSだよ」とのことなので、相当厳しく教えてもらったのだろう。
 テスト最終日で午前中に終わったけれど、今日はプシャの日。期末テストの時期と重なってしまったので検診の日を三日ほどずらしてもらった。だから憂鬱でも行かないと祖父に叱られる。それになんとなく身体が重たくなってきている気がする。だから珍しく検診を受けたいという気持ちもあった。あの「異常なし」と言われるだけで救われたような気分になりたいのかもしれない。
 まるりん、友ちゃんと別れ病院へと向かっていると、自転車を押しながら栄一が手をあげて近付いて来る。期末テストの前になんだか微妙な心模様になっていた私はなぜか焦っていた。

「テストお疲れー。どうだった?」

「え?ぇ?え…っと、赤点はないと思う…」

「さすがだなー。でもな、俺も今回は自信がある。」

「へ、へぇ、そそ、そうなんだ」

「…んー?どうした恵?気分でも悪いの?」

「いっ!いやっ!全然!全然!大丈夫!」

 不意に顔を覗き込まれて近付いた顔をまともに見れなかった。無意味に声のボリュームが上がってオーバーアクションになるとバランスを崩して倒れかける。「あぶね!」と言いながら栄一に腕を取られて転ばないように支えられた。その後軽く「無理はすんな」とか説教されてしまった。

「で、今日は病院なの?」

「…はい」

「そっか、なら送ってくかな」

「…え?」

「ほら、後ろ乗れよ」

 有無を言わさない雰囲気だったのもあり、割と素直に自転車の後ろに座った。大きな背中が風を切って病院へと進んでいく。

「明日は何月何日でしょーか?」

「はぃ?」

 いきなりトンチンカンな質問を栄一がしてくる。困惑していると「ほら早く答えろよー」と追撃が来た。

「二月二日!」

「正解!では二月二日は何の日でしょーか?」

「えぇ?」

 栄一の誕生日は四月だし、私は六月だ。じゃぁ、何の日だろう?栄一との思い出の日だったかなぁ?と思考を巡らせる。思い出せないけど、もしかしたら栄一にとって、私との素敵な思い出の日なのかもしれない。あぁ、なんだろうこの気持ち。この気持ち?
 頭の中に雑誌の占いページが蘇る。

「え?ヤダ!うっそ!?」

「は?何言ってんだ?」

「あ…、ごめん、なんでもない。なんでもない。」

「恵、勉強のしすぎで疲れてるんじゃないか?」

「そ、そんなとこかな…」

「まぁ、いいや。時間切れってことで正解を教えてあげよう」

 普段ならカチンとくるちょっと偉そうな物言いも、栄一の素敵な思い出の日が聞けるならと気にならなかった。なかなか言葉にしない栄一に心の中で「早く、早く言え!いや、言って下さい!」とか唱えだしたぐらいに栄一が口を開く。

「二月二日は…、ストレッチパンツの日!」

 私はゆっくり栄一の首を絞めた。

「やめろ!危ないって!」

 ヒーローの必殺技を避けたら礼儀知らずのように、乙女チックの期待を空回りさせちゃダメじゃないか。首を絞められそうになるのを防ぎながら、栄一の漕ぐ自転車は病院へと向かっていった。




≪第0100話へ
第0110話へ≫

PICO - 第0110話 -


ハコニワノベル

「俺、待ってようか?」

「いや、いいよ。私大丈夫だから」

「そっか、じゃぁ帰るな」

「あ!そうだ、この前…と、今日も送ってくれてありがとう!助かったよ!」

 私のお礼に少しだけ恥ずかしそうに片手をあげて答えると栄一は自転車に乗った。

「そうそう、明日は本当にストレッチパンツの日だからな!忘れるなよー」

 何を伝えたいのかさっぱりだったけれど、栄一はそう言い残して帰っていった。少しだけ久しぶりに藤山国立病院のスムーズに開く自動ドアを通った。
 受付を済ませ、三階の第三処置室へ向かう。さぁ、さっさと検診をしてもらって帰ろう。ノックをするといつも通りの「入りたまえ」が聞こえた。

「失礼します」

「やぁ、恵君。ちょっとだけ久しぶりですね」

「はぁ、どうも」

 佐々木は薬品くさい白衣を着て感情の無い笑顔で出迎えた。いつもいる看護士が今日はいない。テスト最終日だったので今が昼過ぎだからだろうか。
 佐々木に促されて着替えると、例の心電図のような機械を取り付けられる。なぜか両手の中指にいつも付けていたクリップは付けられなかった。

「身体が重たかったりしませんか?」

「あぁ、少し重たいというか動きが鈍い感じがします」

「そうですよねぇ、三日も取り込んでいなければ…」

「取り込むって何をですか?」

「あぁ、こちらの話ですのでお気になさらずに」

 いつもは淡々と進む検診なのに、今日はチェックする項目が多いのか、なかなか進まない。佐々木は機械を操作したり、モニターの数値とにらめっこしたりしながら、時々嬉しそうに気味の悪い笑顔になっていた。身体が重たいこともあって少し不安になった。

「あの…、どこか悪いんでしょうか?」

「そろそろ頃合でしょうかね」

 質問と回答が噛み合っていないままで、佐々木は注射器を持って近付いてくる。今までの検診で注射なんてなかったのに。怖くなって「ちょっと待ってください」と言ったものの、佐々木は含み笑いをしながら近付いてくる。「やめて!」そう叫んで立ち上がろうとすると、腰が抜けたようにぺたりと座り込んでしまった。

「ち、力が入らない・・・」

「検診を三日伸ばして欲しいと連絡があったのでね、前回の検診時に少なめにしか取り込んでませんから、そろそろ動けなくなりますよ」

「な、何の話です…か…?」

 身体が重い。動かせない。取り込む?少なめ?頃合?意味の解らない疑問が頭の中をぐるぐる回っている。佐々木は逃げられなくなってしまった私をしばらく下品に見下してから、注射器を私の腕に差し込んだ。抵抗したくても身体が動かない。次第に視界が歪む。意識が少しずつ遠のいていく。

「まさか、あいつの娘で成功するなんて、皮肉な運命…とでも言うんですかね。ひっひっひ」

 床に頬を付けているのだろうか。目の前に佐々木の両足が見えた。ゆっくりと眠るように意識が遠ざかっていった。

   ◇

「こらこら、めぐちゃん。待ちなさい」

「ねぇ、早く行こうよパパ!」

「めぐちゃん、早く行きたいのは解るけど、ちゃんと靴下をはきなさい」

「あー!たいへーん!ママー!めぐちゃん、くつしたはいてないよー!」

「あらあら、めぐちゃんったら。ほら、こっちにいらっしゃい」

「はーい」

 ぱたぱたと走り回る小さな足音が家の中に響いている。女の子は母親に靴下をはかせてもらい、父親はそれを優しく見守っている。「まっしろなイルカさんがいるんだよねー?パパ」と無邪気な声。「あぁ、いるよ」と答えながら父親が立ち上がる。

「待ってまってー!めぐちゃんも行くからー!」

「慌てなくてもパパは勝手に行っちゃいませんよ」

 女の子は買ってもらったばかりの白地に小さなピンクの花模様が付いているスニーカーをはき、待ちきれないように玄関を飛び出して行く。
 父親の運転する車に乗り込むと、一層女の子は声を大きくしてはしゃいでいる。

「まっしろイルカさん、めぐちゃんのこと待ってるんだー」

「ふふふ、めぐちゃんったら二週間もずっと楽しみにしてたものね」

「パパがなかなか休めなくてごめんな」

「ちがうよ!パパがお休みの日にいっしょに行くからいいんだよ!」

「そうね。めぐちゃんの言うとおりね」

 父親は少しだけ涙目になっている。女の子は「早く会いたいなぁ」とか「まっしろじゃつまらないだろうから、めぐちゃんが色をぬってあげるの」と期待に胸を膨らませている。
 遠くに高速道路のインターが近付いてくる。女の子は高速道路が気に入らないらしい。「だって、ずっとずーっとおなじ景色ばっかり!」解りやすいほど頬を膨らませると、女の子は自分の小さなカバンの中から絵本を取り出して読み始めた。

「あら、この子ったら絵本を持ってきてるなんて」

 母親の笑い声、頬を膨らませながら絵本を読む女の子の声を後ろに聞いていた父親が前方を確認すると…突然、顔が険しくなった。

「あ、危ないっ!」

 急ブレーキのキィという音、父親の鳴らすクラクション、ガクンと揺れる車体、強く父親に突き飛ばされたかと思うと、上から母親が覆いかぶさったかどうかの瞬間…
 衝突音。

 なにかに包まれている。女の子がそっと目を開けると路上で横になっていた。隙間から見えたのはグシャグシャになった車からのぞく父親の左腕、バラバラになった絵本、そこらじゅうに撒き散らされたガラスの破片、遠くに転がるスニーカー。そして、頭から血を流しながら自分を抱きしめている母親。
 そのまま女の子は眠るように目を閉じた。

   ◇

「…寒い」

「おや?やっとお目覚めですか?恵君」




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PICO - 第0111話 -


ハコニワノベル

 薄暗い、地下室だろうか?少しだけ肌寒い。意識が朦朧とする。確か検診を受けてて…はっと顔を上げると、モニターの前に佐々木はいた。

「ずいぶん、うなされてましたけど大丈夫ですか?」

 背中を向けたまま、まったく心配していないように佐々木は言った。私はここがどこなのか解らない。けれど安心していられる場所ではなさそうだ。身体は…動く。逃げなくちゃ。
 そう思って立ち上がろうとすると両腕、両足に鈍い痛みを感じた。

「痛…」

「どこに行こうとしてるんですか?そんな格好で」

 含み笑いを見せながら、佐々木は椅子ごと回転してこちらに視線を向けてきた。自分の格好を確認する。…全裸だ。診察台に寝かされている。いつもの心電図のような装置の他に、チューブのようなものが両手両足に突き刺さっている。

「な、何をしたんですかっ!?」

「はぁ?まさか、私が君に如何わしいことをしたとでも考えているのかね?」

「この状況だったらそう考えます!」

「辞めてくれたまえ、私の研究を下品な思考で侮辱するのは」

「…研究?」

「そう、研究だ。解りやすく言うと研究の成果を得るための人体実験でもある」

「……」

「まぁ、理解できないのは仕方がない。君じゃなくても誰も私のやっていることの素晴らしさを知ることも出来ない愚図ばかりだからね」

「あの、帰らせて下さい」

「ほーぅ、この状況で簡単に帰すとでも思ってるのかね?君は」

「…こんなことして、人として恥ずかしくないんですか!」

「人として…?ひっひっひ…既に人ではないのだよ。我々は」

「私は違います!」

「どうかなぁ?もうずっと人じゃないのにねぇ」

 怖い、怖い、怖い。とにかく怖い。佐々木が怖い。それからこの部屋の空気がほこりっぽいような煙たい感じがして、呼吸をするたびにそれらを吸い込んでしまうようで気持ちが悪くなる。窓もない、薄暗い部屋の中で佐々木だけが愉快そうに笑っている。

