POSITISM - 前向き親バカおとーさんの素敵な妄想エッセイ集。 -
   
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2009/11/06 19:20
カテゴリ:エッセイ

「インプット大事」

 物語やエッセイを書くために必要なことを考えていたら
 ふと、書くのに必要なことが解ったぞ。な話。

エッセイ書けるぞーと言いつつ書いてない有様


「FARFALLA」を完結させたことで安心してしまって
せっかく書けるようになったエッセイを書いてませんでした。

書きたいことは沢山あって
・あーさんが幼稚園生になった話
・ちぃさんが来年から幼稚園生になる話
・ゲームやってたら嫁がキレてガラス戸が割れた話
・あーさんの幼稚園父兄参観でもらった手紙に
 「ぱぱ げーむやりすぎ げーむきんし げーむやったら しばく」
 と書かれていた話
・iPhone 3GSを手に入れた話
・iPhone 3GSを手に入れた時に勃発した夫婦喧嘩の話
・現在ダイエットで-7キロ。目標はあと-9キロな話

まぁ、沢山あるのわけですが
どうして書かないのか、それとも書けないのかを考えてみると
どちらかと言えば【書けない】状態なんだなぁと。
物理的に時間がないわけでもないし、書きたい内容はある。
けれど書いていないわけなので、何かしら【書けない】理由があるはず。
それをちょっと掘り下げてみました。



アウトプットし続けると枯渇する


物語でもなんでもいいですが
作品を生み出し続けていくのは大変なんですよね。
日記とか日常生活で感じたことだけ書き出すのは
面倒にならなければ続けるのはそんなに難しくないと思います。

何がどう違うのかを考えると
作品を創作するのにはかなりのエネルギーが必要なんだなと。

で、結局自ら生み出したものは
自分の経験なり、体験なり、知識なりを加工して出すわけで
それを続け過ぎれば経験も体験も知識も枯渇していくと思います。

アウトプットをするためには、経験や体験や知識を新たに蓄える
つまり、インプットが必要なんだよなぁ。
という言ってみれば、当り前のことに気が付いたわけですよ。

そう気が付いてから、まぁ、今朝気が付いたんですけど
物語のプロットを固めるために調べ物したりですね
気になったこととか、思いついたことをメモしていくと
面白いように大量の収穫がありました。

そう言えば、ハコニワの最初のころは
この調査時間が濃密だったなぁ、なんて思いだしたり。
そして、この調査してるときが楽しかった。
「FARFALLA」は正直書くことを楽しめていなかったので
反省しつつ改善させたいなと。



より良いインプットのために


まずは読書。
読みたい本もチラホラ出てきてるのと
友達から借りれる本など、電車での移動時間を有効に使って読みたいなと。

それから外出。
普段が一人三都物語状態なので
休日にどこかへ出かける気力が無かったりするんですが
もっと出かけて、普段触れないものに触れる機会を増やしたいなと。

最後はコミュニケーション。
ブログの更新をしなかった間は
ブログ経由での交流をあまり取ってませんでした。
それ以外でもリアルでもネットでも
もっとコミュニケーションを活発化させて
いろんな情報を得たりしたいなと思います。

だからなんだろう、リンク切っちゃった人とか
その、復活させてくれても、ええんちゃうかな?



orangeさんの応援


orangeさんの作品【鉛色のサンデー】
第二回青春小説大賞』にエントリー中です。
読んだこと無い人は、読んで!
読んだことある人は、是非投票して下さいませ。

ほんと面白いから、みんな鉛色になればいいと思う。



そんなこんなで、明日はミニSLに娘ズを乗せるため
朝から出かける心構えです。
寝坊しませんように!!!


 
2009/10/28 12:34
カテゴリ:エッセイ

「第09回ハコニワノベルのあとがき」

 執筆開始から完結まで一年一ヶ月と十九日。
 第09回ハコニワノベルはそれでもなんとか完結したよ。な話。

約一年二ヶ月かかった理由


まずは第09回、ものすごく時間が掛かってしまったものの
完結させられたことは良かったなと思ってます。
■「FARFALLA」の表紙はこちら

今回のキーワード募集時に書いている内容をサルベージすると



08回が不甲斐ない結果になってしまったことが
個人的にどうしても許せない!
忙しいとか、時間がないとか言ってられない。
誕生月でもあるこの九月の物語、ちょっと魂込めて書きます!