「君は人じゃない。だけど寂しくなんてないよ。私も一緒だから」

「あなたみたいな人と一緒にしないで下さい!」

「…生意気だな。お前のその目!あいつにそっくりでうんざりする!」

 そう言い放つのと同時に腹部に衝撃。どうやら殴られたらしい。お腹に痛みはないが、両手両足に突き刺さっているチューブの部分に重たく鈍痛が残る。

「ふん、まぁいい。どんなに否定しても君は既に人ではないことは事実だ」

「何を根拠に…」

「それなら…証明しようか……とっても、とーっても解りやすい方法でね」

 佐々木は「うひひ」と笑いながらメスを振りかざしていた。逃げようにも逃げられない。あんなもので切られたら、あんなもので切られたら…と思考が結論に到着する前に、佐々木の持つメスは私の左肩から右足の付け根のほうまで切り裂いていた。

「いやぁぁぁぁぁっっ!!!」

「ふん、なにを悲鳴などあげる必要がある。きちんと現実を見たまえ」

 言われてから恐る恐る自分の身体に視線を移す。切られた。左肩から右足の付け根までバッサリと。切られる感覚があった。いや、事実切られている。私の左肩から斜めに一本の傷が出来ている。ただ、傷があるだけで出血はしていない。

「人体が傷を負うと、普通であれば出血する。そして時間の経過と共に血管が縮み出血は止まる。」

 モニター前の椅子に座り、映し出されている何かしらのデータを見ながら、佐々木は講義するかのように続ける。

「その後、好中球やマクロファージといった白血球がばい菌や異物を除去し皮膚を覆う細胞が再生し、傷は治る。これは軽い傷の場合だねぇ…うひひ」

 佐々木はしゃべり続けながらキーボードをカチャカチャと叩いて入力している。モニターに膨大な量の資料とレントゲンのようなものが映し出されている。

「深い傷になると傷口付近の肉が盛り上がり、その上から皮膚を覆う細胞が再生し、傷は治るのだ。テレビなどで見たことはないかね?肘から先を失った人の手の先は膨らみ綺麗な皮膚で覆われているのを。つまり、傷とはそうして治る。…まぁ、普通の人であれば、だがね。ひっひっひ。」




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PICO - 第1000話 -


ハコニワノベル

「鈴木…あぁ、君のお父さんはね、嘱託…つまり医者の派遣社員のような契約でうちの病院に来たんだよ」

 佐々木は饒舌になって話を続けている。話しながらモニターに向かって何かを入力していく。時折独り言のように自問自答と納得をしては、キーボードを打ち込み続けている。切り裂かれた傷が痒くなってきていた。

「その嘱託の契約が終われば、別の病院に行く…はずだったんだけどねぇ…」

 佐々木はキーボードの打ち込みを止めて、突然デスクを叩きつける。ガンという音が響くと吐き捨てるように言った。

「院長の娘とデキやがった!」

 中学に上がる頃に、父は婿養子だったということを祖父から聞いた。祖父には母一人しか子供がいなかった。元々くっつける為に父に母を紹介したが、特になにをするでもなく二人は恋に落ちたらしい。祖父からは跡継ぎの問題で父を婿養子にしたとも聞いていた。

「この私が、この病院の院長になるべき男だというのに、あのジジイ!嘱託なんかの医者を選びやがって!おかげで私は周りの連中から能無しと陰口を叩かれるようになった…。あいつさえ、お前の父親さえ現れなければ…!」

「なにそれ、異常じゃない…」

「はぁっ?何が異常だと言う?君のその身体の方がよっぽど異常だと思わんかね?」

 勝手に口に出てしまった言葉に反論するように言われ、自分の身体に再び視線を移すと、左肩から右足付け根までの傷は綺麗さっぱりとなくなっていた。「なんで…」と声を出すと「ひっひっひ」と佐々木は下品な声で笑い出した。

「ほらみろ、君はもう人じゃない。ほんの数分で傷が治るなんて【異常】だろう?」

「ぅ…」

「君はね、改造人間とでも言うべき存在に近いのだよ」

「は?」

 なぜか子供の頃に栄一と一緒に観たヒーローのことを思い出した。捕らえられて無理やり改造されてしまう主人公。

「じゃぁ、私の身体は機械なの?」

「ふん、身体を機械化するなんていうのは非常にナンセンスだ。人間は素晴らしい。まさに神が与えた完璧なシステムなのだよ。それを機械という人が作った下劣なものに代用させる、それは非常にナンセンスなのだよ」

「……」

「君が交通事故で運ばれて来たのが…十三年前になるか。ご両親は既に亡くなっていたけど、君は昏睡状態だった。要するに植物人間だ。それを治してあげたのは、何度も言っているが私だ」

「…もしかして、その時に私に何かしたんですか!」

「あぁん?治してもらっておいてその態度はなんだ。治したら君のおじい様は私に大変感謝していたのだよ?」」

「その時、私に…何を、何をしたんですかっ!」

「研究だよ」

「…」

「解りやすく言うと研究の成果を得るための人体実験と言っただろう」

「こんなの、やっぱり異常よ!こんなことまでしてする研究って何よ!」

 両手両足にまた鈍痛。良く見るとチューブは点滴のように血管に突き刺さっている。質問に答えることもなく佐々木はするりと立ち上がると近付いてくる。手には何か先の鋭い棒のようなものを持っている。まるでヤリのようだ。佐々木は診察台によじ登ると私の身体をまたいで立ち、手にしたヤリのようなものを振りかざしながら叫んだ。

「不老不死のっ!研究…だっ!」

 ヤリ状の棒は私のお腹と診察台を一緒に貫いた。驚いたのはそれでも私は痛みもないし出血すらしないのだ。しばらくすると傷口の肉が盛り上がり、その上から皮膚が再生しようとしている。映像の巻き戻しを見ているようだ。
 佐々木は突き刺さったままの棒をぐりぐりと回してから引き抜いた。その瞬間に傷口は再生を始める。自分の身体であることに違和感を覚えるほどに再生していく。

「私は…不老不死なの?」

「いいや。君のは欠陥だらけだよ。一週間に一度程度は充電してやらねばならないからね」

「充電?」

「そう、君の身体の中にいるマシンの充電をね」

「か、身体の中…?」

「正確に表現するならば、血管の中にいるのだよ。私が作り出した【P-ライジン】はね」

 部屋の空気がより一層ほこりっぽくなった気がした。




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PICO - 第1001話 -


ハコニワノベル

 薄暗い部屋、切られた身体に傷はなく、空けられた穴もすでに消えてしまった。自分で自分という存在が信じられなくなってきた。おかしいな、受験シーズンに悩むようなごく普通の高校生をしていたはずなのに。

「人体が傷を負うと、普通であれば出血する。そして時間の経過と共に血管が縮み出血は止まる。それはなぜか?出血を続けると人は死ぬからだ。なら、傷を負った瞬間に血管を縮ませ出血を止める。その後の再生までのプロセスを、通常の何万倍もの早さで行うとどうなると思う?」

 佐々木は私の回答も待たずに続ける。

「外傷による死が限りなくゼロになるのだよ」

 佐々木はモニターに写るレントゲンのようなものを拡大させた。

「これが君の血管の中にいる【P-ライジン】だ。こいつのおかげで君は怪我をしても出血しないし、あっという間に治る。しかも痛覚神経を遮断してくれるから痛みもない。つまり常に麻酔を受けてるようなものだな、ひっひっひ。…こいつをあの事故の後、昏睡状態だった君に私が入れたおかげで、君は今、こうして、生きている。私は君の命の恩人ということになるねぇ」

 見せ付けられたレントゲンのようなものには、小学校の理科で習ったミジンコのようなものが写っていた。細かい足のよなものが沢山生えている。

「気持ち悪い…」

「ふん、気持ち悪がってもかまわんが、君の中には数億という数が入っているのだよ。まぁ【P-ライジン】一つの大きさは一兆分の一センチだから、ミジンコよりもずっと小さいがね」

 佐々木はモニターに向き直り、別の資料を見ながら口を開く。

「【P-ライジン】はその活動スピードは抜群なんだが…、充電が必要なんだよ。一週間に一度程度。だから君は毎週検診という名の充電をしていたわけだ」

「…」

「そうそう、実感したことがあるだろう?今日と、それから以前検診を二度しなかった時と」

「そんな…、じゃぁいつも検診の時に両手が痺れてるのは…」

「そうだ。両手に付けた電極から【P-ライジン】の動力源であるイオンを血管中に散布している。そうすると【P-ライジン】はそれを受け取り充電を完了する。しかし…君に入れた【P-ライジン】は、私が作ったオリジナルのものから更に進化しているのだよ」

 気が付いたら全裸でいることにも、チューブが両手両足に突き刺さっていることもなんとも思わなくなってきていた。鈍感もここまで来るとスゴイとさえ思う。いや、鈍感と言うよりも投げやりになったのかもしれない。

「君、どんなに走っても疲れないだろう?」

「…それが何か?」

「疲労と言うのはね、乳酸が生成される過程で生じる水素イオン、または乳酸そのものが放出する水素イオンにより、筋肉内のpHが酸性に傾くから溜まっていく。しかしね、君の【P-ライジン】は体内で発生した水素イオンを積極的に分解しているみたいだ。だから疲労が溜まらない。またその水素イオンの分解時に発生する陽イオンを使って微弱ながら自己充電している!……これは素晴らしい。ひっひっひ」

「…」

「また赤血球が酸素を身体中に運ぶ際に、【P-ライジン】はこれを助長して、肺から得た酸素をほぼそのまま身体中に回すことが出来る。だから運動能力が常に一定のまま動き続けられるわけだ…。またウィルスが進入してくると【P-ライジン】がすべてこの進入を遮断する。つまり…風邪もひかない。益々…素晴らしいねぇ…ひっひっひ」

 佐々木は震えながら笑っている。

「まさに私がイメージしている不老不死に最も近い!それが…あの鈴木の娘だとは…ひっひっひ」

「いったい何が目的なの?院長になりたいの?」

「!!!…ひっひっひ!ひゃっはっは!院長?そんなもの、今この目の前にある不老不死という可能性の前じゃ、まったくなんの価値も見出せんよ!」

「………私を…どうする気?」

 知りたかったけれど、聞いてしまうと絶望しそうな気がして聞けなかったことをついに口にしてしまった。重たい雰囲気が部屋の中に広がっていく。けれど佐々木は軽々しく口を開いた。

「君なんかどうもしないさ、ただ、私が貸した【P-ライジン】を返してもらうだけ。あとは陰イオンの摂取、自己充電の確立をさせるためにバージョンアップさせるのだよ。まぁ、君は元の植物人間に戻るだろうけどね」

 レンタルショップに借りたDVDを返すぐらいの感覚で佐々木は言った。再び恐怖が身体中を駆け巡った。この人は、ただそのためだけに、研究の成果を得るためだけに、私の身体を使っているだけなんだ。

「こいつを打ち込むと、【P-ライジン】は体内から出口を求めて逃げ惑う。安心したまえ、人体にはまったく影響はない。何もせずに打ち込むと身体を突き破ってしまうから危険だが…、君の両手両足にはすでに【P-ライジン】の出口が作られているからね。ひっひっひ」

 手足を確認しようと動かすと再び鈍痛がした。そのためのチューブだったのか。あの注射を打ち込まれたら、私は植物人間に戻ってしまうらしい。すでに自分で自分の身体に違和感のある私は、植物人間に戻されることさえ他人事のように感じた。「そうそう最後に…」と足を止めながら佐々木が言った。

「【P-ライジン】は完全ではない点が二点ある。一つは充電しなければならないこと。もう一つは興奮すると上手く動作しない点だ。それは必要以上に血液が体内を流れることによる【P-ライジン】のオーバーワークが原因だねぇ。もしそれを私の中に入れてから誤作動してもらっては困るのだよ。さぁ、最後の検診といこうじゃないか。我を忘れるほどに興奮して見せてくれたまえ」

「…結局、自分が不老不死になりたいだけで、そんなことのために私は治されて、そして壊されるの?」

「そんなこと?…ふん、まだ生意気を言えるか…ひっひっひ。別に興奮じゃなくても、我を忘れるほどに怒ったりすればいい。ほら、怒れ!私が憎いだろ!さぁ!…さぁ!」

「嫌!あなたに協力なんてしたくない!私は元々植物人間だったんだから。さっさと終わらせて…もぅ、嫌…」

「ほう…諦めたか。ひっひっひ…でも、こんな昔話を聞いても諦められるか?」

「?」

「ひっひっひ…十三年前の事故が偶然起きた事故でなかったらどうする?」




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PICO - 第1010話 -


ハコニワノベル

 今何を言った?この佐々木という男は何を言った?「十三年前の事故が偶然じゃない?」どういう意味…?

「あの頃、手術のミスで私に対する風当たりが厳しくてね、嘱託だったはずの鈴木は院長の娘とデキて、正式にうちの医者になった。あいつばかりが脚光を浴びていたよ。それに私が何度アプローチしてもそっけなかった院長の娘、あいつも鈴木にデレデレしやがって…」

「それ……完全な逆恨みじゃない!パパとママは何も悪くないじゃない!」

「ふん、知るか。私は病院にいても特に仕事もなく、ただただ病院で時間をつぶす毎日だった。第三処置室を勝手に使って研究をし続けたよ。人口心臓、人口肺、そういったものを改良し、ある時血液の働きを何倍にもする仕組みを考えた。当初はモノがあまりにも大きくて、マウスでの実験時に血管を破裂させてしまっていたがね。そこから何度も実験を繰り返したよ。医療機器開発という名目で資金は湯水のようにあったしね。そして一兆分の一サイズの【P-ライジン】は出来上がった」

「…ちょっと待って、ちょっと待ってよ…その実験に、人は含まれてるの…」

「ひっひっひ、そんなもん何人死んだか解らんよ。いちいち数えちゃいない。まぁ、怪しまれないように死にかけてるやつを実験体に選んでたがな」

「ひ、酷い…」

「そんなことをしているうちに鈴木のやつが副院長になりやがった。しかも婿養子になって藤山になった。権力欲しさにそこまでするか?」

「違うっ!おじいちゃんがパパに婿養子の話をしたって…」

「ふぅーん、それはどうだかな。あいつは副院長になると、私に医者を辞めてくれと言ってきた。そりゃ、私はほとんどの仕事をしていなかったし、当然と言えば当然だ。だが、よそ者のあいつが俺を見下しているのが気に食わなかった。だからどうにかしてやろうと思ったよ。そしたら丁度この病院にヤクザの幹部が入院してきてね、依頼したよ。麻酔で使うモルヒネを流すことを条件に」

「…依頼?」

「トラックでバーン!!となぁっ!!!ひっひっひ!」

「………」

 思考停止状態というのだろうか。私は目を開いているのに目の前が真っ暗になっていく。頭の中を父と母の思い出が蘇る。水族館に行った時、あの事故の日までの思い出がぐるぐるぐるぐると頭の中で回っている。

「う゛ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーっ!!!」

「ふん、最初からそうやって怒ればいいんだ。どれどれ…。ふーん、血液量が増えても君の中にいる【P-ライジン】はオーバーワークしそうにないね。いやはや、恵君のおかげで、私の研究もずいぶんと完成に近付くことができるよ。あまり聞こえちゃいないだろうけどね…ひっひっひ」

 暴れるうちに左足のチューブが抜けた。血は出なかったがチューブ内に入っていた液体がどろりと垂れている。誰か、誰か、こいつを…佐々木を…許せない…許せない……許せない!パパを!ママを!こいつが…!誰か!…誰かっ!腕を足をがむしゃらに動かし続ける。チューブの先に繋がっている機器がガチャガチャと音を立てているだけだった。悔しくて、悲しくて涙が止まらない。
 突然「バン!」という音と共に、外に通じるであろう奥に見える扉が開かれた。

「ちっ!誰っ………!!」

 声を荒げた佐々木が言い終わる前に飛び込んで来た何者かによって、佐々木のひょろ高い体が吹き飛ぶように殴り倒された。扉から差し込む光の中で颯爽と現れたシルエットは叫ぶように言った。

「恵!大丈夫か?」

「栄一?なんで…ここに…?」




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PICO - 第1011話 -


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 勢い良く殴られた佐々木は床に倒れたまま動かない。栄一は心電図のような装置を外すと「痛かったらごめん!」と言いながら私に突き刺さっていたチューブを全て引き抜いた。

「あ…ありが…とう」

 安堵の気持ちで涙が溢れてくる。さっきまでもずいぶん泣いていたけれど。勢い余って栄一に抱きついた。怖かった、佐々木をどうにかして欲しかった、いろんなものが栄一によって救われた気がした。だけど栄一は私にそっぽを向き、両手で肩を押して私を引き離した。

「えっとだな、その、なんだ、うーん…」

 そう言いながら栄一は辺りをきょろきょろしている。どうしたんだろう?そのうち診察台に近付くと「これだな」と言いながら、中央に穴が開いているシーツを外して私に向かって投げると、後ろを向いた。

「その格好は…まずいだろ…」

「へ?……………!!!!!」

 自分が全裸だったことを忘れていた。慌ててシーツに包まる。言いようのない恥ずかしさに部屋の空気が重たくなった気がする。

「もう、大丈夫…」

 そう言うと、栄一はゆっくりとこちらに振り返った。

「栄一、なんで…なんでここに…?」

「話は後、今はここから逃げよう」

「逃がさないけどなぁ…ひっひっひ!」

「!!」

 倒れていたはずの佐々木が起き上がってこちらに近付いてくる。「恵、逃げろ!」と叫びながら栄一は落ちていた棒、私と診察台を貫いたあのヤリのような棒を手に取り、佐々木の肩口に殴りかかった。
 佐々木の身体が歪んで沈む。肩の骨が外れるような、いや、折れるような鈍い音が聞こえた。

「…それが何だというのかねぇ?」

 佐々木は折れたであろう右手で栄一を掴むと壁に投げつけた。それは人間の力じゃないことは明らかで、栄一は数メートルほど吹っ飛ばされ、壁との衝突時に「ぐっ」とだけもらすとピクリとも動かなくなっている。

「逃げないでいるなんて、賢いじゃないか、恵君」

 佐々木が近寄ってくる。圧倒的な力の前に足がすくんで逃げようにも逃げられない。

「言ったはずだね、既に人ではないのだよ。【我々は】とね。私も中に入れているのだよ。まぁ、私の中に入っているのは【O-SPY】という名前で、人の限界を超えた力を出すための物理的なドラッグに近いものだけどね。こいつは外から自由に遠隔操作が出来る代物でしてね、今は私の中に入れてますが、いずれは他人の中に入れて私の意のままに動く人形として働いてもらうつもりですよ。まぁ、私に従わない愚図は体内から処分も…ひっひっひ」

 いつの間にか佐々木越しに見えるモニターは赤色になっていた。また部屋の中が静かになっていく。佐々木の右腕は床に垂れるほどになり、それを引き摺りながら近付いてくる。

「さぁ、私の【P-ライジン】を返したまえ」

「……」

「さぁ!診察台に戻るんだ」

「嫌っ!」

「大人しく言うことを聞いておいたほうが…君のためだと思うがね?」

「…どういう意味?」

「そこで動かなくなってる彼にも、私の研究を手伝ってもらうとしよう」

「………やめて」

「だったらどうすべきかな恵君?」

 下唇を噛み締めた。そのまま診察台へとゆっくり進む。このまま言いなりになったとしたって、きっと私も栄一も助からない。だけど、この状況で私が出来ることなんてなかった。せめて栄一だけでも助かって欲しい。

「下手なことは考えない方が身のためですよ、恵君」

 見透かされてるように言われた。もうどうしようないの?諦めるしかないの?目を閉じて診察台に乗る。「誰か!助けて!」と何度となく心の中で叫んだ。

「…わっかりやす…いコードだな」

「なにぃ…?」

 例のチューブを準備していた佐々木がモニターの方へ振り返った。私も同時にモニターの方へ視線を移す。そこには左腕が動かないのか、起用に片手だけでキーボードを操作している栄一がいた。

「貴様ぁっ!勝手に触ってタダで済むと思うなよっ!人体実験のモルモットにしてやるっ!!」

 ものすごい勢いで飛び掛る佐々木。避けようとも、防ごうともせずに栄一は片手でキーボードを押していく。「カタ、カタ、カタカタ、カタ」とキーボードが鳴る。佐々木の垂れ下がった右腕が栄一に向かって伸びていく。モニターは赤から黒に変わり緑色の文字列が素早く流れると、やがて青色に変わった。