第08回で、物語が書けずじまいだったので
今回はその悔しさをバネにして、しっかり書くつもりでした。

しかし、蓋をあけて見れば
去年の九月中に執筆完了することが出来ず
十月に六話、十二月に五話。
しばらく空いて今年の二月に一話、四月に一話。
そこから約半年も書けずじまいのままズルズル引き摺って
やっと九月の終わりから一ヶ月ほどかけて完結となりました。

理由は物理的なもので、執筆時間の激減です。
今もその状況はあまり変わってないです。

去年の暮ぐらいの記憶は仕事してたぐらいしか残ってませんw



「FARFALLA」の出来るまで




※以下、盛大にネタバレしていきますので、読んでない人はご注意!



今回の物語を構想する前に、なんとなく「こんな物語を書きたい」というのがあって
それが【地球の滅亡】だったりしてます。
自分の考える地球の終わり方を描きたいなと。

それで「温暖化→海の面積拡大→大量蒸発による寒冷化→滅亡」みたいなのが
物語の中に出てきてます。
今になってはなぜ【地球の滅亡】を描きたかったのか
正確な理由は思い出せませんが、地球が滅亡した先で人類がどう生きるかを
想像したかったからかもしれません。

そんな物語の軸があり、そこに頂いたキーワードをちりばめて
「FARFALLA」は創られていきました。



キーワードについて


今回キーワードを投稿して頂いたのは15名。
今回分で15個のキーワードが集まりました。

さらに、前回の募集時に集まった12個を合わせた
27個のキーワードを使わせて頂きました。

それぞれについて軽く。


■誕生日おめでとうw(るどさん)
 誕生日の存在しない主人公にチキューでの誕生日を祝う部分で使いました。
 この【誕生日が存在しない】という設定にしてしまって
 どこでこのキーワードを使えばいいのか悩みました。

■蝉時雨(☆まりモさん)
 チキューでの季節描写で使いました。

■胡麻麦茶(黒さん)
 そのまま飲み物として登場してます。

■ベランダ(春野ひなたさん)
 タイトルでもある「ファルファッラ」というものが何のことなのか
 主人公が気付く時のシチュエーションで使ってます。

■未必の故意(じゅじゅさん)
 これが今回一番悩ませてくれたキーワードです。
 まず「未必の故意」って何? とか思いながら
 勝手に衛星通信を全員に見せた主人公のことですね。
 ここ、もう少し上手く書きたかったなぁ。