「ぐぅっ…」

 栄一の押し殺した声が響く。栄一の左腕に佐々木の伸ばした腕の指先が刺さっている。薄暗くて気付かなかったが、扉から入り込む光に照らされた床には鮮血が飛び散っている。

「栄一っ!」

 駆け寄ろうとすると、佐々木がピクリとも動かないままで声を荒げた。

「何をした?貴様っ…何をしたっ!?」

「…真から偽へ。今の…あんたらしいだろ?」

「な…に…ぃ?」

 佐々木の声が途切れ途切れになっている。栄一の腕に突き刺さっていた指はずるりと抜け落ち、腕は床に垂れ下がった。佐々木の表情から今まで常にあった余裕が消えていく。

「ま…ま…まさ…か…」

「何って言ったかな…あんたに入ってるとかなんとか言ってた…遠隔操作がどうのこうのいうやつ。これ…そいつのソースコード…だろ?」

 佐々木は栄一の向こうにあるモニターを薄目になりながら見ている。私はどうすることも出来ないまま、栄一と佐々木のやり取りを見ているだけだ。

「ご丁寧に…正常異常の判断処理って書いてあった…その処理をあべこべに…しただけさ、1を0に…TRUEをFALSEに…ね」

「なん…てこと…を…許さ…ん!許…さんぞ…お…ぉ……お?…ぐぅぁ…あがっ…」

 佐々木は痙攣し始め、床を転げまわって悶絶しはじめた。

「ひぃっ!痛い!…痛いっ!!……痛い!痛いよぅ…痛い…やめ……やめっ…た、たす…たすけっ…………んぎぃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 突然立ち上がり髪の毛を掻き毟ると佐々木の身体が跡形もなく粉々になった。着ていた薬品くさい白衣だけがばさりと床に落ちた。それと同時に突然視界が真っ暗になった。




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PICO - 第1100話 -


ハコニワノベル

 白い天井、カーテンレール、どこかしら薬のような匂いがする。あとは硬いシーツ、可愛さのかけらもない枕カバー。それから…カヨリさんがお花を花瓶に入れているのが見える。

「カヨリ…さん?」

「!………恵ちゃん…」

 急に抱きしめられて驚いた。和服がシワにならないかと心配になった。あまり覚えてはいないけれど、ママに抱きしめられた感覚がした。

「あのね…私、どうなったの?」

「地下にある使われていない第四処置室で、恵ちゃんと栄一君が見付かって、二人とも意識はないし、栄一君が酷い怪我してたしで、大騒ぎになったわよ。あぁそうだ。ちょっと登さんに、恵ちゃんが目覚めたって連絡してくるわね。あなた一週間も起きなかったんだから」

 そう言うとカヨリさんは私を腕から解放して、カーテンの向こう側へ行ってしまった。どうやらここは病室のようだ。カーテンの隙間から見える窓を見てみると雪が降っているらしく、窓に降り付いた雪が綺麗な結晶を描いている。

「あ!栄一!栄一は大丈夫かな?酷い怪我だったし…もしかして、死んじゃったりしてないよね?」

 急に思い出して大きな独り言になった。あの時、栄一が助けに来てくれなかったら、きっと私は今こうしてここにいないと思う。本当にヒーローだった。白馬の王子様を夢見るのもありだけど、私はピンチになったら助けに現れるヒーローもありだな。

「おい、人を勝手に殺すんじゃない」

 驚いて振り向いた。しかしカーテンしか見えない。まさか今の空耳だったのかな?と、しばらく静かにカーテンの先を意識してみたけれど何も起こらない。やっぱり空耳だったのか。

「おいおい、無視するなよ」

 今度は完璧に聞こえた。いる。栄一がそこにいる。自分の寝ていたベッドを囲むカーテンをゆっくりと全開にしていく。勝手に個室だと思い込んでいた部屋は二人部屋だった。隣りにもベッドとカーテンがある。隣りのカーテンを恐る恐る開けていく。

「よっ、お疲れ」

 相変わらずの調子で栄一がベッドで横になっていた。ただ、頭と左の手足は包帯でぐるぐる巻きだ。

「なんで栄一と二人部屋なわけ?乙女のプライバシーは?」

「仕方ないだろー、病室空いてなかったんだから…って、それよりもさぁ、大丈夫?とかそういう心配はないわけ?」

「し、心配したわよ!…だけど、私の方がもっと心配かけちゃったかなぁ…って」

「はっはっは。あのじいさんが、めちゃくちゃ心配してたぞー。あとカヨリさんも」

「……あ、え…っと、うん……?」

「……そんな顔で見つめるな。……俺も、心配したよ」

「むむ、これはどうやらお邪魔なようですぞ、友美」

「そうみたいね丸井さん」

「えっ!!?」

 病室の入り口に顔だけ覗き込んでいるまるりんと友ちゃんがいた。「べ、別にそんな、なんでも、ないし…ねぇ?」と栄一に言ってみるも、栄一は「知ーらない。ちょっとトイレー」と言いながら器用に右足だけで移動していく。「ホップ!ステップ!またホップ!」とかリズミカルに言いながら。どうやら元気そうだ。
 まるりんと友ちゃんから散々茶化されると、二人は長居しても悪いという理由で帰って行った。帰り際まるりんに「後はお若い方にお任せしますわ。おほほ」とか言い残された。きっと学校でも栄一とのこと言われるに違いない。深いため息をついた。

「恵!気が付いたか!どこか痛くないか?気分が悪くないか?」

 慌しく病室のドアが開かれ、大きい身体でいつも何にも動じなさそうだった祖父が妙にオロオロしながら入ってきた。その姿を見てなんとなしに気が抜けた。

「おじいちゃん…あ、藤山先生」

「いや、今はおじいちゃんでいい。それよりもどこか不調はないか?」

「うーん…ないと思う。あ、でも一つだけ…」

「ん、なんだ言ってみなさい」

「おなか空いちゃった」

「そうか、うん、そうだな。よし、今すぐに、カヨリに準備させる」

「え?病院のごはんでいいよ。カヨリさんに悪いし」

「ダメだ!病院のご飯は…院長が言うのもなんだが、美味しいとは言えない」

「いや…まぁ、そうだけどさ」

 その後、私とおじいちゃんとカヨリさんと、ついでに栄一も一緒になって、カヨリさんの手料理を沢山食べた。一週間寝たきりだったからか、いつもよりも沢山食べてしまった。食べ終わると栄一は「リハビリの時間なんで、行きます」とおじいちゃんとカヨリさんに声をかけて例の「ホップ!ステップ!またホップ!」を言いながら病室を出て行った。カヨリさんも料理の後片付けで病室を出て行く。おじいちゃんと二人になると、おじいちゃんが話しかけてきた。

「どこか痛かったり、不調になったらすぐに言えよ?」

「…うん」

「身体のこと以外で何か困ってることとかないか?」

「んー、特にないけどさ。なんで栄一と一緒の部屋なの?これでもレディなんですけど?」

「なんでって、発見されてからベッドに寝かせるまで恵が栄一君の腕を離そうとしなかったからじゃないか」

「え!?」

「ワシもな、恵を男と同じ病室になんて入れたくはなかった、けど恵がどんなに離そうとしてもな…」

「えと、うん、ごめん。もういいや、その話やめよう」

 顔から火が出るとは多分今の私のことを言うんだと思う。どこに視線を向けて良いのか解らないままあたふたしてしまう。

「それよりも…恵、すまん」

「え?何?何が?何を謝ってるの?」

「その、あれだ、お前の身体の中…」

「……そっか、おじいちゃんは知ってるんだね」

「どうしても、恵を失いたくなかった。どんな可能性でもしがみ付きたかった。それが間違いだったのかもしれん。本当にすまない」

「ううん。…いいよ、私を心配してくれたからでしょ?」

「それは…そうだが……」

「だったら…いいよ。許す!」

 窓の外に目をやるといつの間にか雪は降り止み、雲間から日が射している。佐々木に切られた場所と貫かれた場所を探すようにそっと撫でると、チクリと胸が締め付けられるような思いがした。




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PICO - 第1101話 -


ハコニワノベル

「え?青春18キップって十八歳の時しか買えないんじゃないの!?」

「あんたは最近勉強するようになったと思ってたけど、根本的な部分は何も変わってないのね」

「じゃぁ、なんで青春18キップって言うんだ?」

「さぁ?学生がメインターゲットだからかな?長期休みと重なるように販売してるし」

「恵もさ、変なとこに詳しいの変わってないなー」

「どうせ私は成長してませんよーだ」

 一週間寝込んで目覚めた翌日、私は例の【P-ライジン】のおかげですっかり回復してしまった。実はもう入院する必要はまったくないのだけれど、この頼りになるようでならない、変わってしまったようで変わっていない、相変わらずな幼馴染との時間を楽しんでいる。
 栄一は元気ではあるものの、左腕は未だに動かせないままだし、左足はまだしばらくギブスが取れないらしい。その代わり、リハビリは順調にこなしているらしく、リハビリの担当医を驚かすほどの回復力とのこと。動かない左腕もきちんと治ると聞いて安心した。

「退院したらどっか行こうぜー」

「どっかってどこよ?」

「そうだなー…温泉とか」

「温泉?嫌いじゃないけどさ、なんでそんな渋いチョイスなの?」

「いや、青春18キップを買ってみたいだけってのもある」

「なるほどね。あ…、そ、それって…その……二人っきりで行く…の?」

「うーん、それはそれで楽しそうだなー」

「ふ、ふーん。そ、そうだね」

 どうにも栄一を意識すると上手くしゃべれなくなる時がある。いや、もう完全に気が付いているのだけれど、それをどこかで認めたくない自分がいる。そう、私は栄一のことが好きだ。きっと、幼い頃からずっと好きだった。だけど、それを自分から伝えるのも負けたみたいで悔しいし、栄一にそんなこと言ってバカにされたら一生立ち直れない気がするので伝えていない。栄一は、私のことをどう思ってるんだろう。
 佐々木に捕まっていたあの日、栄一は結局病院の前で私を待っていて、あまりにも私が病院から出てこないので心配して、受付に聞いて第三処置室へ向かった。そこに誰も居なかったので、祖父に連絡をして病院内を探し回って第四処置室まで来たと言っていた。
 あの日、私がされていたことや、私の秘密も栄一は知らないと言い張っている。その後も聞いてきたりしてこない。きっと私への配慮なんだと思う。いや、私の為を思ってくれているに違いない。
 乙女チック全開で栄一の横顔をぼーっと見つめていると、急に「あぁ、そうだ恵」と栄一が振り返って驚いた。「なっ!なに?」とかどう考えても焦りすぎ。落ち着いて私。

「俺さ、忘れてたよ」

「何を?」

「いや、思い出したんだけどさ…。うーん、これはなかなか言い辛いな」

「…言い辛いようなこと?(もしかして!)」

「でも、まぁ、ここまで思わせぶりしといて言わないのは男としてダメだしな・・・あのな……」

「う、うん…(わ、わ、ど、どど、どうしよう、キャー!嬉しい!)」

「ちゃんとハーゲンダッツはおごってもらうからなー」

 私の投げた枕が栄一の顔面に当たる。「なにすんだ!」とか聞こえてきたけど気にしない。あからさまに腹を立ているように振舞ってから病室を出る。リンと冷えた窓の外から届く射すような寒さを感じながら廊下を進み、エレベータに乗る。
 一階のロビーは今日が土曜日ということもあってか普段より空いていた。入院している人や、お見舞いに来た人がチラホラ見える。沢山並んでいるソファーを横目に通り過ぎ、私は売店に入った。残念ながらハーゲンダッツは売っていない。仕方がないのでスーパーカップにしておいた。それから目に付いたシンプルでクローバーが小さく付いている便箋も一緒に買って病室へと戻った。