■ヨーヨー(ミッチーさん)
 何度もリベルラ社員をぐるぐる巻きにした
 スペースヨーヨーとして登場してます。

■学園祭の女王(RUTYさん)
 外からやって来た女の子の寝言に使ってます。

■しっぽの長い黒猫(なつめさん)
 倉庫に描かれた絵として登場してます。

■金色の目(蓮火さん)
 外からやって来た女の子の外見に使ってます。

■ほっかむり(neco*さん)
 チキューで出会った女の子がかぶっています。

■アキアカネ(志津さん)
 トンボとして使いました。
 今回はイタリア語をいろんな名称に使っています。
 ちなみに「トンボ=リベールラ」です。

■リンドウ(樹さん)
■秋桜(Rocheさん)
■ケイトウ(來弥さん)
 チキューから持ち帰った花の種として登場してます。

■ストラトキャスター(ともさん)
 ギターのことなんですが、主人公が作るロケットの名称に使いました。


--- 以下、第08回に頂いたキーワード達 ---


■忘れ水(☆まりモさん)
 海を表す表現として使っています。
 こういう日本語の古い言葉って、なんだか粋で好きです。

■メダル(なつめさん)
 主人公達の左手の甲に埋め込まれています。
 ここの設定も上手く活かしきれてないんですよねぇ。

■幕末(黒さん)
 近未来の物語中にどうやって組み込ませようかと悩みましたが
 シンセングミ(新撰組)として登場してます。

■入道雲(志津さん)
 これはもうそのまま登場させました。

■満天の星空(ミッチーさん)
 宇宙、星を舞台とする物語だったので使いやすかったです。

■黒猫(るどさん)
 上の「しっぽの長い黒猫」と同じくです。

■ユーフォニアム(奏湖さん)
 ラッパとして登場してます。
 実は私、ユーフォニアムを吹けます。
 トランペットも吹けますが。

■永遠の友情(あやさん)
 いじめっ子、取り巻き、生意気な子供といったキャラクターとの繋がり部分です。

■みちくさ(じゅじゅさん)
 チキューを旅立つ前にしてます。

■はちまき(タイキ≒蓮火さん)
 シンセングミと合わせて使いました。
 ほんと、ここらへんは近未来の物語とマッチさせ辛かったです。

■初恋(春野ひなたさん)
 チキューで出会う女の子に芽生える感情です。

■本当のこと(ともさん)
 これは、人類の歴史が嘘だったり
 滅んでいるはずの星が滅んでいなかったりの部分です。



感謝と告知です


第09回も皆さんのおかげで【なんとか】書き終えることが出来ました。
ありがとーごじゃーます!ありがとーごじゃーます!

もう、読んでる人がいるのかどうかもあれですが
とにかく感謝しております。

で、ここまで完結するのに時間がかかってしまって
当初のハコニワの目的である「毎月一本物語を執筆する」というのが
既に達成できていない訳ですが、が、が!

ハコニワノベルは継続する所存です。
書きます、あと三作品!
既に構想がありまして、ハコニワノベルの総決算として
三部構成の巨大なのを書きます。

キーワードの募集をするのですが
少し変わったキーワード募集をする予定です。


ということで、開催はするのですが
これだけ長い間ハコニワのおかげでエッセイも書けてませんし
しばらくハコニワは充電しつつ、エッセイを書いていこうと思ってます。

だって、あーさんは既に幼稚園生だし、来年からちぃさんも幼稚園生になりますから!
どんだけ何も書いてないんだか。書きたいというか、ブログは自分への記録になりますから
駄文でも、親バカラァァヴリィァィィー! でも
書いておくことに意義があるわけです。はい。


そんなこんなですが、充電完了後にまたキーワードの募集を行いますので
お時間が合いましたら、またキーワードの投稿をお気軽にどうぞ。



長い間放置してたので、リンクの整理等しました。
こっちでやってるよー! とかの連絡あれば
修正するので教えてくだされー。


 
2009/10/27 15:29
カテゴリ:ハコニワノベル

「FARFALLA - fine -」

「それでミツル君。どうやってチキューのことをフィオーレの人に知ってもらうの? 四千万人もの人達に説明するだけでも大変。更にそこから信じてもらおうと思ったら、ものすごい時間が掛かってしまうわ」

 ウラーノが捕らえられた後、私とミツル、ついでにカンクロとペーシはリベルラ社の社長室、つまりヴェルネさんの部屋に呼び出されていた。

「その前にヴェルネさん、何時の間にリベルラの社長に?」
「それはね、テラちゃん。二年前に解雇されるよりもずっと前から、私はこの椅子を自分のものにするためだけに動いていたというだけよ。喫茶店をしていた間だってね。まぁ、今回はたまたま私に回って来ただけのこと。それでも、遅かれ早かれこの椅子は私のものになっていたでしょうけど」

 にこやかに笑っているけれど、ヴェルネさんの笑顔が怖い。同じ女として尊敬出来る部分が多分にあるのは認めるけれど、私はここまで裏表を使い分けられる気がしない。「そうなんだ」と言って笑った。でも間違いなく顔がひきつっていると思う。

「じゃ、じゃぁ、あのタイミングでウラーノを捕まえるのも計画通りだったの?」
「ううん。それは違うわね。あの人の裏をかけれるような、何か大きな騒動だったら何でも良かったんだけど、なかなかチャンスが無くてね。そしたら謎の宇宙船飛来の緊急事態。コレだわ! って、ほんとミツル君には感謝してるわよ。うふふ」
「ずっと準備は出来てたってことですね。ヴェルネさんって、意外と腹黒」
「ちょっと姉さん、聞こえてますよ! な、ペーシ」
「そうです、そうです。絶対に聞こえちゃってますよね、カンクロさん」
「テラちゃんはいつも正直でいいわぁ。お姉さん、今の発言は聞かなかったことにしといてあ・げ・る。さてと、それよりもミツル君。チキューのこと、どうするつもりなのかしら? フィオーレが私のもの……じゃないや、自由になったのだからこちらとしては、あなたのやりたいことを出来る限りバックアップするつもりだけど」