「あー寒かった」

「どこ行ってたんだよ…って売店!ハーゲンダッツ?ほんとにおごってくれるの?すっげ!今日雪でも降るんじゃないか?」

 喜んでいる栄一にスーパーカップを渡すと、あからさまに落胆して「えー?」と言った。「それが相応でしょ?」とだけ言ておいた。それでもすぐに栄一は「サンキューな!」と言いながらバクバクとアイスクリームを食べている。この時期にアイスなんてよく食べれるなぁとその姿を見ていた。

「ん?なんだ恵、欲しいのか?」

「え?私?別にいらないよ。ただよく食べられるなぁ…と思ってさ」

「冬に食べるアイスの方が、夏に食べるアイスより美味しいと思うけどな」

「そんなもんなの?」

「疑う前に食べてみろって」

 そう言いながら栄一は木のスプーンに一口アイスを乗せると、それを私の方へ伸ばした。

「ほら、あーん。」

「そ、そんな恥ずかしいこと出来るわけないでしょ!自分で食べれるわよ!自分で!」

「なんだ、遠慮しなくていいぞ?ほら、あーん。」

「遠慮じゃないわよ!私は自分で食べれるから、別に食べさせてもらう必要なんて…」

「うだうだ言ってると溶けちゃうから!ほら!ほーら!あーん。」

 硬く目を閉じて栄一の伸ばした手の先の、木のスプーンが乗せているアイスを食べた。「どう?」なんて聞かれても味なんてまったく解らなかった。




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PICO - 第1110話 -


ハコニワノベル

 翌日の日曜日、祖父から軽い検診を受けると「異常なし」と言われた。これで完全に入院する理由がなくなってしまった。栄一にも「お前もう元気なんだから、ちゃんと学校行けよ」とか言われたし。ただ祖父は少し顔を曇らせるように続けた。

「恵、その、なんだ、退院しても今までと同じで検診をな…」

「充電?」

「うむ…まぁ、そうだ」

「面倒なんだよねぇ。毎週毎週」

「しかしだな、きちんと充電してやらんと、恵の身体は…その…」

「植物人間に戻ってしまう。でしょ?」

「……そうか、そこまで知ってるのか。うむ…その通りだ」

 祖父は佐々木の残した研究資料からほぼすべてを知り得ていた。驚いたことに佐々木は医療機器の開発によって数千万人の人々を救っていたという事実だった。祖父の話によると佐々木はそれらを「副産物」と呼んでいたらしい。

「……おじいちゃん、例えば…なんだけどさ」

「どうした?」

「……例えば、私の身体の中から【P-ライジン】を全て出してしまっても、死んでしまうわけじゃないんでしょ?」

「それは…断言は出来ん。死んでしまうかもしれないし、目覚めるかもしれない。それがすぐになのか十年後なのかは解らん」

「…そっか」

 祖父は立ち上がると窓の外を見ている。小さかった頃はとにかく大きくて頼れた背中も、今では少し小さくなってしまったように見える。だらしなく羽織っただけの白衣と首に下げている聴診器が少しだけ揺れていた。

「恵は…どうしたい?」

「え?」

「いや、いずれはな、充電出来なくなってしまう状況も多々出てくるだろう。そうなった時に何度も命の危険に怯えて暮らすより、きちんと回復してそれからの人生を生きていく方が幸せだ…と、じいちゃんは思う」

 気にしないでいようといたことを言われた。急に糸が切れるように、私は一週間の眠りから覚めてからずっと頭の中にあった、誰にも言えずにいた言葉を吐き出していた。

「私だって、戻れるなら戻りたいよ!だけど、植物人間に戻れるかどうかも解らないじゃない…。それに、植物人間に戻れたとして、そこから私が目覚めるのは何年も先の話でしょ?目覚めた時の私はどうなってるの?あの事故から今日までの記憶は?体験や経験してきたことは?それはどうなるの?消えちゃうの?なくなっちゃうの?私は長い夢をみてただけになるの?ねぇ!私は誰なの?本当は…本当は……あの事故の時に私なんて…し」

 祖父の右手が鋭く私の頬を張った。

「いいか恵。お前が助かった経緯にはワシにも責任がある。けどな、お前の命を救ったのは義人と由紀子…お前の両親だ。あの事故の中で、お前だけは無傷だったんだから」

「…そんな…ウソよ!」

「あの事故は……反対車線のトラックが暴走し、恵達の乗った車にほぼ正面衝突して起きた…」

 佐々木に捕らえられ注射を打たれた後に見た夢のようなものを思い出した。

「義人はトラックとの衝突を避けられないと判断して、後部座席にいた由紀子とお前を車の左側へ突き飛ばしたらしい。それから由紀子はお前に覆いかぶさった。そしてトラックが衝突して由紀子とお前は車の外へ投げ出され、義人は車に取り残された」

 ──グシャグシャになった車からのぞく父親の左腕。

「由紀子は車から投げ出される時に窓ガラスを突き破っていて、投げ出された時にはすでに絶命していた。だけど救急隊員が到着しても、恵を離さなかった。由紀子がお前の身体を覆っていたから、お前は奇跡的に無傷だった」

 ──頭から血を流しながら自分を抱きしめる母親。

 言いながら祖父は涙を流していた。何度も警察と連絡を取り、事故の詳細をこと細かく聞いていたらしい。外傷はないものの脳への衝撃が強く、私は昏睡状態になった。その後、半年経過しても回復の兆しが見えないため、「永続的植物状態」と診断されてしまったらしい。
 その数日後、佐々木が祖父の前に現れて言ったそうだ。「私が作った最新の医療機器なら治せますけどね」と。このまま生きているが意識がないままの孫を見ていられなくなった祖父は、佐々木の提案を受け入れたそうだ。佐々木の医療機器(という名目の人体実験)は驚くほどの成果があり、医療機器投入の翌日に私は目を覚ましたと言う。
 ケガをしても出血しない。走っても疲れない。切り刻まれても、貫かれても痛くもなく瞬時に治ってしまう。その代わり、週に一度は充電を行う必要があるし、充電が切れかけると身体が思うように動かせなくなる。放置すればそのまま植物状態…。思い返してみても、自分で自分の身体だと認識できないでいる。

「これからどうやって生きるかは、恵が決めなさい。そのためにお前を一人暮らしさせたりしているんだ。自分で自分の人生と向き合う為にだ」

 戻れるなら戻りたい。普通の人として生きたい。パパとママが救ってくれた命。どう生きるのが親孝行になるんだろう。こんな無理やり生かされる方法を望んだだろうか。
 目を閉じて考える。人体実験のおかげで今日まで生活して出来た思い出、出来事を思い返す。これらは生かされていたから得たこと?それとも、生きていたから得たこと?

「別に今すぐ決める必要はないんだぞ?そのまま生きるのだって可能なんだ」

「……うん。解ってる。でも…ちゃんと考えるよ。」

 悩みながら、考えながら、ゆっくりと病室に戻った。栄一は勉強らしきものをしていたけれど、私が入るとそれらをサッと片付けてしまった。まだ片足がギブスのままになっている栄一を引きずるように連れ出し、私は屋上に向かった。屋上に出ると灰色の厚い雲が空に広がっていた。

「あのな、これでも俺、怪我人なんだぞ?」

「あぁ…うん…ごめん」

「なんだ、元気ないなー。なんかあったか?」

「ううん…別に。ちょっと気分転換」

「そっか」

 栄一は何も聞かずにいてくれた。ずっとそうだった気がする。私が事故にあったことも、佐々木に捕まっていた日のことも、栄一は何も聞かずにいてくれた。いつも私の近くにいて、励ましてくれてたんだ。気が付くと涙が溢れていた。

「お、おい…恵?どうした?どこか痛いのか?」

「ううん、違う。違うよ」

「……俺に出来ることあるか?何でも言っていいぞ?」

「…私が眠って……」

「眠って?」

「目が覚めた時に、栄一に会えるかな?」

「なんだ、起こして欲しいのか?恵って朝弱かったっけ?まぁ、いいけどさ」

「ふふ。じゃぁよろしくね」

 冷え切った空から雪が降る。あの日から今日まで、沢山の思い出がある。すべてが夢になっちゃうかもしれないけれど、眠ることは怖くない。だって幼馴染が私を起こしてくれるらしいから。




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PICO - 第1111話 -


ハコニワノベル

「ほら、恵、起きろー朝だぞ、朝」

 ゆっくりと目を開けると目の前に栄一の顔があった。驚くこともなく、自然と両手で栄一を抱きしめる。

「ちょ!恵、待て待て待て!」

 栄一が焦っているのを見るのはいつぶりだろう。なぜか嬉しくて笑顔がこぼれてしまう。栄一は「ヒドイ!これじゃ私、お嫁に行けない!」とか言いながら自分のベッドに戻ってる。

「なんか、嬉しかったよ。ありがとね、栄一」

「…ぉーぅ」

 目を合わせずに栄一が右手をあげながら答えるのを見てから、立ち上がる。

「あれ?今日退院だっけ?」

「ううん、ちょっとおじいちゃんのとこ」

「そっか」

「じゃ、行って来ます」

「行ってらっしゃーい」

 今日は雪じゃなくて雨が降っている。少し積もった雪を洗い流すようにサァサァと降っている。湿度が高くて心地よい気がした。廊下を進みエレベータに乗り込んで、二階にある院長室へ向かった。
 コンコンと響くノックの音、しばらくして「どうぞ」という声が聞こえてから重たいドアを開いた。

「恵か…どうした?」

「うん…決めたよ」

「そうか。単刀直入に聞くが、…どっちにするんだ?」

「私…やっぱり元に戻りたい。生かされてるんじゃなくて生きたいよ」

「そうか………解った」

「おじいちゃん、ごめんね?…もしかしたらさ、二度と話せないかもしれないから…。私を育ててくれてありがとう」

「謝らんでいいし、感謝もせんでいい。お前は私の孫だ。当たり前じゃないか…」

「うん。解ってる。だけど言っておきたかったんだもん」

「処置は…今夜行うが、大丈夫か?」

「今夜かぁ、急なんだね」

「ワシが処置できて処置室が使えるタイミングがあまりないんだよ。嫌なら一、二ヶ月ほどずらしたっていい」

「…ううん、今日がいい。あまり長引かせると決心鈍っちゃいそうだし」

「そうか…そう…か…」

 祖父は泣いていた。泣きながら私を抱きしめた。まるで子供をあやす様な気持ちで私は祖父を抱き返した。今こうしてここにいる私は、祖父が決断したから存在している。それをまた祖父自らの手で失おうとしている。私には想像できないほど重く、そして辛い決断だと思う。
 祖父が泣き止んでから病室に戻ると栄一は居なかった。きっとリハビリなんだろう。ベッドに腰掛けると一昨日売店で買った便箋に目が行った。まるりんや友ちゃんに手紙を書こうと思って買った便箋。それを手に取ると何の気なしにペンを走らせた。

   ◇

 有栖川 栄一 様
 
 あまり上手く書けないけれど、ちゃんと書いておこうと思います。
 栄一と出会ったのは物心付く前の頃で、それからずっと一緒にいるよね。
 私、鈍感だから気付いてなかったと思うけど
 栄一にずっと守ってもらってたんだなぁって、やっと気が付いたよ。
 
 私が辛くて泣きそうな時、私が落ち込んだ時、私が助けて欲しい時
 そんな時にどこからともなく現れてくれる栄一は、私にとってヒーローです。
 どんなに「ありがとう」を言っても足りないぐらいに
 栄一に助けてもらいました。
 
 いつか、栄一を助けてあげられるようになって
 今までのお礼をしたいよ。せめて夢の中でだけでも…。
 
 約束、ちゃんと守ってよ?
 私が眠って、目が覚めた時に傍にいて下さい。
 
 
 
 ほんとは怖い。
 何十年も眠って、今までのことが何も無かったことになったらどうしよう。
 もしかしたら二度と誰とも会えなくなるかもしれない。
 私だけ、このまま、消えちゃうのかな?
 
 だけど、栄一が起こしてくれるらしいから
 安心して眠ってくるね。
 
 おやすみ。栄一。

   ◇

 栄一への手紙があまりにダメダメだ。こんなの貰ったら栄一が困ってしまうじゃないか。書き直そう。そう思って手紙を破こうとした時、「お?戻ってたか」と栄一が病室に帰ってきてしまった。慌てて手紙を布団の中に隠しながら「さ、さっき帰ってきたとこ」と答えた。
 夕方頃にカヨリさんが来てくれて、また豪勢な晩御飯になった。これが最後の晩餐かもしれないと思った私は、また沢山食べた。談笑をしているとあっという間に時間は過ぎて、夜になると私は看護士に言われて第一処置室へと向かった。祖父から話を聞いているのか、カヨリさんも付いてきてくれて、処置室へ入る前にきつく抱きしめられた。

「…カヨリさんは、知ってるんだね?」

「そうね、知ってる。だけど信じてるわ」

「ありがとう」

 ゆっくりと処置室の扉を開ける。二重扉の向こうで祖父が資料を見るのを辞めて、私の方を見ながら頷いた。二重扉に手をかけると、思った以上に重たくて動かなかった。少しだけ扉を開くのに手間取っていると後ろから「恵!」と呼びながら栄一が息を切らせて片足で走ってきた。手には捨てるはずだった手紙を握り締めている。

「なんでそれ持ってるの?」

「病室に落ちてた。俺宛だから読んだぞ」

「そっか、出来たら処置前に会いたくなかったよ…せ、せっ…かく…吹っ切れた…のにぃ…」

「バーカ。安心して眠ってこい!」

「…へっ?」

「ちゃんと起こしてやるから」

「…」

「今から言うことは、眠ったら忘れてもいいけどさ」

「…?」

「俺が勉強し出したのは…医者になりたいからなんだ。俺が医者になったら、お前の検診俺がしてやる。そしたら病院に行くのも少しは気が楽だろ?なんなら俺がお前の家に行ってもいいしさ。…だからその、なんだ、一生、俺がずっと傍にいてやるよ」

「……」

「…なんか言えよ。せっかくこっちが恥ずかしい思いまでして言ってんのにさ」

「…栄一のバカ、バーカ!絶対忘れてあげないもん!絶対…絶対…」

「恵は鈍感だからなー、すぐに忘れるんじゃない?」

「絶対忘れないもん!絶対…忘れない…よ…」

「とにかく、安心して眠ってこいよ。しばらく起きれなくたって、俺が絶対に起こしてやるからさ」

「…ぁ…ありがとぅ……」

 もう一度、二重扉に手をかける。あんなに重たく感じていたのに、今度は不思議と軽い気がした。振り返らないで中に入る。診察台に到着すると、後ろでガチャンという音と共に扉が閉じた。そして祖父の処置が始まり、暗く落ちるようにではなく、明るく浮き上がるように私は眠りについた。




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PICO - 第0000話 -


ハコニワノベル

 時計が見える。うなぎのような秒針と、せっかちそうな青い分針。それからのんびりしている赤い時針。水の中で太陽の光が揺らめくように、ゆらゆら、ゆらゆらとしている。

「ほら、恵、起きろー朝だぞ、朝」

 遠くで誰かの声がする。その声の聞こえる方へ歩き出した。進んでいるのか進んでいないのか解らなかったけれど、とにかく声のする方へ歩く。次第にあたりは明るさを増していく。呼ぶ声もはっきり聞こえるようになった。思わずその方向へ走り出した。届かない。声の呼ぶ方へ走っても走っても辿り着かない。雲を掴むように手を伸ばした。

「おはよう、めぐちゃん」

「おはよう、恵」

 光の中にいた。光の中でそう言われた。眩しくて何も見えなかったけど、しばらくすると光にも慣れて目を開くことが出来るようになった。
 白い天井、カーテンレール、どこかしら薬のような匂いがする。あとは硬いシーツ、可愛さのかけらもない枕カバー。それから、──の顔。
 そうすることが当たり前のように抱きしめた。

「ちょ!恵、起きたのか?うっそマジで?」

 よく解らないが困惑している。身体を起こす。次第に断片的に記憶が引き戻される。今度は自分が困惑する番になった。

「え?…栄一?ここって…病院?」

「うぉ!すげ!そうだよ正解!」

「!!…わ、私何年間眠り続けたの?」

「は?」

「私、処置してまた植物人間になったんでしょ?だからあれから何年経っちゃった?」

「…本気で言ってるのか?」

「…私、驚かないから。だから正直に言って!」

「はい、藤山さん、どうされました?って藤山さん??」

「あのすいません、隣りの藤山さんが目を覚ましたんですけど…」

 栄一がナースコールでそう伝えると祖父が手術着のままで慌てて入ってきた。

「恵!気が付いたか!どこか痛くないか?気分が悪くないか?」

「おじいちゃん…大丈夫。だけど、私…どれだけ眠っていたの?」

「…ひい、ふう、みい……ちょうど三日だな」

「三日か…沢山寝ちゃったな…って三日!?三日だけ?」

「…ふむ。無理やりとは言え、昏睡状態から回復して十三年も生活をしていたから、身体はすでに回復していたってことだろうな」

「えーっ!?」

「なんだよお前、何年も眠ってたかったのか?」

 栄一にバカにされたように言われながら、私は力が抜けるのを感じた。目覚められないと思っていたのに、あの覚悟はどうしたらいいんだろう。けれど目覚める瞬間に、どこか懐かしいような、何か暖かいものに包まれるような感じがしたのはよく覚えてる。──それから、栄一の顔が傍にあったのも、しっかり、しっかりと覚えている。もちろん、処置の前に栄一が言っていたことだってちゃんと覚えてる。
 思い出すと恥ずかしさで倒れそうになった。枕を抱きかかえながらそっと栄一の方に目をやると、頭の包帯は取れているが相変わらず左の手足は包帯でぐるぐる巻きだ。今、栄一に目を合わせたらきっと心臓が飛び出ちゃうかも知れない。枕に顔をうずめた。
 しばらくするとキリッとした看護士さんが慌てながら、そして怒りながら祖父を連れて行った。どうやら祖父は手術中に抜けて来たらしい。「後は君に任したと言ったじゃないか」とか言いながら祖父は戻っていってしまった。この病院大丈夫だろうか。
 三日間だけ眠りに付いた。あの処置から三日…三日?あれ?なんだろう、大切なことを忘れている気がする…。

   ◇

「明日は何月何日でしょーか?」

「二月二日!」

「正解!では二月二日は何の日でしょーか?」

「二月二日は…、ストレッチパンツの日!」

   ◇

 二月一日に佐々木に捕まって、一週間寝てたでしょ。それから目が覚めた次の日に栄一にアイスをおごって、その次の日は屋上に行った。その次の日の夜に処置をしてもらって、そこから三日寝てる…!!!
 指を折りながら計算した結果だから間違いない。今日は、乙女としては逃してられない乙女チックデーじゃないか!お見舞いに来たカヨリさんに目覚めた報告をそこそこにすると、こっそり「チョコレートを作りたい」とだけ言うと、すぐに準備をしてくれることになった。祖父に無理を言って調理室を借りるとさっそく取り掛かる。
 コンビニで買ってきてもらった板チョコを砕いて湯銭にかけ、なぜかハートの型しか買ってくれなかったカヨリさんのイタズラっぽい笑顔を見ながら、その型にチョコレートを流し込む。冷蔵庫でそれをしっかりと冷やした。ただ湯銭にかけて型に入れて固めただけのラッピングも何もないハート型のチョコレートが出来上がった。
 出来上がったチョコレートを持って私は病室へと駆け上がった。途中で足は上がらなくなるし、階段ってこんなにしんどいものだったかな?病室のある五階へ到着するころには「はぁーはぁー」とみっともなく呼吸が乱れていた。病室へ向かう廊下を歩きながら呼吸を整える。大きく息を吸ってから病室に入った。

「目覚めたばっかりなのにさ、どこ行ってたんだよ?」

「べ、別にどこでもいいでしょ!」

「ふぅーん、まぁ、いいけどさ」

「き、今日は何の日でしょーか?」

「は?」

「今日は何の日かって聞いてるの!」

「二月十四日…あぁ、バレンタインデーか」

「正解!はいこれ!」

 板チョコを湯銭して、ハートの型に流し込んだだけのチョコレートは無事に栄一に渡った。「おう、サンキュー」とだけ言うと、栄一はそれを大切そうにしまいこんだ。

「大学、絶対合格してよ」

「なんで?」

「わ、私の、傍に一生いてもらうんだもん」

「あのな、お前もう検診いらないかもしれな……、そんなに睨むなって…わかった。わかったよ」

「退院したら合格祈願に行かないとね」

「待て、そんなに俺は信用ないのか?」

「あんたのことだからねぇ、大切なところで失敗しそうじゃない?」

「なるほど!確かにそうかも…」

「ちょっと!もっと自信持って、大丈夫!とか言えないわけ?あと、なんで私のあげたチョコを食べないのよ?毒なんか入れてないよ?」

「チョコはお前の前では食べない」

「なんで?」

「それは個人の自由」

「…本当は、いらないんでしょ?そうならそうとハッキリ言ってよ!」

「違うって!」

「じゃぁ、なんで食べてくれないのよっ!」

「……お前の作ってくれたハートが欠けていくとこなんて見せたくねーの」

「ばっ……」

「むむ、これはどうやらまたまたお邪魔なようですぞ、友美」

「ほんとね丸井さん」

「えっ!!?」

 まるりんと友ちゃんから散々追求されて、観念するように栄一とのことを話した。冬も終わりに近付いて、窓から優しい日差しが入り込む。この十三年間が自分で過ごしてきたのか、それとも過ごされていたのかは、はっきりとは解らない。でも、それはもう気にならなくなった。これまでと同じようにこれからを、私自身で過ごしていこうと決めたから。