 私たちから少し離れた場所で、ミツルが窓の外を見ている。少し嬉しそうな顔をしていたかと思うと、こちらに困ったような顔を見せてくる。

「それがですね、特にどうするつもりもないんですよ」
「どういうことかしら? さっきは人類の歴史にロックンロールをかますとか、確かそんなことを言っていたけど?」
「うーん、ウラーノさんにも言われたんですけど、なんと言うか……」
「ミツル、あんたもしかして、何も考えてなかったの?」
「おいおい、本気かよ。チキューって星があるのは事実なんだろ。な、ペーシ」
「ほんとほんと、真実を知ってどうするかは、人それぞれですよね、カンクロさん」
「結局、あなたはその真実を誰にも教えようとはしない訳かしら。ウラーノの言っていたように、誰も信じてくれないから諦めるという訳? 私が好きなのは、もっとバカで周りが見えてない癖に、絶対に信念を曲げない。自分の信じたことを最後まで信じ抜く。そんな夢を追いかけてるミツル君だったのになぁ。ちょっとがっかりしたわ」
「いや、だからですね。もうやるべきことはやってしまってて、僕が今からやることなんて特にないんですよね。ほら、今だってもうフィオーレのみんな、チキューのこと知りつつありますから」



『え?』



 ミツルが見ている窓の先、巨大なリベルラのモニタに懐かしい青い空と青い海が映し出されている。それだけじゃない、この窓から見える全てのモニタが同じ映像を映し出している。きっと各個人が持っているモニタにも同じ状態になっているのだろう。ふいにモニタ内になんだか変な老人が現れて手を振り始めた。

「ヒヒヒ、ワ・レ・ワ・レ・は、チキュージンだよぉ」
「ビランチャさん! ダメですよ。最初に不快感を与えちゃいます。……あ、えーと。フィオーレの皆さん、こんにちは。私はクローチェと言います。私たちはチキューと呼ばれる青い星に住んでいます。皆さんと同じ人類です。勝手にこちらの映像を送ってしまってごめんなさい。でも、フィオーレではチキューは、私たちのこの青い星は滅んでしまったと教わると聞きました。チキューは滅んでなんていません。私たちはチキューで毎日生活をしています。フィオーレの皆さんはどんな生活を送っているのか教えて下さい。あと、ミツル……これ見てるかな? ちゃんとフィオーレの映像、届いてるよ。フィオーレってとっても綺麗なところなんだね」

 ヴェルネさんの机にあるモニタにも、外のモニタと同じ映像が映し出されている。ミツルがそのモニタの前に移動すると、インカムを取りつけながらモニタのカメラに手を振った。すると映像の中の女の子が「あ、ミツル!」と手を振り返した。

「クローチェ、ちゃんと見てるよ。とてもいい演説でした」
「ちゃ、ちゃんと話せてたかな? 私、あまり自信ないよ。だってミツルが出発したあとで、この衛星通信の話を聞いたから……」
「クローチェ姉ちゃんさー、今も通信してる最中なのに、ミツルと普通の会話してていいのか? フィオーレで沢山の人に聞かれてるし、見られてると思うぜ」
「ちょ、え、ダメ、見ないで! 聞かないで!」

 モニタの映像から女の子が慌てて消えると、憎たらしい男の子が映し出される。

「やぁ、フィオーレの諸君。俺様はコメタ様だ。フィオーレに住む諸君は、チキューに来たらきっと驚くことだろう。まず、諸君では普通に動くこともままならないほど、チキューはとても厳しい星だからだ。しかし、チキューはフィオーレの何倍も広く、とても素晴らしい星だと思っている。人類は元々チキューで暮らしていたのだ。これからはチキューとフィオーレそれぞれが協力しあって、生活をしていこうではないか」
「相変わらず偉そうだな、コメタ」
「おい、ミツル! せっかく良い調子でしゃべってるのに邪魔するなよな!」
「ごめんごめん。元チキューの最速の男」
「あ、てめーこのやろ……」
「ははは。コメタ、ごめんよ。ちょっと僕もしゃべりたくなったからこの辺で」
「ちょっと待て、ミツル、おい……」