 体重のおよそ十三分の一。
 血球成分と血漿成分からなり、その比率は 45:55 である。
 血球成分は赤血球96%、白血球3%、血小板1%で構成。
 血漿成分は水分96%、血漿蛋白質4%、微量の脂肪、糖、無機塩類で構成。
 大きな分子を除いた残りのものの組成は、海水に近い。
 
 私のソレは流れなかった。



 真から偽へ。1から0へ。そして私はここにいる。
 すべてはゼロに戻ったけれど、ほんの少し、それこそ一兆分の一ほどかもしれないけれど、私が成長したことは紛れもない真実だ。
 もうすぐそこに桜の季節がやってきている。さて、受験シーズンの開幕だ。





完。




≪第1111話へ

第02回ハコニワノベルのあとがき


エッセイ

 全部で十六話!なので十六日間連続更新でお送りした、第02回ハコニワノベル「PICO」の執筆も無事完了。個人的な目標もなんとか達成してホッとしつつあとがきでも。


【キーワード】は21個!


前回よりも増えてる!と驚きながら「PICO」の執筆に入りました。
けれど今回はそんなに苦しめられることはなかったです。
あえて言うならば、最初の【キーワード】がRUTYさんの【プシャ国立病院】だったことですね。
これが「PICO」の世界観を決定付けました。

とにかくまず【プシャ】をどう片付けるかを考えたんですね。それで主人公の名前が
 
 「プシャ」→「ふしや」→「ふじや」→「不二家?」→「藤山」
 
と言う、素晴らしい連想により決定しました。
ついでに第01回の主人公が男の子だったので、「よし、今回は女の子が主人公」だとか、
「SFが書きたいな」といったように割と何も考えないままプロットが固まりました。
この何も考えないままに突き進むのが、とっても楽しかったです。



個人的な目標


21832文字

↑これ、第01回ハコニワノベル「また逢えるまで。」の総文字数です。
400字詰めの原稿用紙で約56枚です。
で、今回の目標のひとつは【前回より1.5倍の文字数にする】でした。
つまり32748文字以上を目指していたわけです。

結果はどうだったのか…今回の「PICO」の総文字数をカウントしてみました!



「PICO」の総文字数は…



 
 
 
 34562文字!
 
 



 
よっしゃ!目標達成!(ガッツポーズ)
400字詰めの原稿用紙で約86枚分。書いたなぁ。
この目標もあまり何も考えずに「また逢えるまで。」が全十話だから
十五話ぐらい書けばいいかな。と。
で、十五話絶対に書くぞ!と決めたので
4桁の2進数表記で話数を表そうと決めました。1111=15なので。
ここもあまり何も考えずに突撃(笑)

もうひとつの目標が【登場人物を増やす】だったので
今回も【キーワード】を書いて頂いた方に出演(?)して頂きました。

・ariesさん有栖川 栄一(栄一)
・まるりーんさん丸井 幸子(まるりん)
・ともさん山口 友美(友ちゃん)
・kayoriさんカヨリさん
・黒さんBLACK-PON☆PON(ボーカル=黒井先輩)


栄一の名前をariesさんから思いつきました。
その他は上手くキャラが立っていればいいのですが、どうだったんだろう…



第03回の開催予定は?


正直、まだ決めていません。が、実施はします。
とりあえず【3月上旬にキーワードの募集予定】としておきます。
いろいろと忙しくなってきてまして、思うように執筆することが出来ないかもしれないので。
※トップの最新のお知らせ「はみ出し情報」を参照



感想を募集しております!


第02回ハコニワノベル「PICO」の感想を募集しています。
思ったことを、感じたことを以下の感想フォームから送っていただけると
とても嬉しく思います!

また、送って頂いた感想は「表紙」の帯にしますので
感想を送られた方は表紙の帯にも注目してみて下さいませ。


【キーワード】を書き込んでくれた皆さんと
「PICO」を読んだ皆さんへ、どうもありがとう!を。



しのめん。




【追伸的お知らせ】
  前々からやりたかったリニューアルを
  「PICO」の完結に合わせて行いました。
   ・カテゴリを選択するとそのカテゴリの過去の記事から表示されます。
     →なので「PICO」の表紙はしばらく後に順番が変わります。
   ・前のデザインではあったものが綺麗になくなっています。
     →なので20文字募集は終了させて頂きました。
   ・上手く動作していない場合、表示がおかしな箇所があれば
     コメント、メールなんでも構いませんのでお知らせ下さいませ。



よっしゃー!
これでしばらくはエッセイ(という名の好き勝手日記)が
書けるぞー!

テーマ:楽しく生きる
ジャンル:ライフ

ヴァレンタインデイのはなし


エッセイ

 何を今頃…と思ったりもしますが、ハコニワノベル中は完結まで他のの記事を書かないと決めているので、何を今頃…な話題になりました。


昔と今とでずいぶん変わった価値観のはなし


昔は、といっても人類の歴史上の話ではなく
もちろん、私個人の話ではあるのですが
私も小学生(高学年)、中学生、高校生と
それなりに思春期と呼ばれる時期を過ごしていたわけです。

その時期の男子っていうのは
【クリスマス】とか【ヴァレンタインデイ】といったイベントに超敏感。

「クリスマスを独りで過ごしたくない!」

「チョコがひとつも貰えなかったらどうしよう!」

といった何かよく解らないものに怯えている状態なわけです。
まぁ、私もそんな状態でした。

けれど、今では結婚もしましたし子供もいる人の親。
【クリスマス】はサンタさんのお手伝い。
【ヴァレンタインデイ】は家族でチョコを味わう時期。
というぐらいの感覚に変わってしまいました。



これは本命?義理?勝手に定義してみる


そうそう、チョコには2種類ありますよね。
【本命チョコ】と【義理チョコ】というやつです。

一般的に【手作り=本命】みたくされているのですが
例えば市販の高級チョコレートでも本命だという意思表示になるらしいので
正確に分類しようと思うのであれば

【本命チョコ】
  ・手作りで、自分だけに贈られたチョコレート
  ・市販の高級チョコレートで自分だけに贈られたチョコレート

という感じじゃないかなぁと思います。
ポイントは【自分だけ】というところでしょうか。

社会人になると職場などで女性が一致団結し【義理チョコ】を盛大に配ってたり
保険関連のお姉さんから貰えたりする場合がありますが
残念なことに、私のいる職場では【義理チョコ禁止令】があったり
保険関連のお姉さんが猛威を振るうお昼休みですら、作業場所に引きこもっているので
一切チョコを貰う機会がありませんでした。



価値観が変わったわけ


いや、価値観として別に貰えなくても構わないのです。
もちろん貰えたなら嬉しいですけども。
だって、別に貰えなくても【安心できる】じゃないですか。
そこは、ほら、嫁がいるので、ほぼ確実に貰えるわけですよ。
その【安心感】が価値観を変えてくれたんだと思います。
(要するに「貰えなかったらどうしよう」という価値観は変わっていない)

そして帰宅すると…

お帰りなさい。
しのめん
ただいまー。
あーさん
パッパだーっ!おかえいなさーい!
ちぃさん
パッパー♪ぉかぁーりぃー


そんな心温まる出迎えを受けながら
お風呂を済ませ、食事を取る。すると食後に…

はい、これ。あーさんと一緒に作ってん
しのめん
うわー!ありがとう!


なんと、あーさんも一緒になって作ったというサプライズ。
嬉しい。これは嬉しいですよ。

出てきたのは「マシュマロ入りのチョコケーキ」だったんですね。
んもー、【手作り】しかもまだ【誰も食べていない】=【自分だけ】=【本命】だと。
まいっちゃいますよねー。もう。

もちろん食べました。





「甘っ」





私は甘いのも辛いのも好きなんですが
めちゃくちゃに甘い!そしてベチャベチャとしてケーキっぽくない。

もしかしてこれは【本命】や【義理】に代わる第三のチョコレート



(いろんな意味で)【ギリギリ】チョコレートか!?



なんてことを妄想しつつ、結局全部頂きました。
いや、味が甘すぎてたって、形が整っていなくたって
愛する嫁とあーさんが一生懸命作ってくれた【世界でひとつだけ】の贈り物ですから。


それから、複数名(お二人)の素敵なレディからもチョコレートが届きました。
ここでお礼をさせて頂きます。ありがとーごじゃーます!

メインなのはあーさんとちぃさんへの贈り物だったけども!
もちろん貰えたので大変嬉しかったです。



え?お返しって3倍とか?

テーマ:楽しく生きる
ジャンル:ライフ

そうだ、実家へ行こう


エッセイ

 思いつきでの帰省という訳ではありませんが、土、日、月とで実家に帰ってくるのです。


積雪1メートルとか2メートルとか


もうね、真相は解りませんが私の父が【酔っ払って】そう言うので
まぁ、5、60センチぐらいだとは思います。いや、思いたい。

そんな中で帰る理由というのは【この記事】に関連しております。
もう七回忌になるんだなぁ。

雪も大変なのですが、今回はバスで帰ろうとしておりまして
あーさんは多分そんなに問題ないと思いますが…
ほら、うちの、その、お怪獣さまこと、ちぃさんがですね
バスの中で【3時間】ぐらいを我慢してくれるのかどうか…

まぁ、なんとかなるか。密室だし。



ぷちろ~ぐにて


トップページの一番上に「最新のお知らせ」という項目がありますが
そこに表示されている内容は、つい先日オープンした出来立てホヤホヤの
【ぷちろ~ぐ】というサービスです。

これね、【軽くて・簡単で・出来ることが限られている】ので
初心者の方でも簡単に始められます。
ブログパーツとしてメインのブログにも貼り付けられるので様々な使い方が可能です。

※かなり無理やりにカスタマイズしているのが原因なのか
  ブラウザによってはリンクが押せませんが、今はそのまま(笑)

で、明日から帰省するのでそこに「メモエッセイ」として何かアップできたらいいなと
こう思ったわけです。直接しのめんのぷちろ~ぐ「ポジメモ」にアクセスして頂くと
コメントなんかも書けますのでお気軽にどうぞ。

■しのめんのぷちろ~ぐ「ポジメモ」
http://petitlogue.jp/b/posimemo/




雪の影響でバスが延着しませんようにぃ!!!