 ミツルがモニタを操作すると、目に映るフィオーレのモニタというモニタにミツルの顔が映し出される。ミツルは笑いながら話し始めた。

「フィオーレの皆さんこんにちは。僕はミツルと言います。二年前にフィオーレを飛び出してチキューへ行き、先ほどチキューからフィオーレに戻ってきました。先ほどの映像はチキューに設置した衛星アンテナと、チキューとフィオーレの間にあるルーナという星に設置したアンテナ、それからこのフィオーレに着陸させている僕の宇宙船に搭載されているアンテナを経由して送受信されている、チキューのリアルタイム映像です。フィオーレの映像も同じようにチキューへ送っています。人類は元々チキューに住んでいました。細かい経緯がどうだったのかは解りませんが、それから人類はルーナにも移り住んで、そこからこのフィオーレで暮らすようになったと思います。しかし、フィオーレはリベルラ社の管理下におかれ、誰一人として真実を知ることも、自由に生活することも出来ません。僕は、フィオーレの他に人類が住める星があるはずだと、ずっと信じていました。その星を探すために、ロケットを作っていたある日、この女の子がフィオーレに辿り着いたんです」

 いきなり腕を引っ張られると、モニタに私の顔が映し出される。

「ちょっと、何するんのよ! それと、今のあんたが強く引っ張ると物凄く痛いんだけど?」
「名前はテラと言います。彼女はチキューからやってきたと言いました」
「無視するの? なんなの?」
「僕は嬉しかった。フィオーレ以外の星で人類が生きている。そこへ行ってみたい。そう思って彼女をチキューへ送ることを約束しました。けれど、リベルラ社の妨害があって、二年前に彼女を残したまま、僕だけがチキューへ飛び立ってしまったんです。それからチキューの人たちに助けられながら、こうしてまたフィオーレまで帰って来ることができました。チキューはすごいところです。皆さんにもチキューを知ってもらいたい。だからこうして、衛星通信で皆さんのモニタをジャックさせてもらいました。これから僕は、テラをチキューへ送り届けるつもりです。そしてもっと簡単に、気軽に、チキューとフィオーレを繋げようと考えてます。チキューの人がフィオーレに、フィオーレの人がチキューへ、気軽に行き来が出来るようにする。それが僕の今の夢です」
「そう言えば、さっきの女の子とあんた、どういう関係なのよ?」
「え? クローチェのこと? クローチェは僕が気絶したところを助けてくれて、それからチキューでは一緒に暮らしてただけだよ」
「ふーん、一緒に暮らしてた。それって一つ屋根の下で生活してたってことかしらね? ミ・ツ・ル君」
「そうだけど?」
「あんた、ちょっと覚悟しなさいよ! 私があの太っちょとガリと仕方なしに一緒にいる間、あんたはあんな可愛い子と一緒に生活してたなんて許せない!」
「おいおい、聞き間違いだよな? 今、姉さん俺のこと、ふふ、ふと……。な、な? ペーシ」
「たまには、現実も受け入れましょうよ、カンクロさん」

 結局そのまま私たちのケンカをフィオーレの全員と、チキューにいる人たちに一部始終を見られることになった。その騒動をヴェルネさんがリベルラ社の新社長としての挨拶とリベルラ社の管理を解放し、全ての生活で何事も自由に選択することが可能になったことが告知されてモニタジャックは終了した。最初は混乱していた人たちも、リベルラ社の新社長が名言することで納得し始め、そこまで大きな混乱は起こらずにすんだ。その代り、この騒動の後で私たちが外を歩いていると、絶対に笑われるようになった。それもこれも、全部ミツルが悪い。あいつが無制限に衛星通信をモニタになんか流すなんてことをしたからだ。そんなことをしたらどれだけの人に影響があるのか、あいつは――いや、あいつは解っててやっているかもしれない。
 その騒動からほどなくして、私はミツルの作った宇宙船FARFALLAに乗ってチキューへと無事に帰った。今ではチキューとフィオーレは共存関係にあり、フィオーレで蓄えたエネルギーをチキューへ供給し、そのエネルギーで開拓、農耕が行われている。またチキューで収穫された食糧や水などをチキューからフィオーレへと届けるようになった。チキューとフィオーレの関係はとても良好だ。
 私はチキューとフィオーレを股にかける花屋になった。チキューの植物を少しずつフィオーレで広める活動を、あのモニタに映っていたクローチェ、コメタと一緒に行っている。カンクロとペーシはリベルラ社の一員として、治安維持や施設管理をしている。ヴェルネさんにこき使われているらしい。ミツルは――、いやあのバカは、カプリコルさんと、チキューに住んでいるビランチャっていう爺さんと一緒に、相変わらずロケットを作ってる。たまに会ってもロケットの話ばかりしてるバカだけど、こいつのロックンロールには少しだけ何かを期待してもいいと思っている。



 人が変わるように。
 歴史が動くように。
 星々が輝くように。



 ――数年後。
 チキューとフィオーレ間の移動は、宇宙船で簡単に行うことが出来るようになった。
 フィオーレとは古いチキューの言葉で「花畑」、移動に使用する宇宙船FARFALLAは古いチキューの言葉で「蝶」と呼ぶらしい。

 今日もまた、花畑へ蝶が舞う。



   完。




≪35へ


 
2009/10/26 15:57
カテゴリ:ハコニワノベル

「FARFALLA - 35 -」

 瞬間、ミツルの姿が目の前から消えた。そして私の目に映ったのは――、一回転、二回転、三回転して仰向けに倒れたウラーノだった。倒れたウラーノの傍でミツルが笑っている。

「女の子の力じゃ勝てなくても、同じ男なら若い方が強いってことですね」
「こ、これで勝ったと思っているのですか?」
「いいえ」
「……何を考えている? XB03026」
「いや、何をって言われても……ただ、人類の歴史にロックンロールをかまそうと思ってるだけですよ」
「無駄だ。例え君が本当にチキューへ行き、こうして戻って来たとしても誰も何も信じないでしょう」
「そうですかね?」
「この私が管理しているフィオーレでは、外の情報は完全にシャットアウトされているからだ」
「なんのためにそんなことを?」
「人類は醜い。自由を与えられれば必ず破滅へと進んでいく。チキューとフィオーレがそれぞれ関わらないことこそ、人類を護ることになるのですよ」
「だからって、全部あんたの身勝手で真実を知ることもなく、ただ生かされていることが正しいとは思えない」
「ふん、子供の理想論ですね。真実を知ることこそ正しいというものではない」
「だから、そんなの全部あんたが決めつけてるだけだって」
「それじゃぁ、このフィオーレにいる人類にその真実とやらを教えてあげればいいでしょう。フィオーレの外にはチキューという星があって、そこでは同じ人類が生活をしているということをね。そんな話、フィオーレの中で信じるものなど誰一人いない。所詮、私に管理されているだけの人類に、自ら思考し、想像を働かせることなんて無理なんですよ。笑えますねぇ、くっくっく、はっはっは。君がこの二年間、いやフィオーレでこそこそとガラクタを作っていた期間を合わせると四年間もの間でやったのは、あそこにいる少女を拾って、その少女を置き去りにしただけなのですよ。くっくっく、はっはっはっは」
「……」
「さぁ、どうしましたか? 人類の歴史に、ロックンロールとやらをかましてごらんなさい。君の声など誰にも届かない。例え真実を知ったとしても、誰も何もしないでしょうがね」

 勝ち誇ったようにニヤリと笑いながらウラーノはふらふらと立ちあがり、眼鏡をかけ直す。

「ミツル、私には届いてるよ! ミツルの声、ちゃんと届いてるから!」
「おいおい、聞こえただろー? フィオーレの外にはチキューとかいう星があるらしいぞ。な、ペーシ」
「らしいですね、それも元々人類が住んでいた星らしいですよ、カンクロさん」
「黙れ! 貴様らのようなイレギュラーがいくら騒いだって何も変わらん。私のフィオーレは変わらせはしない。くっくっく。貴様ら、ここから無事に出られると思わない方がいいぞ」