テーマ:日々のできごと
ジャンル:ライフ

気を付けないとね


エッセイ

手に入れたつもりでいても、実際は危うく手のひらに乗っかっているだけだったりする。
なーんて、言葉で綺麗にしてしまったけれど、そういう話。


無事、帰省完了!


寒かった。
とりあえず第一声は間違いないと思う。
なんせ、室温が暖房を付けている状態で氷点下。
積雪は60センチぐらいになってたと思う。

出発前日にあーさんが39度の発熱。
一時は私だけが帰省するプランも考えられました。
が、翌日薬が効いたのと、あーさん本人の希望で無理をさせつつも
家族全員での帰省になりました。

バスは15分程度の遅れで済み
その後も順調に実家へと到着して
翌日の七回忌も滞りなく終了しました。

あーさんもちぃさんも大雪の中元気に遊んでました。
雪だるまを作ったり、雪を食べたり…(美味しいよ!)



落下事故


あーさんが落ちた。
実家にある十段ほどの階段の一番上から。
ものすごい音と振動がして
その後で、強烈な泣き声。

私の姉が傍にいたのだけれど
一瞬の出来事だったのでどうにもできず
私が駆けつけたときに、あーさんはパニック状態で
すべてを否定し続けながら泣いてました。

とにかく抱っこして
あーさんの言うすべてを肯定して
二時間近くかかって、ようやく落ち着いたあーさん。

外傷や、骨(骨折)などがないかを確認。
右足に小さなアザ1つ、おなかにも小さなアザ1つ。
その他、外傷なし。
頭に陥没箇所もなし。

あーさん本人に痛い場所はないかを聞いたけれど
「大丈夫、痛くない」とのしっかりとした返事。

ほんと心配したけれど、大丈夫でした。


で、私の姉も幼いときに
この階段の一番上から落下しているという事実。
そのときも、目立った外傷はなく無事だった。

子供の身体の柔らかさと
古い日本家屋の柔らかさとで
ケガはしにくいのかもしれないなぁ、とか思ったのでした。

ともかく、無事でなによりだ。



会話をするということ


今回の帰省で一番しんどかったのは他でもない嫁。
帰省の準備から何からすべてを嫁に任せっきりになっていたこと
夫の実家だと心休まるタイミングがないことなど
いろいろと私の配慮が足りなかった点がチラホラ。

家に帰ってからお互いに何が悪かったのか
また繰り返さないためにどうすべきかを、きちんと話し合いました。

解っている【つもり】でいると
意外と何も解っていなかったり、見えなくなることが多々ある。
【大丈夫なつもり】で安易に考えていると
指の間から簡単にこぼれてしまう。

こぼれてしまってから悔やむことが、なるべくなくなるように
気を付けないとね。




ほんと、あーさんが無事でよかった……

テーマ:日々のできごと
ジャンル:ライフ

祝500記事!


エッセイ

 やっと500、まだ500、もう500?いろいろ思う数字ではあるけれど
 キリが良いので【祝】と付けてみた。というおはなし。


何はともあれ、めでたい


前身のWEBサイト【POSITISM】の中の一コンテンツだった
【blogism】がサイトの閉鎖に伴って【POSITISM】になり
FC2へ移転してなんとなく二年が過ぎ去ろうとしてる…と思う。

親バカブログであった【POSITISM】は月~金まで週5で更新していたのだけれど
思うところあって更新頻度を極端に落としたり、エッセイブログに成り代わってみたりと
かなり変化の多いブログだなぁ。

ブログ全体のデザインが変わるリニューアルは二年間で五回。
しかも同じようなデザインじゃないという
読んで頂いているみなさんにとっては
「せっかく慣れたのに、バ、バカーっ!」という心境もあるかもしれません。
(↑どんな心境だ)

それでも辞めずに続けてきたおかげで
本日500記事となりました。ありがたや、ありがたや。



自分とネットとブログの変化


ちょっと良い節目なので
最近感じていることとか、これからのことみたいなのを
書いておこうと思います。

まず、【自分の変化】
がっつりインターネットをするようになってから早十年。
歳も取りました(笑)

昔はのめりこみ過ぎて見えなかったことや解らなかったことが
なんとなく見えたり、解ってきたり。
精神的に大人になったんだなぁと思います。

大人になれたのは歳を重ねたのもありますが
結婚して、出産があって、父親になったから。
というのがかなり大きいのです。嫁とあーさんとちぃさんに感謝。


それから【ネットの変化】
がっつりインターネットをするようになった十年前
ネットはかなり限られた人たちのモノだったように思います。

今はパソコンの使い方は良く解らないけれど
インターネットは出来るという人も多いと思います。
それから携帯電話の進化と普及によるネット人口の拡大。
これによってネットの敷居が低くなったし
いろんなサービスが発展したように感じています。

ブログなんて最初に出てきたときは
「は?なにこれ?」とかみんな言ってたのに
今じゃブログを持っているのは珍しいことじゃなくなりました。
SNS、mixiに代表されるようなソーシャルネットワークサービスも
かなり普及しちゃったなぁと。


最後に【ブログの変化】
最初の方にも書いたのですが
もともと私のブログはWEBサイトの一コンテンツでした。
「日記が簡単に更新できる」ぐらいの認識でしたから。

なので元々はただ【日記】を書いていたブログも
他では読めないメインコンテンツ…【POSITISM】のウリはコレだ!を考えて
【親バカブログ】となりました。
育児は沢山の人が共有できる話題なので
沢山の人と交流を持ったりしながら
有意義なブログライフを送っていたと思います。

しかし【親バカブログ】を続けていく中で
どうにもならない矛盾というか葛藤が現れたので
【親バカブログ】から撤退し、エッセイブログになりました。
そのときの経緯

そして2008年になって
今までの【親バカ】というウリを自ら失ったことで
【POSITISM】が別にどこにでもある普通のブログになってしまうのが
なんともモチベーションがあがらない原因になっていたので
(要するに、別に自分が更新しなくても誰も困らないじゃない理論←なんだそりゃ)
心機一転、新たなメインコンテンツを模索して
ドキドキしながら実施したのが【ハコニワノベル】だったりします。

まだまだ上手くない文章だったりしますが
【POSITISM】といえば【ハコニワノベル】と思われるぐらいには
なれるように精進しようと思います。

もうひとつのメイン【エッセイ】はまだまだ模索中(笑)

まだまだ変わっていくかと思いますが
どぞどぞ、【POSITISM】としのめんをよろしくどうぞ。



出版します!


【POSITISM】での明確な告知は初めてですが
昨年13人で1つの物語を書いた「みく子」の物語(正式名:M線上のアリア)を
共同自費出版することにしました。

それに伴って【Союз LSR-3(ソユーズ)】というチームを立ち上げることになり
そのメンバーとして活動を行っていくことにしました。
1つ1つ【形】にしていけるように頑張っていく所存です。


この【M線上のアリア】は現時点で280話を超えています。
(その代わり一話一話はサクサク読めます)
13人がそれぞれの視点から物語が複雑に絡み合う
読み応えもあって【個人的にも面白い】と思いますので
時間があるときに読んでみて下さい。

※【ハコニワノベル】は【M線上のアリア】がなければ生まれませんでした。
  しのめんの物語を書く原点になっています。


■M線上のアリア を読むならコチラ(mixiに登録している必要があります)
  http://mixi.jp/view_community.pl?id=2674546

■Союз LSR-3(ソユーズ)についてはコチラ
  http://soyuz3.web.fc2.com/soyuz_about.html


※もし、mixiしてないから読めない!という方がいて
  mixiやりたい!と思われましたらお気軽に連絡下さいませ。
  招待メールを送信しますので。



第03回ハコニワノベル開催します!


毎月恒例(にするつもり)のハコニワノベル。
その第03回を開催します。

【キーワード】の募集は【2008/03/03】に行う予定です。

気軽に【キーワード】を投稿下さいませ。



いろいろ頑張るぞーっ!

テーマ:楽しく生きる
ジャンル:ライフ

自分で自分に決めたルールみたいなもの


エッセイ

 電車はこの乗り口から乗る。とか好物は最後まで取っておいてから味わう。
 といった類の自分だけに課せられたルール。みないなもののおはなし。


やっと明確になってきた


リニューアルをしてからちょうど十日。
いつも訪れてくださる方にもなじんできたでしょうか。

それと同じような感覚で
やっと私自身も、【今の】POSITISMで記事を書くのに
ようやくなじんできました。
もう少しいうなら、
POSITISMの記事を作成するルールが明確になってきた。
…ということです。

いや、更にもう少しいうと
記事の中でもエッセイの書き方ルール。
ともいえると思います。

うん、もうちょっと面白く読める。
そんなエッセイにしていきたいな。
(これがエッセイなのかは不安であるけれど)



ハコニワノベルのルール


順調に第01回、第02回と完結させることのできた
【ハコニワノベル】ですが、これにももちろんルールがあります。

・読者からの【キーワード】を使って物語を構成する

というのが【表向き】な主なルールです。
ということはもちろん【後ろ向き】なルールも存在するわけです。
いや、べつに落ち込んだり、ネガティブになるわけではないので
【自分だけに設定されたルール】といえば解りよいかもしれません。

例えば…
・【キーワード】は全て使う
・【キーワード】が投稿されるまでに物語の構成をしない
・なるべく文章の正しい書き方を心がける
・例え続きが書きあがっていたとしても一日一話ずつ更新する

といったルールみたいなものです。

そんな中に【次回ハコニワノベル開催までに二冊以上の本を読む】というのがありまして
通勤、帰宅中の電車の中などで、せっせと読書をしてたりします。

今まで、ほとんど読書をしなかった人なので
物語を書く(しかも月に一本)からには
やはり読書は大切だと思うのです。

もうひとつそれに関連するのが
【ハコニワノベル連載中は読書をしない】というのもあります。

これは単純に他の物語に影響されないように。です。



第03回ハコニワノベルを開催


そんなわけで昨日
「PICO」完結後から二冊目の本を読み終えたので
予定通り【2008/03/03】に第03回ハコニワノベルの【キーワード】を募集します。

第01回は16個、
第02回は21個と
【キーワード】は順調に増えております。
ありがとう。と言わせてもらいたい。

お気軽に【キーワード】の投稿をお願いします。

書くのも、読むのも楽しめる
そんな物語になりますように……。




【書くのも、読むのも楽しむ】が書くときのルールです。
みなさんの【自分ルール】はどんなですか?

テーマ:楽しく生きる
ジャンル:ライフ

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