 ウラーノが右手をあげると、混乱していたリベルラ社員達の統率が取られていく。あっという間に囲まれてしまった。視線の先でミツルも取り囲まれている。

「ミツル! ……カンクロ、ペーシ! なんとかしなさいよ!」
「いやいやいや、姉さん。流石にこの人数相手はちょっと……な、ペーシ」
「ですねですね、全員を巻き付けるだけのスペースヨーヨーもありませんしね、カンクロさん」
「もう、あんた達は本当に大事な時に使えないんだから! ここは強硬突破するしか……うっ」

 取り囲んだリベルラ社員が一斉に銃口をこちらに向けている。その奥からウラーノがゆっくりと近付いて来ると、私は二年前と同じように胸倉を掴まれて持ち上げられてしまった。抵抗しようにも力の差があり過ぎて、暴れても暴れてもウラーノの腕を振りほどくことが出来ない。

「XB03026、大人しくしないと、このガキ共の命はないと思え! ……なっ?」

 周りにいるリベルラ社員達が構えるラッジョ銃の銃口が、なぜかウラーノに向けられている。持ち上げられて視線が高くなった私に見えたのは、リベルラ社員の間をゆっくりと通り抜けながらこちらに向かってくるミツル。それから、その沢山の社員達の一番後ろで片手をあげて指示を出している人――ヴェルネさんだ。

「ヴェルネ、貴様……」
「あら社長。いいえ、今は社員ではありませんのでウラーノさん。お久しぶりです。同じことを繰り返して言いたい訳ではありませんけど、女はいつでも夢見る男性に惹かれるもの、ですわ」

 ゆっくりと私は下ろされて解放された。ウラーノはそのまま両手をあげた。

「テラ! 大丈夫だった?」
「あんたが無茶するからでしょ! ほんと、ほんとにバカなんだから」
「おいおい、二年間も音沙汰なしでヒーロー気取りな奴がいるぞ。な、ペーシ」
「いますいます。どれだけテラさんが心配して泣いてたと思ってるんですかね、カンクロさん」
「ちょ、ちょっと、何余計なことしゃべってんのよあんた達は!」
「はいはい、素敵な青春ごっこは後でしてくれるかな?」

 ヴェルネさんはそう言いながら私たちをウラーノから遠ざけると、一枚の書類を取り出してウラーノに見せ付けるように広げた。

「ウラーノさん、あなたの解雇通告書です」
「何? バカな。解雇通告が出来るのは私だけのはず」
「いいえ、あなたではなく、リベルラ社の社長権限でのみ、この解雇通告を行うことが許されています」
「寝言は寝てから言いたまえ。リベルラ社の社長はこの私だ」
「あら? あなたこそ寝言は寝てから言ってくださいませね。あぁ、申し遅れました。わたくし、この度再就職したんですよ。リベルラ社の社長に」
「なんだと? ふざけるなよヴェルネ! リベルラ社、いやフィオーレは私のものだ!」
「……ナンセンスですわね。今、リベルラ社の全権はわたくしが保有しております。管理が得意とおっしゃる割に、ご自分の自己管理がなっていませんわ」
「大人しく話を聞けばくだらない。まぁ、いい。貴様が社長だろうがなんだろうが、力づくで奪い返せばいいだけのこと。チキュージンを甘く見るなよ!」
「あら怖い。あなたに掛かったら、わたくしなんてひとたまりもございませんわね」
「ならば社長の座を返してもらおうか、ヴェルネ! 貴様らを消すことぐらい造作もない……」

 瞬間、ウラーノがくるんと回転してコケた。ヴェルネさんが足払いをしたからだ。

「なに?」
「先ほど、こっそり重力のプレゼントを差し上げたことを、お伝えするのを忘れておりました」

 ウラーノの腕に、私が付けられていたあの時計のような装置が取り付けられている。いつの間にかヴェルネさんが私からあの装置を外して、ウラーノに取り付けていたみたいだ。足払いの恰好からにこやかにほほ笑みながら、ヴェルネさんが立ち上がる。髪の毛を手ぐしで整えると、こう言った。

「足元がお留守ですわ」




≪34へ
fineへ≫


 
2009/10/23 19:44
カテゴリ:ハコニワノベル

「FARFALLA - 34 -」

 あまり表情を変えないウラーノが引きつった顔を見せている。しかしその視線は、どこかで予測していた事態である雰囲気を醸し出している。相変わらず、嫌いなタイプだ。なんでも想定済み、対応方法も決定済み、そんな感覚を思わさせられる。
 しばしの沈黙がお互いに流れた。――その時。

「おいおい、ウソだろー? 普通生きてると思うか? な、ペーシ」
「ですよね、まさか生きてるなんて、誰も思いませんよね、カンクロさん」

 懐かしい癇に障る言い回しの声が聞こえた。その声が聞こえた方を確認すると、カンクロとペーシ、それからテラが見えた。

「んー? おー! みんな久しぶり!」
「……」
「あれ? なんで黙ってんの?」
「うるさいわね、この……、この、バカミツルー! !」
「バカな、辿り着けるはずがない。あんな燃料すら積んでいないガラクタでは……」
「まぁね。でも辿り着いてしまったんだから仕方がないよね」
「くっ……」
「あ、あんたね、どこ行ってたのよ!」
「え? あぁ、そりゃもちろんチキューだよ。すごいな、チキュー!」
「だったらなんですぐに戻ってこないのよ! 私がどれだけ心配したと……」
「ごめんごめん、向こうでも一から宇宙船作ってたら二年経ってたんだよ」
「バカ! ほんと、もうバカ! バーカ! バカ……」
「久しぶりなのにバカしか言われてないな……。まぁ話したい事は沢山あるけど、その前にやっておきたいことがあるんだよね」



   ◇



「離せ!」
「いいえ、離しません。あなたはこのフィオーレにとって危険因子。だからここで処分します。チキュージンと言えど女のあなたでは、男の私には力で及ばない。残念でしたねぇ。あぁ、そうだ。最後になぜあなたはここに辿り着いたのか聞いておきましょうか」
「ファ、ファルファッラに行きたかったんだよ」
「ファルファッラ? そんな星は存在しませんよ。あなたはありもしない星を目指して、チキューを飛び出したのですか? くっくっく、はっはっは。実にくだらない。チキューで何も知らず生きていればいいものを。ファルファッラ? なんだそれは。はっはっは……」
「何が可笑しい! 何が、可笑しい!」



   ◇



 二年前にテラを傷つけたことだけは許せない。テラやチキューの人達がファルファッラ、いやフィオーレにどんなに想いを馳せていると思っているんだ。確かにファルファッラという星は存在しない。だけどファルファッラはフィオーレだった。テラはちゃんとフィオーレに辿り着いた。それはファルファッラにちゃんと辿り着けてたってことだ。ここまで二年掛かったけど、一矢報いてやる。
 僕はゆっくりと右腕を回した。

「あんた何する気?」
「ん? ラリアット」
「バカ! あんたほんとにバカなの? あいつに私のラリアットが効かなかったの忘れたの?」
「ラリアット!」
「だから、無理だって……」

 力を抑える意識を遮断する。息を吸い込んでから全体重を足に移動させ、その溜めこんだ力をそのまま全部噴射させて、まるで重力を振り切るロケットのように、強く、強く床を蹴った。

「チキューではフィオーレのことを、ファルファッラと呼ぶんだ!」




≪33へ
35へ≫



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  我が家のプリティお怪獣様。
  しのめん家の人々。
  こう見えても2児の父。
  料理と絵が上手い。
  たまにはゲームで息抜き。
  重要だったり、じゃなかったり。
 
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しのめん  書いてる人:しのめん

 嫁ラヴで親バカ
 300円で買う遠足のおやつとか、
 授業中のラクガキのような、
 ハコニワ的な束縛の中で工夫して遊ぶのが好きです。
 (仕事中のネットとか大好き)←ダメ絶対(笑)

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